【神奈川】栄光学園中学高等学校を外部情報から徹底分析

労働環境

学校を個々に分析する第7回は神奈川県にある男子校の栄光学園中学高等学校です。

今までに以下の学校の記事を書いてきました。

前回も男子校御三家の一角である浅野中学校・高等学校だったので、今回はバランスをとるために共学校か女子校にしようかとも思ったのですが、知名度や実績を鑑みて需要を考えると栄光学園中学高等学校のほうがありそうだと感じたので、神奈川県の場合は先に男子御三家を完結させてしまうかもしれません。

第1部は学校の概要について、各方面から集めてきた情報をまとめつつ分析していきます。学校行事も関連させて自分自身が採用された場合にどういうことに注意しなければいけないか(もちろん実際に採用されてみなければわからないことも多いですが)考察していきます。

第2部では学校の学力レベルから考えていきます。入り口や出口の部分に関連する入試はもちろんのこと、カリキュラムの特色、単位数の設定から教員側にどの程度の知識レベルと指導力が要求されるのか考察していきます。

第3部では学校ホームページから読み取れる情報口コミサイトの情報で気になる点をまとめていきます。担任として働く場合に気になることも考察していきます。

第4部では過去の採用情報から遡って、採用情報の傾向や日程の傾向、選考内容についてまとめていきます。

なお、栄光学園中学高等学校の場合は、学校ホームページだけではなくFacebookの投稿も参照したほうが学校の様子がよくわかると思います。

栄光学園中学高等学校の学校概要

学校法人上智学院

この名称だけ聞くと、有名大学とはいえ、その一部なのかと感じてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そもそも栄光学園中学高等学校はカトリックとかイエズス会とかが関係するミッションスクールです。

学校名の栄光の由来も「より大いなる神の栄光のために」というイエズス会のモットーに由来すると学校ホームページにもあります。

上智大学のホームページにも2016年4月にこの件に関する記事があります。

また、4つの中学高等学校は上智大学の附属学校とはせず、それぞれの教育方針を継続し、各校の歴史と地域性に配慮し、その経営は独立採算を維持することを基本とします。

https://www.sophia.ac.jp/jpn/news/PR/2016/0401008.html

とあるので、法人名が同じだとしても、それぞれ独立採算が維持されていると考えられます。

経営が独立採算を維持ということは、教員の待遇や給与体系などは(多少は変わっている可能性もあるかもしれませんが)合併前後で特に大きな変更は無いのではないかと思われます。

一応、wikipediaには1957年に「財団法人上智大学より独立し、学校法人栄光学園となる。」という記載が沿革にあります。

ただ、一度独立をしたという記載はwikipedia以外には見つけられませんでした。

栄光学園中学高等学校の教育理念

学校ホームページの教育理念には以下のようにあります。

『栄光学園の教育は、キリスト教的価値観、また、イエズス会の創立者イグナチオの精神を基盤とし、生徒一人ひとりが神から与えられた能力を十全にのばし助けることを基本理念とする。』

https://ekh.jp/about/policy/index.html

そのために、栄光の目指す理想の人間として以下の6つが掲げられています。

1. 真理を求め、たえず学び続ける人間。
2. 素直な心をもち、人々に開かれた人間。
3. 確信したことを、勇気をもって実行する人間。
4. 自分の力を喜んで人々のために生かすことのできる人間。
5. 己の小ささを知り、大いなる存在に対して畏敬の念をもつ人間。
6. 多くを与えられた者として、その使命を果たすことができる人間。

https://ekh.jp/about/policy/index.html

そして、6つのキーワードとして

●MEN FOR OTHERS, WITH OTHERS 他者のために、他者とともに生きる
●AGERE CONTRA 逃げたい気持ちとたたかい、なすべきことに専念する
●MAGIS 自分の能力を可能な限り成長させる
●AGE QUOD AGIS やるべきことを、やるべきときに、やる
●NOBLESSE OBLIGE いまここで私に与えられた能力や立場を最大限にいかす
●AD MAIOREM DEI GLORIAM より大いなる神の栄光のために

https://ekh.jp/about/policy/index.html

日本語で書かれているものも、やはりキリスト教の精神が感じられる表現が多いように思います。

他者のためとか、自分に負けないというような印象です。

また、キーワードの中にさらりと「ノブレス・オブリージュ」なんて表現も出てきますね。

この学校ホームページの中には他に様々なことが書かれていますが、1つ1つ読み込んでいくと、当たり前のことばかりなのですが、説得力のある文字列として伝わってきます。

最初の家庭の役割についてもそうで、子の第一義的責任は保護者にあり、家庭のもつ役割の大きさを再認識させ、密に連携をとっていく、そのためには‥という論調です。

もちろん、子どもに対しても個々の生徒、集団の中の生徒、成長段階に応じた教育など、学校が考えていることと照らし合わせながら上手く情報を発信しているように感じられます。

