元記事はこちら
森上教育研究所・森上展安代表「大学付属校の評価が上がっている理由」(4/1付記事)
今年度も過熱ぎみだった中学受験業界。
受験者数の増減などは転職を考えている教員側にとっても、就職しようとしている学校の人気のバロメーターになることもしばしばあります。
基本的には私立学校は中小企業ですが、一部の大学付属校は学校法人が大学のものと同じものもあります。
もちろん、系属校などで大学法人とは別になっている私立学校もありますね。
付属校であっても、給与がいいとは限りませんし、系属校だから必ずしもダメというわけではありません。
そのあたりも念頭に入れつつ転職活動をしている方はいらっしゃると思います。
今回の記事は、そんな大学付属校について少しスポットをあてています。
最近でこそ、大学付属校の私立中学の認知度も知名度も人気も上がっています。
記事は大学付属校が中学受験業界に参入した時期やその後の様子についても言及しています。
少子化の影響なども含めて、子どもの囲い込みのために動き始め、共学化や中学校の設置など、様々な改革をしてきた経緯がまとめられています。
明治大学の動きが最初です。明大中野八王子を1994年に共学化していましたが、2008年に明大明治を調布市に移転して共学化しました。
早稲田大学は、10年に附属校の高等学院に中学を開設しました。
中央大学は、10年に中央大学附属に附属高では初めてとなる中学を開設しました。また、横浜山手女子中高を10年に法人合併して附属校にし、12年に共学化しました。
法政大学は、法政大中高を07年に三鷹市に移転し共学化し、法政第二中高は16年から共学化を始めました。
https://www.asahi.com/edua/article/14584946
記事の2ページ目に、大学付属校のメリットとデメリットについて言及しています。
もちろん、メリットは大学受験をしなくても一定レベルの大学に進学することができること。
その一方でデメリットは大学の選択肢が狭くなることとあります。
これはそのまま我々教員側の日々の指導にも関連してきます。
大学受験を気にしなくてもいいメリットを最大限活用して、探究などの活動に力を入れていく学校もあるでしょう。
日々忙しい日本の教員が、形の決まっていない活動にどこまで力を注ぐことができるのか。
教員自身も探究的な活動が好きなのか、得意なのかというのも関係してくるのではないでしょうか。
もちろん、大学のゼミや研究室のような、指導教授と学生のようなレベルの高い活動は求められないでしょうが、それでも中学生や高校生を高次元の思考へと導く活動は一筋縄ではいきません。
私自身も中学卒業時に卒業論文を課すような学校で勤務していたこともありましたが、情報化社会で簡単に情報にアクセスでき、コピペで済ましてしまう生徒も少なくありませんでした。
(大学生ですらコピペするのに、況んや‥というところでしょうか)
現職の教員のうち、どの程度が大学付属校に在籍していたのか、大学受験を経験しているのかは定かではありませんが、一般的(?)には大学受験を経験している方が多いと思います。
であれば、大学の選択肢を広げるべく、教科指導を中心に受験対策を行っていくほうが性に合っているとか、慣れている方も多いのかもしれません。
学校自身がもっている魅力と、我々教員側がもっている適性や相性も踏まえて、自分自身が働きやすくて納得できる待遇の学校で働くことができるといいですね。
記事の2ページ目には、飛び級についての言及があります。
現状、政府の教育実行再生会議で検討されているようですが、高校2年生の修了後に大学に飛び級できる制度も議論されているようです。
確かに、このような制度が認められれば、高大連携を活かせるので更に大学付属校の人気は上がってくるかもしれません。
このような制度は、どこまで一般化、普遍化できるのかというのも注目です。
大学付属校にしかできないようであれば、もちろんそちらは人気も上がるでしょうが、不公平感を生んでしまいます。
日本の教育界でどこまで対応できるのか、していくのかは不明ですが、今後も注目していきたい内容の1つではあります。