桜蔭中学高等学校の時事記事紹介

学校研究

前回は海城中学高等学校の記事を紹介させていただきました。

名門校へは、人が流れていくものの、人が流れ出てくることは基本的に考えにくいです。

そのため、なかなか情報が出回って来ないように感じます。

そこで様々な情報源から客観的に判断することは大切だと思っています。

今回は、女子の私立御三家の桜蔭中学高等学校について記事が出てきたので、少し考察をしてみようと思います。

2021年6月6日付のNIKKEI STYLEの記事より

東大合格トップ女子校 桜蔭の原点は「学びへの渇望」(上)

前回の海城中学高等学校のときと同じく、記事を書いているのは教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏。

もちろん、外向けの記事なので、いろいろ考慮しながら読んでいくことも時に必要にも感じます。

ただ、実際に行われていることは事実として受け止め、その気質や風土を感じる参考にはなると思います。

まず、記事の冒頭で出てくるのは「校長自らが教壇に立つ道徳の授業」という内容。

どうやら、中学1年生の道徳の授業は、伝統的に校長自ら担当することもあるようだ。

これはなかなか興味深い。

入学して、まだまだ校長先生とは距離感もあるタイミングで、敢えて道徳の時間を利用して校長先生との距離感を縮めていく。

記事を読み進めていくと、校長先生のタイプによっても様々あったようだ。

記事を引用すると

今日から3回にわたって、桜蔭学園97年の歴史について話していきたいと思います。97年の間に校長先生が何人いたと思いますか? 私が9人目の校長です。私が入学したときの校長は、第3代の水谷年恵先生でした。高校に上がるときに、木村都先生に代わりました。

(中略)

水谷先生はとてもカリスマ性があって、詩のようなお話をする先生でした。一方、木村先生は化学の先生で、スピーチにはいつもきっちりとした原稿を用意する方でした。いま思えば、私たちは生意気でしたね。『原稿を読むようなスピーチでは、私たちの心には響きません』と、担任の先生に文句を言ったんです。すると木村先生は、『自分は科学者である。水谷先生のような話し方では、自分は自分の考えを正しく伝えられない。私は私のスタイルでやります』と、担任の先生を通してはっきり回答してくれました。しばらくすると、木村先生のスタイルに、私たちも慣れていきました。

https://style.nikkei.com/article/DGXMZO72417360Q1A530C2000000/

このやりとりだけでも、いろいろと読み取れるようにも感じます。

女性だけしか存在しない環境ゆえの空気感もあったのかもしれない、とか。

ある程度、賢い層だからこその言動なんだろうな、とか。

あとはそれぞれの校長先生の人柄も少し想像することができるのではないでしょうか。

ちなみに、NIKKEI STYLEのホームページで、関連記事として以下のような記事もありました。

「東大に一番近い女子校」4つの黒板とノート術(2017年3月18日付の記事)

内容としては、トップ校でありがちな、教員が添削していくタイプの授業スタイルについての記事が中心になっています。

ただし、3ページ目には上記の道徳の記載がある。

今も佐々木校長自ら中1の道徳の授業を担任と隔週で担当し、「相手を敬う礼の心、相手の気持ちを考えて行動する心」の大切さを伝えている。

https://style.nikkei.com/article/DGXMZO14056280U7A310C1000000?channel=DF180320167086&nra&page=3

この記事は4年前の記事ですが、当時は校長先生が違ったようですね。

現在の齋藤由紀子校長先生も、この記事の当時は教頭先生だったことが2ページ目に書かれています。

また、興味深い内容としては、当時の専任教諭56人のうち、9割が女性であり、1/3ほどが桜蔭出身者であるとのこと。

学校規模(定員240人の5クラス編成)を考えると、ちょっと職場の雰囲気が想像しにくいかもしれません。

また、過去記事は理系や文系の選択や東大や東京医科歯科大学など進学の話が中心になっています。

立地的にも、東大本郷キャンパスまで徒歩10分、東京医科歯科大までは5分であり、夏休みには30人ほどの生徒が医科歯科大の研究室で実験をさせてもらっているとの記載もあります。

実物に触れられる立地面のアドバンテージも最大限活用しているようですね。

2021年6月13日付のNIKKEI STYLEの記事より

桜蔭生「勉強してない」は嘘 書道部員が明かす本音(中)

連載の中編は生徒へのインタビュー記事。

学校の雰囲気を知ることができる記事になっている。

校内テストで順位を公表しないとか、宿題もほとんどなく、生徒が自発的に勉強する文化があるとのこと。

書道部員の活動を通して、何かを追究することの大変さとその達成感を感じられるような教育が行われていそうだ。

上編の「学びへの渇望」というタイトルにもあるように、学問に対しての姿勢を育んでいるようにも感じられるような気がします。

おわりに

今回は桜蔭中学高等学校に焦点をあてました。

ただし、学校ホームページからではなく、NIKKEI STYLEの記事から読み取れる内容が中心でした。

専任教諭の男女比とか、卒業生が1/3近く教鞭をとっていることなどは、外部記事のほうが詳しく書かれていたりもしますので。

学校のホームページでは、教員の構成人数なども明示されていたり、カリキュラムの表記もあったりします。

もちろん、部活動が高2まで必須だったり、選択科目とはいえ、高校2・3年生でもフードデザインの科目があったりと、桜蔭特有の内容もあります。

最後の連載記事も楽しみに待つことにしたいと思います。

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