最後に倫理教育・宗教教育の項目もありますが、男子校でカトリックということもあり、宗教教育の位置付けと重要性についての説明があります。

その一方で、信教の自由にも配慮してか、礼拝を強要するようなことはないというような但し書きも見られます。

学校教育から見る栄光学園中学高等学校(学校生活編)

学校行事

年間行事を見て、行事をピックアップしてみました。

中1の4月のオリエンテーションキャンプ(1泊2日)、5月の栄光祭(文化祭)、7月のスポーツ大会、7~8月の山のキャンプ、9月の体育祭、10月の歩く大会、12月のスポーツ大会、2月の高2の修学旅行(3泊4日)・中3学年行事(2泊3日)くらいでしょうか。

それぞれどの規模の行事なのか気になったのでいろいろ調べたところ、学校ホームページよりもFacebookの投稿を掘っていったほうがいろんな様子がわかると思います。

栄光学園中学校・高等学校のFacebookページhttps://www.facebook.com/eikogakuen

Facebookでは2019年11月9日に秋のキャンプの投稿がありました。

どうやら「春はクラスごとの活動。秋はクラスの垣根を超えて、活動班を作り、課題に取り組む。」ようです。

また、毎年10月31日に開催している歩く大会についても記載があり、2019年11月1日のfacebookの投稿では、江ノ島水族館前~小田原城までのコースを中1~高3が歩いたようです。

(学校ホームページの年間予定で11/1が諸聖人の祝日(休校日)、11/2が死者の日(休校日)となっているのは休息をとる代休のような意味もあるのでしょう。)

Facebookの投稿を更に遡っていくと、2019年7月28日の投稿では中2の山のキャンプがスタートしたというものもあります。

内容は飯盒炊爨、山散歩、川遊びなど。

ところで、上で紹介した学校ホームページの年間予定の中にスポーツ大会が2回(7月と12月)登場していることにはお気づきでしょうか。

私も中学と高校で分けているのかなと思っていたのですが、どうやら違うようです。

Facebookの2019年7月21日には以下のような投稿が。

【夏季スポーツ大会】水〜金曜、スポーツ大会を実施。本学園は学期の終わりにスポーツ大会を3日間行います。初級、中級、上級ごとにクラス対抗です。競技は、5競技あり、各競技の結果で総合順位を決めます。明日の終業式で結果発表。今回もスポーツ大会期間中にチャリティー販売。集まったお金はフィリピンの団体に寄付する予定。

https://www.facebook.com/eikogakuen

このレベルの私学だと採点期間の確保の意味合いもあるのかもしれませんね。

これだけの行事を多いと見るか、少ないと見るか。

ただ、あまり想像がわかない独自の行事というはないのではないでしょうか。

施設・設備

学校ホームページの施設案内はかなりこだわって作られていると思います。

施設紹介ムービーは(おそらく)ドローンを駆使しての空撮したもの(施設内を滑らかに移動しながらの撮影も含む)を落ち着いたBGMをつけて編集したものだと思われます。

簡易的な地図があり、校地として113,000平方メートル(首都圏中高一貫校の平均敷地面積:27,700平方メートル)とあります。

施設を見ていくと

  • 南棟・北棟・西棟
  • 聖堂棟・第一体育館・第二体育館・大講堂
  • 西校庭・中校庭・東校庭
  • トラックフィールド・サッカーコート・サブサッカーコート
  • テニスコート(7面)
  • 野球場

という感じです。

一般教室として中学と高校に各12教室。

特別教室は様々準備されています。

まずは第1~第5予備教室と多目的室。

机の配置が普通の机だったり、長机だったり、移動できそうな長机だったりと、様々なバリエーションがありそうです。

理科室は7つ。

物理・化学・生物はそれぞれ教室と実験室があり、地学は実験室はないものの教室が別途あるようです。

他には第1英語科教室・第2英語科教室・第1社会科教室・第2社会科教室・倫理科教室があるようです。

英語と社会にそれぞれ特別教室があるだけでなく、倫理教室があるのは独特ではないかとも思いますが、学校の宗教教育を絡めた倫理教育などとも関連してくるのかもしれませんね。

