ホワイト私学の専任教諭を勝ち取るためのステップアップ方法

転職活動

誰もが夢見る、理想的な職場環境。

ホワイトの定義は人によって様々ですが、日本の教員という観点では、「収入」と「時間的余裕」が得られればそれだけでホワイトなのかもしれません。

実際、私学の中では「こんなにお給料をいただけるんですか?」という学校もありますし、長期休みなどの期間限定とはいえ「こんなに余裕があっていいんですか?」という学校もあります。

また、仕事ができる人ほど、より効率化して更に時間的余裕も生み出しますし、時間に対する賃金も増やしている印象です。

そんな仕事の効率化ができるのも、ホワイト校だからなのかもしれませんね。

正のスパイラルにあるような気がします。

今回の記事では、そのようなホワイト私学の専任教諭を勝ち取るためのステップアップ方法を考えていきます。

履歴書の順番を意識して解説していきます。

最初の経歴である「学歴」はどのくらい重要か

重要か、重要でないかでいえばもちろん重要です。

雇う側の視点、実際に働く側の視点も踏まえて考察していきます。

学歴が高いに越したことはない?

多くの私学にとって、最もウリにしているのは進学実績です。

中堅私学であれば、いかにして東大を含む旧帝大に合格させるのか奮闘している学校は少なくありません

もちろん、それだけが教育ではないというのは百も承知ですが、実際問題としてこの考え方はまだまだ根強いです。

東大や京大などの旧帝大の進学実績がなければ何をウリにするか。

早稲田・慶應や上智・理科大、ICU、GMARCHでウリにしている学校もありますね。

特に早稲田大学はスポーツ科学部という、比較的合格しやすい学部もあります。

大学名のみを公表し、意図的に学部学科を公表せずにいる私学もちらほらみられますね。

いずれにしても、まだまだ進学実績は私学にとって重要な指標です。

そこで注目されてしまうのが学歴です。

その人自身が実際に合格しているというのは、何よりの証拠になります。

より難しい大学に合格していれば、そこまでの受験指導も可能だろうと考えるわけです。

難関大の合格者が教員になっている割合を考えると、例えば東大卒の教員というのは貴重な人材にも見えます。

もちろん、学歴が高いから教員として優秀かと言われるとそういうわけでもありません。

高校生相手にほとんど学級崩壊に近い状況になってしまった東大卒の方も知っています。

また、できない生徒の気持ちがわからないというようなデメリットもありえます。

必ずしも、大は小を兼ねるというわけではなさそうです。

学歴は、雇う側も働く側も、お互いにとってプラスになるように意識して採用活動を行って欲しいと思っています。

ただし、難関進学校のほうが、ホワイト私学の割合は相対的に高いと思っています。

そういう観点では、学歴が高いほうがホワイト私学の専任教諭の座は近いといえそうです。

学歴が低いから採用されないわけではない

文字通りそのままなのですが、採用にあたっては苦労をすることも多いかもしれません。

どうしても、私学は利益を追求しなければいけない中小企業ですから。

ただ、昨今の求人情報などを見ていると、日本全体、教員不足を感じています。

大卒の初任者が、うまく私学に入り込み、教員としての基礎指導力を固めながらチャンスを伺ってステップアップの転職を重ねていくと、ホワイト私学の専任教諭も可能だと思っています。

もちろん、実力や経験は必要だと思いますし、時の運もあるでしょう。

ステップアップする転職という考え方は後述します。

宗教校や別学などの強みもある

宗教校という観点では、大きく分けてキリスト教系仏教系があります。

細かく分けると、仏教系のなかでもいろいろあるという方もいると思いますが、わかりやすくするために大別で終わらせます。

採用活動において、実はこのつながりのようなものがご縁に結びつくことがあります。

どういうことか。

宗教校であれば、学校行事についてもその宗教特有のものを行うことが多いですね。

キリスト教系でいけばイースタークリスマス仏教系でいけばお花祭りなど。

そういった学校行事を運営する上で、事前にその知識があるというのは大きいです。

その背景を知っている、手順を知っている、それ故に学校にすぐに馴染めるわけです。

馴染める、と簡単にいってしまいましたが、子どもに対しても行事に絡んだ話をすることができるとか、大人同士の関係でも準備で協力することができるとか、学校行事という枠組みで考えると教員1人の仕事量って結構バカにはできません。

