私学への転職で理科の先生が気にするべきこと

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理科もはっきりと専門性がわかれていますね。

物理・化学・生物・地学の4分野になります。

中学校の理科でも、かつては第1分野と第2分野というような分け方もありました。

また、それぞれの学校で独自の分け方をしている学校もあります。

中学の段階から物理・化学・生物・地学を明確に分けている学校もありますし、そうでなくても高校への接続を意識している学校のほうが多いです。

名門校、付属校、伸び盛りの学校、教科指導するだけでも大変な学校など様々な学校を渡り歩いてきた観点から記事を更新しています。

理科という教科と専門性の関係

大学入学後に専門特化するのはわかるのですが、理系の場合は大学に入学する段階で、工学部や医学部だけでなく、数学科や生命科学科のように既に専門性の違いが明確になっています。

その本(もと)を正すと、高校の科目選択の時点までさかのぼります。

理科はそんな教科なので、実際に教員が中学生や高校生を教えるのは責任重大だと思いっています。

文系選択者が大学入試で使うだけに理科の科目選択をするというのはまた話が別だと思いますし、受験においても理系選択者の理科の指導は重要です。

理系にとっての理科の科目選択は、基本的には物理と化学の選択がベースですが、中にはやはり化学と生物選択者もいますね。

数年前は物理と生物選択者もちょこちょこいたのですが、これが最も大変だったかもしれません。

大学受験で使える科目の組み合わせという観点では、どうやっても物理と化学が無難なのです。

学校の実績もあげていくためには、物理と化学をどうやって伸ばしていくか。

校種やレベル、狙う大学によっては教える内容が増えた生物をどのように組み立てて教え込んでいくのか。

理系は最終的に数学・理科・英語で勝負することになるので、実は理科の役割は大きいです。

そして、免許状は理科でまとまっているのに、専門が4つに分かれているので、採用という観点でも考えなければならないことは多いです。

偏差値とカリキュラムを必ずチェックする

他の教科の記事でも書きましたが、理科の場合はことさらに重要だと感じています

男子校なのか、女子校なのか、共学校なのか。

理系選択者が多いのか、文系選択者が多いのか。

そもそも、理系用の上位科目まで教えられる指導力はあるのか、ある場合はどこの大学まで可能なのか。

文系用のセンター試験(共通テスト)対策はどれくらいできるのか。

また、学校のレベル帯によってはそもそも理科が求められているのかというところもあります。

特に現在の大学入試制度では、文系の生徒が国立を目指さない場合、学校内での理科の授業数がかなり少なくなるはずです。

自分が指導しやすい偏差値帯、自分が対応できる大学レベルをしっかりと明確にしておきましょう。

また、その学校のカリキュラムと自分の専門科目の単位数を把握する必要もあります。

中学校ならば公立は中学1年生では3時間、中学2年生と中学3年生では4時間ですが、私学はそれ以上に設定している学校もあります。

中学1年生から4時間以上設定してあれば、それを全て自分が担当するのか、第1と第2に分けて担当するのかも違ってきます。

また、中3時に5時間設定している学校もありますし、高校課程に突入する学校もあります。

中学校理科

中学校の理科であれば4分野指導することができるでしょうか?