他にはパソコン教室・技術教室・美術教室・音楽室・自習室があるようです。

図書室は約6万点の資料を所蔵し、45000冊を開架しているとのこと。

学校ホームページには在校生向けの蔵書検索システムもあります。

講堂やホールとしては、聖堂・聖堂ホール・大講堂・小講堂があります。

屋内施設は他に第1~第5面談室・ラーニングスペース・展望室の写真が学校ホームページには掲載されています。

運動施設や屋外施設を見ていくと、体育館は2つ。

第一体育館にはアリーナと他球場があるようです。

第二体育館にはアリーナと武道場、トレーニングルームがあり、マシンの写真も掲載されています。

その他、トラック・フィールド、野球場、サッカーコート、テニスコートの写真もありました。

校外施設としては、丹沢に栄光ヒュッテという施設を所有しているようです。

ちなみに、ヒュッテ(Hütte)とはドイツ語で山小屋の意味があるようです。

Googleで検索すると、丹沢山の東南東4kmほどのところにちゃんと表示されます。

部活動(課外活動)

学校ホームページでは課外活動の項目に説明があります。

部活動は全員が参加し、活動は週2回で17時までを原則としているようです。
(別のところでは中1から中3の1学期までは全員参加とあります。それ以降は部活を続けなくても構わないものの、グループ活動や委員会活動などのいずれかの課外活動に参加とあります。)

学校ホームページに紹介があるのは以下の団体。

文化部

  • 生物研究部
  • 美術部
  • 物理研究部
  • ブラスバンド部
  • 囲碁将棋部
  • 歴史研究部
  • 英語部

Facebookの記事では2021年9月14日のものに、『第42回文部科学大臣杯少年少女囲碁大会』ベスト8入賞の記事も見かけます。

運動部

  • サッカー部
  • 体操部
  • 卓球部
  • 硬式テニス部
  • ソフトテニス部
  • バスケットボール部
  • バドミントン部
  • バレーボール部
  • 野球部
  • 陸上競技部
  • 剣道部(※募集停止)
  • 柔道部

グループ活動

学校ホームページには以下の記載があります。

グループ活動は、部活動にない活動をしたい生徒が集まって設立されます。参加は原則として中2以上で、現在約10以上のグループが活動しています。

https://ekh.jp/life/kagai/index.html
  • EIKO Auto Motibe Club
  • 栄光ピアノの会
  • 鉄道研究会
  • スキー愛好会
  • ロックミュージック愛好会
  • レゴクラブ
  • 水泳同好会
  • オセロ・チェス同好会
  • Eiko Dance Circle
  • 映画同好会
  • クイズ同好会
  • スポーツボランティア同好会
  • ルービックキューブ研究会

学校教育から見る栄光学園中学高等学校(学習編)

栄光学園中学高等学校のコース設定

24クラス1080人が基本となっているようです。

1クラス45人で1学年4クラスの6学年を基本としていて、それゆえの1080人という規模に落ち着いているようです。

1クラス45人(それも男子ばかり)というのは、なかなか強烈なインパクトがある方も多いハズ。

特に反抗期まっさかりの中学生の男子生徒ばかりの40人を超える集団というのは、やはりまとめ上げるのに相応のパワーも必要です(私自身も以前に経験あり)。

もっとも、この規模のクラス設定を行っている私学は、意外に少なくないのかもしれません。

また、学校ホームページの「受験をお考えの方へ」内の「よくある質問」には以下の記載もあります。

  • 習熟度別クラス編成はない
  • クラス替えは毎年ある
  • 文系・理系のクラス編成になるのは高3からだが高2では数学や理科で文系・理系を意識した科目選択はする
  • 落第は原則として中学には無いが高校への内部進学や高校の進級には可否がある