また、宗教校ばかりではありません。

自身が男子校女子校出身であれば、そういう学校独特の「雰囲気」を知っているという点で、男子校や女子校への採用の可能性にも少なからず影響することが考えられます。

中学2~3年生のやんちゃな男子集団のまとめかたを知っているとか、女子しかいない集団のまとめかたを知っているというのは、やはり大きいです。

実際に、かつて自分は男子校で勤務していたこともありましたが、採用選考の時に男子校出身者かどうかは1つの指標になっていました。

もちろん、あくまで指標であって、人間性や学習指導力に長けている場合は全然関係なくなってしまうのですが。

その人の生き方が見える「職歴」は重要

私学では転職は必ずしも悪いとはされていないと感じます。

ただし、転職の経歴にポリシーや一貫性がないと、選考側に違和感を与えてしまいます。

経験校の知名度が重要

自分が卒業した学校も経験校の1つですが、こればかりはもう変えようがありません。

しかし、これから経験する学校は変えることができます。

その経験校の知名度が重要だと考えます。

賛否両論出てしまうかもしれませんが、見方によっては中堅校の専任教諭の経験よりも、有名校の非常勤講師の経験のほうが後の転職で大きく有利になる可能性があります。

例えば、都内でいうならば広尾学園三田国際で非常勤講師をやっていましたという方が、中堅私学の専任教諭をやっていた経歴よりも有利になる可能性があるということです。

あるいは、早稲田慶応の系列校で非常勤講師をやっていましたというのも経験的にはプラスになると思います。

このような経歴から、中堅上位のホワイト私学の専任教諭へつなげていくのがある意味では理想的な流れかもしれません。

なぜ、経験校の知名度が重要なのか。

私学は教育という重要な業種であるにも関わらず、利益を追い求めなければならない中小企業です。

そのためには、他者(他社?)との差別化が必要です。

魅力的な学校でなければ、生徒も集まりませんし、学校の経営も悪くなってしまいます。

そして私学には公立のように異動がありません。

つまり、風の入れ替えができなくなってしまい、学校内が淀んでしまうこともあります。

そんなときのカンフル剤というわけではないのですが、他校の空気感や雰囲気を知っている人を渇望している学校は意外に多いのです。

しかし、自分たちと同じようなレベル帯の学校だったり、自分たちと同じような取り組みしかできていない学校からは、新しいアイディアを取り込めそうにはありません。

やはり私学の中でも有名校だったり、先進的な取り組みをしている学校のアイディアが望まれているわけです。

仮に、その人がプロジェクトの中心にいなかったとしても、その空気感を知っているだけでも重宝されることがあります。

このような場合、ホワイト私学の専任教諭のイスと引き換えに、採用後にある程度分掌や仕事が増えることは覚悟しておきましょう。

短期や年度途中での転職はマイナス評価にも

教員に限った話ではありませんが、短期での転職はマイナス評価につながることもあります。

ただし、非常勤講師の先生が、中堅校から有名進学校に1年で異動したというような、明らかにステップアップしているようなものは除きます。

注意したいのは、常勤講師や専任教諭というある意味では「安定した身分」であるにも関わらず短期間で転職を繰り返しているパターン。

まだまだ日本には終身雇用的な考え方は根強く、特に教育現場であればなおさらだと感じます。

そんな中で、わざわざ安定した身分を投げ捨てて短期で転職をするのはどういう人間なのだろうか、と変な先入観をもたれた状態から選考がスタートすることになってしまいます。

もちろん、家族の状況が急変して介護のために専任から非常勤講師にならざるをえなかった、というようなやむを得ない場合もあります。

このような場合は、まずは筆記試験を通過した後の面接できちんと説明するのが良いでしょう。

選考する側も気になっているので、だいたい質問してくれます。

矛盾なく、筋が通っていればたいていの場合は選考側も理解してくれます。

注意したいのは年度途中での転職や退職

これについては、やはり選考側も敏感に反応します。

特に教育関連ですから、年度内の転退職は無責任だという風潮がまだまだ強いです。

どこで何をしていたか「職務経歴書」が大切?

