広尾小石川の志願者激減の背景と、広尾中・高の教員募集方法に現れた違い

受験生保護者

参考記事はこちら

広尾学園小石川中学校・高等学校の旧名称は村田女子中学校・高等学校

私立の女子校だったものの、2016年に中学の募集を停止し、2018年に広尾学園中学校・高等学校と教育連携を締結し、2021年に広尾学園小石川中学校・高等学校に校名を変更するとともに共学化に踏み切るという過去をもっています。

そのせいもあり、ここ数年間は高倍率が続いていました。

もはや単なる合格実績だけではない魅力を兼ね備えつつある広尾学園の名を冠するわけですから、期待値は高かったわけです。もっとも、広尾学園も2007年に順心女子中学校・高等学校を校名変更とともに共学化するという同じ流れを辿っています。

2023年度入試で広尾小石川は3回目の中学入試を迎えたわけですが、ここに来て受験者の動向に変化が見られたということでご紹介と考察をしていきたいと思います。

受験者が入試回によっては6割減少も

入試全体としては32%で1000人以上も志願者が減ったようです。

また、第一志望で受験する2月1日の午前の志願者が男子では60%も減少したとのことです。

もちろん、志願者が2桁であり、多くても100人を超える程度なので、割合にしてしまうとその影響度は大きいように錯覚してしまいます。

新設校ゆえの人気高騰で一定レベルの偏差値帯の子どもを志願者として確保はできつつあるという見方もできてしまいそうです。

それに伴い、相応の学力帯のご家庭のみが真剣に検討するようになったのかもしれません。

詳細は内部の方でないとわからないと思いますが、この減り方が想定の範囲内であったのならばもちろん問題ないのだと思いますが‥どうなんでしょうか。

割合で見てしまうからこそ減ったように見えてしまう数字のマジックなのか、もともと2桁台の受験が多いからこそダメージはそこまでではないのか‥

今後の学校の動きに注目です。

教員の採用に見られる差異

そもそも広尾学園も広尾小石川も、年間を通して複数回の教員募集をかけています。

その上で、最新の募集では広尾小石川にのみ変化が見られました。

なお、たった一文字の違いなのですが、誤植でないとします。

広尾学園の募集

多くの教科・科目で以下のように募集が行われていました。

常勤講師・非常勤講師(週3~5日6~18時間)

もちろん、実技系の教科で隙間を埋めるように非常勤講師のみを募集していたものもあったと思います(少なくとも過去数年間には)。

注目すべきは非常勤講師の出勤日数と担当時間数です。

柔軟に対応できるように幅広く設定されていますが、最小要件を考えると週3日で6時間というような設定になっています。

これは少し学校優位な勤務条件設定だと考えます。

広尾小石川の教員募集

一方の広尾小石川ですが、最新の更新(2/17時点)のものでは以下のようになっています。

常勤講師・非常勤講師(週2~5日6~18時間)

お気づきでしょうか。

非常勤講師の出勤日数の最小要件が週2日からになっています。

週あたりの単位数が多い、少ないで教科ごとに差があるのかというとそういうわけでもなさそうです。

もちろん、時間割作成上は週2日で6時間というのは、まだまだ現実的に無理なく組める範囲内です。

ただ、少しだけ、応募者が応募しやすい(他校と掛け持ちしやすい)ように変えてきたのかもしれません。

おわりに

本当に最新の更新時にこの僅かな差に気づきました。

後から冒頭の記事を読み、少しつなげて考えることもできるかもしれないとも感じ、記事化に至りました。

人気の落ち着きがどの程度の落ち着きなのかは気になるところです。

一定のレベルを確保した上での落ち着きなのか、それとも予想以上に下がりつつあるのか。

また、確保したい教員のレベルとの齟齬はどれくらいあるのか。

外部からは想像することしかできませんが、もしかすると内部の台所事情が少し厳しいゆえの条件緩和なのかもしれません。

あるいは、単純に学校経営上の問題がないからかもしれません。

正確なところはわかりませんが、募集の仕方に違いが生じたことは大きな変化です。

今後も動向を注視していきたいと思います。

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