留年ではなく落第という表現を使っているのは少し古風な印象ですが、このあたりからも学校のカラーが見えてくるのではないでしょうか。

先日のダイヤモンドオンラインの記事紹介の中でもありましたが、2時間目と3時間目の間に「中間体操」という名称でラジオ体操を行ったりもしていましたね。

各教科について

教科の内容は使用教材については特に情報はないものの、設定されている単位数については学校ホームページにしっかり記載されています(ただし2021年度のもの)。

教科と配当学年をそれぞれ列記します(カッコ内は中1~高までの配当時数)。

  • 国語(5-5-6-6-6)で高3(文)が6~8の高3(理)が2~4
  • 倫理(1-1-1-1-1)で高3は文理によらず1
  • 社会(3-3-5-5-4)で高3(文)が8の高3(理)が4
  • 数学(5-6-6-6-6)で高3(文)が0~5の高3(理)が4~8
  • 理科(4-4-4-4-6)で高3(文)が0~3の高3(理)が8
  • 体育(3-3-2*-3*-2*)で高3は文理によらず2*
  • 音楽(1*-1-1-0-0)で高3は文理によらず0
  • 美術(1*-1-1-0-2)で高3は文理によらず0
  • 技術・家庭(2-2-1-2*-0)で高3は文理によらず0
  • 英語(7-6-6-5-6)で高3は文理によらず7
  • 総合(1-2-1-2-1)で高3は文理によらず0
  • 特別活動(1-(1)-(1)-(1)-(1))で高3も(1)表記

なお、欄外に一部の教科(*)は集中授業分等を加えるという注釈があります。

体育はもしかするとスポーツ大会に割いている時間や歩く大会なども加味されているのかもしれませんし、一部の芸術系の時数も宿泊行事内の活動も加味しているかもしれませんね。

ただ、表記上は合計しても34時間で1週間の授業時数(土曜授業まで含めた34時間)と辻褄は合います。

教科の内容がどういうものかは学校ホームページからは見えてきませんが、断片的な情報や学習活動はかなりFacebook上で公開されています。

2021年10月18日の中学生の地学の授業では、実験で太陽放射エネルギーの測定をしています。
公立中学校の教育内容では絶対に含まれることのない内容ですよね。「太陽 放射 エネルギー 測定」みたいなキーワードで調べていくと、やはり地学基礎相当の内容だと思われます。

2021年10月9日の中1の数学の授業の板書では、cosθとか、isinθなんていう表記も見かけます。幾何の授業だと思われますが、いわゆる中学生向けと思われる板書以外にも、sinやcosだけならわかるのですが、虚数単位iまでかかれています。もちろん、先々勉強する内容をチラ見せする程度のものかもしれませんが、虚数という概念を導入することまで考えると、かなりのステップをすっ飛ばしている感じはします。(もちろん中1の整数の段階で正負の数だけでなく累乗の概念その他作り込んでいる可能性ももちろん無きにしもあらずですよね‥)

2021年9月28日の投稿では、【ボールペン】という表記の記事では(おそらくボールペンのみで描かれた)バラと玉ねぎの白黒の作品(かなりレベルが高い)も置いてあります。

2021年8月24日の投稿では、高1集中授業とあり、家庭科と情報を行っています。このあたりは、学校全体のカリキュラム設定面で気になる方は気になるのでないでしょうか。

2021年3月4日の地学の観察では、玄武岩を薄く削って顕微鏡で観察をしています。ちなみに、私自身はこの観察を大学の教職課程の地学実験でやった記憶があります。

2021年1月28日の高1の理科2の授業では、鶏の頭の観察をしています。解剖だと推測されますが、このあたりの実習をきちんとやっていることが伝わりますね。また、カリキュラムの観点で考えると高校1年生であるにも関わらず、生物基礎というような名称ではなく「理科1」「理科2」を使っていることもわかりますね。