学校によっては、選考時に職務経歴書を提出させる学校があります。

どういう内容が求められているのか、魅力的に見えるのか、考察していきます。

担任をもつことができるのか

公立校でもある話ですが、担任をもたせるとクラスが崩壊する、保護者とトラブルになる等の理由で学級担任外になるパターンがあります

担任外でもバリバリ仕事ができればいいのですが、そこは推して知るべし。

最近の私学は、そこそこ上位の進学校でも十分な数の担任の先生を確保するだけでも苦労している印象です。

担任がもてないということは、校内の人事に制限がかかってしまうので、学級担任をもっていた方であれば、そこはまず記載したほうがいいでしょう。

また、卒業生を送り出したのであればそれも明記しておきましょう。

文系の大学受験の受験指導ができる、というポジティブな付加価値がつきます。

分掌は何ができるのか

教務、生徒指導、進路指導などいろいろなお仕事が学校にはあります。

見ていて特に重宝されそうなのは、教務広報進路指導ではないでしょうか。

その理由は、教務は学校の根幹を司る部分だから。

行事予定も、様々な調整も、全体への周知徹底も、広く深く携わっている印象です。

公立から私学へ移って、最初に驚いたのは、どこの学校でも私学は教務が大きいということ。

以前いた学校では「第1教務部」と「第2教務部」というように分けていた学校もありました。

ただし、教務が扱う内容は広いため、末端の業務しかやってこなかった場合はあまり付加価値がつかないでしょう。

次に広報

私学は利益を追求しなければならないので、広報活動もしなければなりません。

説明会に参加したり、自分の学校で説明会を運営したり。

そのやり方1つで、来年の生徒募集に大きな影響がでてきます。

どういうふうに学校が変化しているのか、新しいことに取り組んでいるのかなどを、うまく説明してPRすることが求められています。

私の他の記事でも、学校ホームページを含めた分析もしていますが、これも1つの形です。

実際、私のかつての勤務校も、今年、ホームページを一新していますし、今の勤務校も数年前にホームページをリニューアルしています。

他にも広報の仕事はたくさんあるのですが、それはまた別記事で。

最後は進路指導部

繰り返しになりますが、私学は利益を追求しなければなりません。

そして、わかりやすい指標が進学実績です。

この進学実績をどのように上げていくのか。

模試の分析をしたり、各教科に的確に問題点を指摘したり、時として嫌な仕事も引き受けなければいけないこともあると思います。

学校によっては進学実績の向上に必要なカリキュラム編成案を提出して教務と協力して新カリキュラムを作るというようなことをしていた学校もありました。

学校によっては、教務と進路(学習)指導部の境目が曖昧なところもあるように思います。

今からできる魅力的な履歴書づくり

以上を踏まえた結論です。

学歴など変えられないことではなく、今からできることを考えていきます。

大学生のときからできること

これがあてはまるのは主に理科と数学の学生かもしれません。

学校側が出している募集でも、実験助手情報助手ティーチングアシスタント(TA)のようなものを経験しておくといいでしょう。

有名私学が募集している実験助手もあります(もちろん当ブログでも紹介しています)。

こういうものに採用されることができれば、在学中から私学の雰囲気を知ることが出来るとともに、履歴書に箔をつけることができます。

そして、実験助手であれば、教員免許が取得できない在学中からでも学校現場を経験することができます

公立校も視野に入れている学生は、教職ボランティアなど放課後の支援に行っている方もいるでしょうし、採用試験の面接のときに有利になりそうなのは私学での経験よりも公立校でのボランティア経験かもしれません(この点は注意)。

ただ、将来的に私学で働くことを考えているのであれば私学の経験を増やしておいたほうがいいです

また、実験助手などは非常勤講師以上の教諭職と異なり、採用のハードルが圧倒的に低いです。

どこの学校も理想的には助手が欲しいものの、そこまでのお給料を支払うことができなかったり、そもそも成り手が不足しているという実情があります。

時給制であることも多く、家庭教師などのアルバイトの方が割がいいと感じてしまうかもしれませんが、組織の中の一員として働くという経験は目の前のお金以上の価値を生み出すこともあります。

(もちろん、生活費を稼がないといけない学生もいるでしょうし、一概には言えないのですが。)

民間企業へのインターンシップが当たり前のように定着している現在、教育業界のインターンとも言えるのかもしれません。

ただし、理系の学生は実験や卒論などなかなか忙しい実情もあるでしょう。

チャンスが有れば狙ってみてください。

序盤の転職で意識すること

特に2~3校目の経験が大切だと私は思っています。

明確に転職の方向性が見えるからです。

例えば、自身も男子校卒で、さらに男子校ばかりで勤務していると、その先は女子校からの内定をえることは難しくなってしまうと考えます。

生徒指導面でも、男子向けのスタイルが確立してきてしまうでしょうし、学習指導でもケアするところがやはり変わってきてしまいます。

序盤のいくつかの職務経歴の積み重ね方がその後の転職に影響する最たる例を示しました。

最後の転職で意識すること

年齢も上がってくると転職もキツくなってきます。

働く中で、絶対に自分が譲れないものを明確にしておくことです。

賃金なのか、部活顧問を考慮してもらうことなのか、教科指導がやりやすいのか、など。

私学への就職は、結婚にも例えられることもあります。

よく考えて永久就職しましょう。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

今回は戦略的な転職というところにスポットをあてて解説してきました。

まだまだ解説したりないと感じているので、各パートについて少し太く書いた記事を作っていこうと思っています。

コメント

  1. […] […]

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