そしてその能力はどのレベル帯の学校に求められているでしょうか。

かつての第1分野と第2分野のような分け方は絶対でしょうか。

以下では私自身の話をしていきたいと思います。

私立学校その1

ある学校で勤務していた時に化学と生物が理科1、物理と地学が理科2としている学校がありました。

中学校の理科3年間を、このように分けて、先取りは一切行わずに2人で担当する、というタイプの学校でした。

採用される段階で高校の化学と中学の理科を担当する旨は告げられました。

その際に、中学理科は理科1と理科2のどちらを希望するか聞かれましたが、私はある判断基準に従って自分の得意ではないほうを選択しました。

自分は化学が得意なのですが、生物との組み合わせでは実験が多くなるだろうというのが主な理由です。

予備実験や準備・片付けを考えると、時間外の労働が発生することが想定されました。

この学校には実験助手もいなかったので、自分で準備と片付けをしなければいけません。

加えて、そこまで偏差値帯も高いわけではなく、あまりお行儀のいい学校ではないことは知っていたので、実技系の授業をしたくないというところも本音でした。

中学校レベルであればどの分野も指導できたので、そういう事情も踏まえて理科2の指導をあえて希望したことがあります。

もちろん、これはあくまで1つの例です。

次に紹介する例は、中学3年生から高校課程を先取りしていたパターンの学校です。

私立学校その2

中学2年間で、中学理科3年分を押し込んで指導する学校。

もちろん中学理科の単位数は多く、中学1年生でも中学2年生でも5時間ずつの設定だった記憶があります。

理科1と理科2に分けて担当者を複数配置していたと思います。

ちなみに中学3年生の理科の実態は生物基礎と化学基礎と物理基礎の3科目。

私はこの学校で中学3年生の化学基礎を担当しました。

発達段階としても、高校入試を経験していないことからしても、中堅校のこの学校では、かなり丁寧に指導をした記憶があります。

また、この学校では1クラスだけ選抜クラスが設定されていて、担当者はベテランの教員と決まっていました。

ちなみに、その中学3年生の化学基礎の授業で、選抜クラスを担当していたのは最初の年が物理の専門のベテランの先生で、次の年は生物が専門のベテランの先生でした。

学校の台所事情によって配置もいろいろです。

この学校での初年度の配置で、私はいきなり中学3年生、高校1年生、高校2年生、高校3年生の4種類の授業を担当することになりました。

そんな配置をする学校もあることは知っておいて下さいね。

中学生の段階で高校課程を先取りすることに関しての賛否はあると思います。

学校のレベルや何を重視するのかで変わってきますが、決して中学3年生に高校の理科基礎を指導するのは不可能ではありません。

上の例だと選抜クラスはかなり余裕でした。

その他のクラスは少し苦労していましたが。

最後に登場するのは、もっと早い段階から細分化している学校の例です。

私立学校その3

中学の理科をやはり2年間で終わらせて、中学3年生からは高校の理科基礎を扱おう、という思考回路では同じです。

しかし、この学校が違う点は、中学1年生時も、中学2年生時も理科の授業時間数は週あたり4時間という時間設定であること。

そして、中学1年生では化学と生物、中学2年生では物理と地学に絞って3年間分を教えるということです。

どういうことかというと、中学1年生では化学(理科1)の授業で物質→原子→イオンまでを一気に扱ってしまいます。

生物(理科2)では植物→動物→遺伝というように扱います。

もちろん物理と地学も同じで、中学2年生で力→電気→エネルギーを物理(理科1)で扱い、地学(理科2)で地震→天気→宇宙を扱います。

比較的、中学受験の偏差値が高めで、中学受験の際に公立中学校の1年生分くらいの内容をやってしまっているからこそできるカリキュラム設定だとも思います。

基本的には、公立中学校で扱う1年生の内容を毎年1学期でやっている印象です。

同様に、公立中学校で扱う2年生の内容を9~11月くらいで終えて、3年生の内容を残りで終わらせています。

中学3年生では、化学基礎と生物基礎を扱っていました。

ここまでタイプの違う3つの学校の例を挙げてきました。

レベル帯によって、理科4科目の指導を求められることもあります。

また、中学時から、自分の専門科目1つに絞って指導することができるカリキュラム設定をしている学校もあります。

どちらも良し悪しがありますが、あなたはどこまで対応することができるでしょうか?

高校物理・物理基礎

高校理科での指導の難しさはこの物理という科目にあるのではないでしょうか。

理系ならば高校2年生以降、上位生物と上位物理の選択制にしている学校も多いと思いますが、大学受験での科目選択の都合上、上位校では物理はほぼ必須なのが実態です。

しかしやることは本当に単純で、条件に沿って式が立てられれば問題なく解けるのが物理です。

私学によっては、中学3年生の先取りで物理基礎を扱っている学校も少なくないですが、sinとcosの指導が追いついているかという数学のカリキュラムとの兼ね合いもあるかもしれません。

一部、熱容量の単元やモーメントの部分は、中学受験でもテーマとして設定されているので、このあたりで時間を稼いでおいて、数学でsinとcosの指導が終わるのを待っている学校もあります。