2019年の7月25日には【高3夏期講習】という内容で、定性分析を行っている様子が紹介されています。

内容は陽イオンの系統分離のようですが、オリジナルの実験書と思われる印刷物の写真も掲載されています。

Facebookの投稿では他にも気になるものがたくさんあります。

授業との直接の関係はうすくなってしまうかもしれませんが、数学甲子園や国際化学オリンピックなどの受賞もあるようです。

日頃からレベルの高い教育を行っているからこその成果かもしれませんね。

Facebookの2019年11月7日の投稿では数学甲子園2019の様子も見ることが出来ます。

1:08:50あたりから栄光学園の発表を見ることができます。

数学甲子園2019本戦

2019年7月30日のfacebookの投稿では、高校2年生が国際化学オリンピックで金メダルを獲得したことも紹介されています。

その記事はこちら
国際化学オリンピック2019 日本代表の高校生4人がメダル 金2銀2

さらにちょこっとfacebookの投稿を掘っていくと、またしても高校2年生が国際生物学オリンピックで銅メダルを獲得したことも紹介されています。

その記事はこちら

国際生物学オリンピック2019 日本代表4人全員がメダル 銀2銅2

こういう活動を見てしまうと、レベルの高さが垣間見えてしまいますね。

ここまでは教科内の活動や課外活動を中心に記事を拾ってきましたが、なんでもない一幕という観点で以下の投稿を紹介したいと思います。

2018年11月14日のFacebookの投稿に以下の内容が写真付きでありました。

今日の放課後、体育館で1人黙々と作業している高校生がいました。何をしてるか聞いてみると、レイザーポインターを使って空気中の塵を計測するための実験してます。って返答中学生の頃は雨の日でも外で遊んでいた生徒が、こんな事をしているのかと思うと生徒の可能性は無限大と感じる今日この頃です!

https://www.facebook.com/eikogakuen

高度な知性や時間的なゆとりが感じられます。

栄光学園中学高等学校の入試と偏差値

高校からの募集は行っていないので、中学入試について紹介していきます。

試験日程は2/2の1日のみ。

ここで定員180名を一発勝負で決める。

試験科目と配点と時間は以下の通りとなっています。

国語(50分・70点)

社会(40分・50点)

理科(40分・50点)

算数(60分・70点)

四谷大塚の80偏差値は67で、50偏差値は63となっています。

以前の浅野中学校・高等学校の記事でも記載しましたが、浅野中学校・高等学校は80偏差値が64、50偏差値が60となっていました。

なお、特筆すべきはその配点と試験時間ではないでしょうか。

1つ目は試験の配点について。

多くの学校が国語と算数の配点を理科と社会に比べて高くするのはよくある話ですが、その割合については学校がそれぞれ決めています。

よくあるのは国語と算数が100点で理科と社会が50点で合計300点というものだと思います(国算と理社の比率が2:1)。

一方、浅野中学校・高等学校は国語と算数が120点で理科と社会は80点という配点でした(国算と理社の比率は3:2=1.5:1)。

そんな中、栄光学園中学校・高等学校は国語と算数が70点で理科と社会を50点としています(国算と理社の比率は7:5=1.4:1)。

どういうことかというと、4教科入試の中で、理科と社会の配点の割合が国語と算数の配点に近い(=理科と社会を軽視していない)ということです。

満遍なく全教科しっかり勉強してきた受験生が欲しいという学校の考えが伝わってくるのではないでしょうか。

2つ目は試験時間について。

よくある例としては、国語と算数の試験時間を50分として理科と社会を30分程度にする時間設定ではないでしょうか。

浅野中学校・高等学校の場合は国語と算数を50分とし、理科と社会を40分にしています(もちろんここからも浅野中学校・高等学校が理科と社会を他校よりも重視しているのは伝わってきます)。

栄光学園中学校・高等学校は、これに加えて更に配分を変えています。

国語と算数はともに70点であるにも関わらず、国語は50分、算数を60分としています。

男子校という特性を踏まえているのかもしれませんし、近年は算数1教科による選抜方法も増えていることからも、算数に対する重要性はやはり高いのでしょう。

試験時間1つからも学校が求めている生徒像や学校の考え方は見えてくるものですね。

出願数や倍率などの入試データは以下の通りです。

【2022年度入試】

出願者数:750

実受験者数:685

合格者数:255

実質倍率:2.7倍

【2021年度入試】

出願者数:811

実受験者数:776

合格者数:254

実質倍率:3.1倍

さて、このデータをどう分析するかというところですが、気になる点はいくつかありますね。

先日のダイヤモンドオンラインの記事でも触れられていましたが、出願者数が前年比-8%と減少しています。

これは学校説明会などを思うようにできなかったためというふうに言われていました。

ただ、2年分のデータを並べて比較することで、栄光学園中学校・高等学校の場合は出願者数によらず合格者数を250名強としているように感じられます。

その影響もあってか、実質倍率が2021年度入試は3.1倍で3倍を超えていたのに対し、2022年度入試は2.7倍と3倍を割り込んでいます。

このあたり、倍率3倍というのは1つの指標となることも少なくないわけです。

このデータを見て、2023年度の入試はチャンスだと出願者数がまた増えていくのか、それともこのまま減少傾向が続いてしまうのかというのも注目するポイントかもしれません。

