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洗足学園&本郷が躍進、巣鴨&桐朋が低迷…20年で激変「東大合格者ランキング」高校の盛衰記(3/15付 FRIDAY DIGITAL記事)
実はYahoo!ニュース記事のコメント欄のほうが面白い視点もあったりするので(後ほどご紹介)、記事の表面的な内容だけでなく深く考えるきっかけにしていただければと思います。
今回のコメントは森上教育研究所の森上展安氏のものになります。
記事の概要
大学入試の前期試験の結果も出揃ってきていて、各学校の合格実績の比較というよくある記事になります。
もちろん東大の合格者数では私立校が多い(開成148名や灘86名など)で当たり前なのですが、記事内では最近の公立校の復活ぶりにも触れています。もっとも、その流れも少し落ち着き気味のようです。
その後にスポットをあてているのは、神奈川県にある洗足学園や東京都にある本郷中学校・高等学校の躍進ぶりです。
逆に東京都の桐朋や巣鴨については低迷ぶりにも触れています。
一方で各校に対するフォローのコメントも掲載されています。
巣鴨中学校・高等学校については、一時期の校舎移転等にともない受験生離れもあったとのこと。ただし、高校入試で5科目受験も取り入れて公立トップ校の併願先としても再注目されているようです。また、もともと医学部系に強い学校でもあり、3~4年後には復調すると思いますとのことです。
なかなか力強いコメントだと思います
なお、巣鴨中学校・高等学校については先日徹底分析記事も公開しています。
そちらもご参照ください。
桐朋については地域性について言及されています。多摩地区ゆえの地理的なデメリットを被っているとのことです。
Yahoo!ニュースのコメント欄より
上記でもご紹介しましたが、森上氏も巣鴨については復調を予想しています。
実はYahoo!ニュースのコメント欄の上位3つは同様に巣鴨に言及しています。
注目されていたり期待されていないとこういうことは起こらないのではないかとも感じます。
Yahoo!ニュースの記事自体は一定期間で消えてしまうものもあるので、今回は当ブログ内でも引用してご紹介したいと思います。
校長が「本当に巣鴨で学びたいと願う生徒に来てほしい」と中学受験の入試日を2月1日にぶつけて敗北した姿、海城など多くの私学が高校募集を停止するなか 今でも高校入試を続けている巣鴨学園の矜持には 感動すら覚える。 OBではないが 巣鴨生には頑張ってもらいたい
https://news.yahoo.co.jp/articles/ef2849f13aa6ba291e7a96843bc22c7b7d343f11/comments
記事執筆時点で赤ポチ220、青ポチ36となっていました。
高校募集については本当にその通りです。このコメントには「確かに、東大進学率を上げるには高校募集を廃止して一貫教育を徹底するのが一番効果的。そんな流れの中、高校募集を続ける学校は中受に参戦できない優秀層に希望を与えている。」という返信もついています(こちらは赤ポチ22、青ポチ0)。
続いては以下のコメント。
巣鴨高校が3人とは驚いた。医学部進学が増えているとはいえ、文系の学生や工学、理学部志望の学生もいるだろうに。他の進学校に負けているということか。暁星の5人も寂しい。 私学は学校の力の入れ方で変わってくる。また。中高一貫校が有利。中学段階で優秀な子供を確保できれば、難関大学への合格者が増える。巣鴨も暁星もがんばってほしい。
https://news.yahoo.co.jp/articles/ef2849f13aa6ba291e7a96843bc22c7b7d343f11/comments
こちらのコメントは赤ポチ168、青ポチ38でした。
感覚としては過去の合格者数の記憶が残っている感じでしょうか。
医学部進学についても別に検討する余地があるのではないかと感じます。
それを象徴するのが以下のコメントなのかもしれません。
巣鴨は2000年代初期は、東大合格者数で、都内私立でも有数だったと思いますが、今は医学部や他の特色のある大学にシフトをしている印象。東大にいくのなら慈恵医科、順天堂医学部に行こうとする志望者が多いのでは。巣鴨のレベルがどうのこうのよりも、東大に行くことがもはやブランドではなくなった、とみるのが妥当でしょう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/ef2849f13aa6ba291e7a96843bc22c7b7d343f11/comments
こちらのコメントは赤ポチ250、青ポチ62でした。
賛同もそうでない反応も最も多かったと思います。
かつての合格実績の指標が東大から医歯薬も加味したものに移行していった時期があると思います。また、昨今では海外大学への進学も注目されるようになってきました。
今回の記事では東大の合格者数を軸に展開しているので、やはりそれ以外も含めて考えてみるほうがよいのかもしれません。
なお、最後に冷静系のコメントをご紹介しておきます。
巣鴨はね、今が過渡期だと思いますよ。 じっと耐えていたこの6年間って感じで。 と言うのは、中学入試日程が大きく変わって それにより偏差値が上がり始めた頃の中学受験生が これからいよいよ大学受験を迎える年になります。 こうした改革を行った学校で、中学受験偏差値が 上昇してきた学校は、変化が起こるのは6年後以降。 まさに来年以降、巣鴨はそうした時期に入りますから。
https://news.yahoo.co.jp/articles/ef2849f13aa6ba291e7a96843bc22c7b7d343f11/comments
赤ポチ23、青ポチ3です。
制度改革の流れから的確に分析しているからこその青ポチの数が少ないのかもしれません。
ホワイト私学への転職を目指す教員として
冒頭に挙げた超名門校に絞ってしまうと、採用情報がいつ出るかわかりませんし、周囲の教員のレベルが高すぎてしまい、自分の能力の未熟さを感じ働きにくくなってしまうことも考えられます。
今回この記事を取り上げようと思った理由は、超上位校以外の学校にも注目していたからです。
洗足学園については過去に勤務されていた方と別の学校で同僚になったこともあり、少し聞き及んでいることもあります。
内部で働いていた方は一定の危機感をもっていたと思います。
その結果が今年の大学合格実績につながったのかもしれません。
ホワイト私学かどうかといわれると考え方によって分かれるところだと思います(どの学校でもそうですが)。
また、本郷中学校・高等学校についても現在は一定の地位を築き上げた学校になっています。
最近は内部の事情も変わってきつつあるという噂も聞こえているので今後どのような変化があるのか注目しています。
ちなみに、巣鴨中学校・高等学校も本郷中学校・高等学校も、どちらも豊島区に位置していますね。
これらの学校は立地条件面でも比較されることが多いのかもしれません。
なお、現実的にはこれらの学校に採用されるのがもしかしたら近道なのかもしれませんね。
どの学校にも不安要素はあります(本郷は内部事情の変化・巣鴨は行事の多さと特殊さなど)。
何が苦になるかorならないかで、その学校がホワイトと感じるかどうかは変わってきます。
おわりに
中学入試の結果については2月にフィードバックの記事を書きました(本当はまだ検討しなければいけないことはあります)。
今回は私立学校の出口側の情報としての合格実績に焦点をあてた記事にからめてご紹介しました。
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