あとは高校3年生時の演習にどこまで対応できるのかという点でしょうか。

逆に、最近は文系選択者が、センター試験(共通テスト)受験に高得点が期待できるという理由で、特に上位校で物理を選択する生徒も少なくないとか。

高校化学・化学基礎

中学理科の項目と一部重複しますが、中学3年生の時に化学基礎の先取りをしている学校も多いように感じます。

また、先取りをしない学校でも高校1年生で化学が選択される割合も多いように感じます。

年度を分けて高校1年生で化学基礎2単位、理系選択者は高校2年生で上位化学を3~4単位履修する学校がやはり多いと思っています。

しかしその一方で、高校1年生では化学基礎を設置せずに、高校2年生でいきなり5単位設置する学校も見受けられます。

このタイプの学校では、できれば1学期、苦しくても2学期の早い段階で化学基礎の内容を全て終え、上位化学に取り組んでいきます。

苦しいのは、1週間あたり5単位というのがものすごいスピードだということ。

教員側はいいのですが、生徒側がつらそうでした。

特にこのタイプのカリキュラム設定をしているのが中堅以下の学校に多いと感じています。

時間があれば理解できそうなのに、どんどん進んでいく。

物理を2年生で5時間設置している学校も、生物を2年生で5時間設置している学校もありますが、化学も可能性としてはありえます。

高校生物・生物基礎

ここ最近、扱う内容が増えていますね。

その影響もあるのかどうかはわかりませんが、高校1年生の段階で生物基礎を設定している学校が増えてきているように感じます。

また、女子校や文系色が強めの学校でも多いように感じます。

逆に、物理と化学が高校1年生時に設置されている学校では高校2年生で5単位設置されることも大いにあります。

体感的には男子校に多い感じでしょうか。

理系で王道の物理・化学選択を出来る限り優遇していくという形です。

高校地学・地学基礎

一番不遇な扱いを受けているのが地学を専門とする先生たちではないでしょうか。

地学基礎や地学をカリキュラムの中に設定できている学校はほとんど無いように感じます。

理系であれば物理と化学の2科目の組み合わせが最も一般的です。

次が生物と化学の組み合わせではないでしょうか。

大学受験でも、地学を使って受験できるという学部学科はその他3科目を使うよりももっと少ないのではないでしょうか。

基礎科目としての地学基礎はどうなのかと言われると、こちらもこちらで不遇な扱いを受けている印象です。

基礎科目が設置される前の旧課程の4単位地学は、実はかなり取り組みやすく、文系選択者でもあえて地学を選択してセンター試験に臨む生徒も少なからずいました。

しかし、地学基礎と地学になってからは、基礎科目にしては内容が重すぎて、むしろ不利にはたらいてしまうこともあって、更に敬遠されるようになってしまいまいました。

学問としては面白いとも思うのですが、大学受験も含めて考えてしまうとかなり厳しいと言わざるをえません。

地学が専門の教員募集も、専任教諭の募集であることは珍しいと思います。

そもそも地学で教員募集がかかることもレアケースなのでしょうけれど。

たまに見かける地学の教員募集は、かなり上位の学校で余裕がある大学附属校などで非常勤講師のものが多いように感じます。

こういう方の行き場としては、やはり中学理科と組み合わせられることが多いのではないでしょうか。

その他で気になること

トップ校は大学レベルの知識も持ち合わせたい

化学で言えば電子の軌道の話(spdfの話)が最初でしょうか。

通常は話す必要のない遷移元素についてもどこまで知識としてもっているのか。

必要に応じてその引き出しを開けて生徒に語れるだけの知識があるのかどうか。

上位校ではこのあたりまで求められているように感じます。

同様に分子の形でもVSEPR理論まで話すことができるのかどうか。

有機化学では大学レベルの電子の移動も含めて話をしている教員も多数みかけます。

採用試験を受けていて、このような話をちらつかせている方も面接時に見かけます。

実験・観察との兼ね合い

理科は実技科目です。

実験があります。

物理でも化学でも生物でも地学でも、どの程度実験や観察を取り入れるのか。

学校の方針としてもかなり違いがあります。

中学生でも高校生でも、実験をできるだけ取り入れて、実物に触れながら理解を進めていこうとする学校もあります。

もちろん、事前の準備や薬品の管理、購入のタイミングや実験室などの設備面も大切になってきます。

逆に高校課程の内容が大変で、中学ではできるだけ実験を取り入れよう、でも高校では大学受験に対応するように演習を多くして実験は出来る時だけやろうという学校が多いようにも感じます。

大学に入ったら、たくさん実物には触れるんだから、まずは大学に入学するための、合格するための行動に力を入れるという思想です。

これが特化されていくと、本当にほとんど実験を行わない学校も存在します。

また、生徒のお行儀が良くないために、ものに触らせることが大変な学校ももちろんあると思います。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

今回は私自身の経験も踏まえてお話をさせていただきました。

理科は社会同様にはっきりと専門性がわかれています。

そして文系の理科社会、理系の社会理科と対をなす動き方や考え方をする場面も多いはずです。

もちろん受験においてもそうですし、学校の時間割上もそのように組んでいる学校が多いように感じます。

自分に何ができるのか、応募する学校では何が求められているのかをよく考えて、働きやすい環境を手に入れていきましょう。

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