浅野中学校・高等学校について見ると、2021年度入試については実質倍率2.4倍で追加合格者も41名出しているというデータもあります。

栄光学園中学校・高等学校については追加合格等の記載は見られません。

今後もこのままの方針を続けていくのか、続けられるのかも気になるところです。

合格実績から見る栄光学園中学高等学校

2021年度の大学合格実績は東京大学47(うち現役34)、一橋大学9(うち現役4)、東京工業大学4(うち現役2)、京都大学4(うち現役2)、東京医科歯科大学2(全て現役)となっています。

旧帝大まで範囲を広げると、北大4(うち現役3)、東北大5(うち現役1)、阪大2(うち現役1)となっています。

過去3年間分のデータは学校ホームページで見ることができるのですが、やはり少子化の影響もあるのか、少しずつ合格実績は鈍化しているとも(見方によっては)見えるのかもしれません。

医歯薬系が増えているということからも、旧帝大よりも医学部という傾向が増えているのかもしれませんね。

なお、私大の実績についても見ていくと慶應義塾大学69(うち現役33)、早稲田大学81(うち現役47)となっています。

合格者数が減ってきているとはいえ、これだけの数を安定して出せるというのはなかなか大変だと思います。

ホームページの作り込み方から見る栄光学園中学高等学校

今回、様々まとめていて感じたのは、学校ホームページで発信されている情報については最低限必要十分なものは揃っているものの、学校としてのプラスアルファのような情報は思っていた以上に多くないということ。

結論から言うと、良い意味でお客さんに媚びていないとでも言えばいいでしょうか?
(なんとなくニュアンス伝わりますかね)

これについては賛否両論あると思うのですが、もちろん世の中には経営に悩んでいる私学は少なくなく、いろいろな配慮や魅力づくりを行っていたり、情報発信を積極的に行っている学校もあります。

そういう学校群との比較になってしまいますが、やはりそこは神奈川県の男子御三家の一角というところなのかもしれません。

大切な内容や時代に配慮した情報発信にはなっていつつ、一方で無闇に情報を出しているという印象を受けませんでした。

男子校だから(?)ある意味では納得というか、そこまで重要視されていないのかもしれないというか、例えば「制服」についてのページがなかったりしますよね(女子校だとデザインがかわいいかどうかなどの要素も少なからず影響がある場合も)。

あとは、デジタルパンフレットなんかも検索してもでてきません。

一方で、学校ホームページ内に用意されている入試問題の過去問の販売などはGoogleのformsを使っていたり、部活動の紹介動画は短い動画ながらもそこそこの解像度のものが掲載されていたりします。

多すぎず少なすぎず、新しすぎず古すぎずというところでしょうか。

なお、部活動の紹介動画を学校ホームページに掲載したことについては、Facebookの2021年9月13日の投稿にありましたので、ここ最近の出来事だったわけですね。

栄光学園中学高等学校の口コミ

私が日頃から使っている口コミサイトを見てみると、中学のものも高校のものもかなりの高評価。

中学の口コミサイトには保護者のものが多いですが、高等学校の口コミサイトには在学生や卒業生のものが多い印象です。

もちろん、自由な校風、広大な敷地と高い教育力、いい仲間などポジティブな書き込みがほとんどです。

保護者の評価の中には最高評価ではなく、上から2番目の評価をしている保護者が最近の投稿では増えてきつつあるようにも感じますが、時代柄でしょうか。

生徒の書き込みについては、低めの評価のものがありますが、書かれている内容や進学先などを見て、そういう方向で苦労したのかなと思えるような内容で、個人的には少し残念な方向の書き込みになっているようにも感じてしまいます。

以前紹介した吉祥女子中学校・高等学校は口コミは数も質も多かったと思います。

栄光学園中学校・高等学校の場合は、質は高いものの、絶対数が少なめな印象です。

栄光学園中学高等学校の採用状況

2020年度にあった教員募集情報

最初の掲載は5月。

国語と数学の常勤講師を募集していました。

次の募集の掲載は9月。

国語の常勤講師の募集があったようです。

国語については応募がなかったか(無かった訳は無いとは思いますが)、学校の要求レベルに達する人材がいなかったか、内定者に蹴られたのか、事実上の再募集を秋募集として行ったという形になるのでしょうか。

次の募集の掲載は10月。

英語と理科(生物・化学)の非常勤講師の募集でした。

生物と化学は各1名ということで、あわせて3名の募集です。

理科の募集を、教科の専門ごとに募集するあたり、教科指導において専門性を重視していることが伝わってきます。

次の募集の掲載は11月。

図書館司書の募集をしていました。

このレベルの学校にとって、図書館というスペースは他校以上に大きな意味をもつのではないでしょうか。

ここまでの栄光学園中学校・高等学校の採用傾向をまとめます。

  • 基本的に募集掲載から書類提出期限までの期間(準備期間)は1ヶ月程度
  • 学校の要求水準は高いかもしれない(国語の再募集(?)から考えて)
  • 教科内の科目の重要性(教科指導の重要性)は意識されている

応募側にも配慮されていると感じます。

2021年度にあった教員募集情報

最初の募集は4月時点。

国語・理科(化学)・英語の専任教諭に加えて図書館司書を募集していました。

これを分析すると、昨年度から継続して国語の募集を行っていたものと見えるので、秋募集でも学校側の要求水準を満たす人材がいなかった(あるいはそもそも応募がなかった)と考えられます。

これに加えて、理科(化学)と英語の専任教諭の募集があります。

前年度は常勤講師として募集を開始していたのに、この年はいきなり一発専任という形の募集になっている点について、学校の思惑が気になります。

いよいよ定年退職をする先生の退職の年になって絶対に採用しなければならない状況になった、ということかもしれませんね(憶測ですが)。

次の募集の掲載は9月。

理科(生物)・美術・書道の非常勤講師をそれぞれ募集していました。

書道については週1日金曜日に4時間のみとわかりやすい募集になっていますが、これは専門の人をとりたいという学校の意思の現れのように思います。

美術についても金曜日を含む週2日8時間とあるので、高校の芸術科目が金曜日に設定されているという時間割上の学校側の都合も見えてきます。

残りの4時間は中学生の美術の担当だと考えられますが、そちらは時間割作成上、少し融通が利くのでしょうか。

理科(生物)の募集も2日で8時間となっていますが、こちらは曜日の指定はありません。

次の募集掲載は10月。

社会(地理・世界史)の非常勤講師を募集していました。

やはり週2日で8時間という内容で、地理または世界史(近世・近代史)という指定がありました。

やはり教科内の科目の専門性を重視している募集だと感じます。

最後の募集の掲載は12月。

保健体育の非常勤講師を募集していました。

週1日で4時間、保健の授業の担当ということですが、もしかするとこれはかなりチャンスだったのかもしれません。

担当時数が少なかろうがなんだろうが、栄光学園中学校・高等学校の内側を知っているというのはその先の展望を考えたときに有利になることもあるのではないかと感じます。

立地条件から見る栄光学園中学高等学校

所在地は神奈川県鎌倉市玉縄4-1-1。

最寄り駅はJR大船駅で、最寄り駅からは徒歩15分となっています。

基本的には駅からは一本道になっていますが、坂を登っていくため地図上で考えているよりも登校は大変かもしれません。

学校の方針としては、通学圏は片道90分以内ということ。

学校ホームページにも掲載されている『主要駅から「大船駅」までの所要時間の目安』を参考にすると、神奈川県の西側方向ではは熱海駅が66分、橋本駅が66分となっています。

東京都西部(市部)方向を見てみると、町田駅からは38分、府中本町駅からは67分、三鷹駅からは68分という扱いになっています。

東京都の23区方向に注目すると、品川駅から33分、東京駅から42分、新宿駅から45分、赤羽駅から61分ということになっています。

実際問題としてはこのあたりが限界になるかもしれませんが、湘南新宿ラインや上野東京ラインの存在を考えると、ギリギリ大宮駅まで含むことができるのかもしれません。

なお、山手線から更に東側に外れた方向に着目すると、北千住から66分、新小岩から63分という表記もあります。

浅野中学校・高等学校は新子安駅が最寄り駅だったため、湘南新宿ラインと上野東京ラインが停車しないというデメリットがありましたが、栄光学園中学校・高等学校の場合は東京都から離れていても、湘南新宿ラインと上野東京ラインの利便性を考えると、時間距離としては通学しやすいのかもしれませんね。

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