東京の私立中高、3割が学費値上げ 中学の初年度、初の100万円超(12/22付朝日新聞デジタル記事)

受験生保護者

元記事はこちら
https://www.asahi.com/articles/ASRDQ5VV1RDQOXIE033.html?iref=pc_ss_date_article

なお、Yahooニュースで掲載されているのはこちらです。こちらを紹介している理由は、コメント(後にご紹介)で気になるものがあるためです。

では、内容を見ていきましょう。

記事の概要

東京都は、都内の私立中学校・高等学校の学費を発表しました。中学の初年度納付金の平均額が100万円を超えました、という内容になりました。

記録が残っているのは1980年度以降ですが、3割の学校で値上げが行われたようです。

給付金の金額が最も多いのは、中学では上野学園(国際コース)の211万7800円とのこと。次点は玉川学園中学部のIB(国際バカロレア)クラスで192万2300円ということでした。

高等学校で最も高かったのはやはり玉川学園高等部の普通科IBクラスということで、こちらは192万4300円。

中学・高校で値上げ額の高い上位5校が最後に掲載されていますが、中学では28万2000円を上げた三田国際学園がトップで、高校では18万5000円を上げた啓明学園がトップとなっているようです。

値上げ率で見ると、上記三田国際学園は28.3%で啓明学園は18.9%だったようです。

値上げが良いとか悪いとかそういう議論もあると思います。

この点に関して、Yahooのコメントで納得できそうなものもありましたので引用しながらご紹介していきたいと思います。

値上げの要因

私立学校だからこそできることは多分にあると思いますが、お金の問題は付きまわります。

以下のコメントをご紹介します。

私学の入学説明会で資料を貰って見ると、授業の中に業者を使った教育プログラムが見受けられるが、結局はそこが費用を増大させているのでは。おまけに中高一貫校なんて中学、高校で海外研修プランとかも組まれている。基本授業料+オプション料金とか親はお小遣いを削る程度では間に合わない状態。これが本当に日本を強くする教育なんでしょうかね。公立が頑張らないと所得格差は子供の時からなんですよね。大盤振る舞いで授業料無償とかより、公立の小中高の強靭化が必要だと思います。昭和の時代は子供を成績でクラス分けするなとか差別批判的な発言が多かったが、それが私学誘導へとなったのでは。やはり公立でも区別して伸びる子を伸ばさないとダメだと思いますよ。分けられるのが嫌なら親も子供の勉強を見てやれよと思いますが。

https://news.yahoo.co.jp/articles/127c5144ddc1d6f85e8501165329209289a0bd6b/comments

気になったのは前半部分。

確かに、国際教育が叫ばれて久しく、昨今の進学実績でも海外大学の名前が出てくるところも増えてきました。

これが全ていいとも悪いとも思いませんが、学校側が提供するプログラムに良し悪しがあるのは部分的に事実だとも思います。

海外へ行く修学旅行を設定している学校で勤務していたこともありますし、他にもそういう学校を複数知っていますが、その中には業者丸投げということを行っている学校もありました。

全員が強制されているわけではない国際教育プログラムをオプションで設置している学校のほうが多いように感じていますが、どうでしょうか。

ただ、気になるのは業者丸投げのものをとりあえず導入しているだけの学校が圧倒的に多いのではないかと思っています。

もちろんそうでない学校も見聞きしています。
例えば、昨今国際教育で記事を見かける頻度が上がってきた学校に巣鴨中学校・高等学校があると思います。

こちらの国際教育を担当している先生方のお話を聞いたことがあるのですが、業者丸投げは基本的にせず、必ず自分たちの生徒に合ったものに手を加えるとのこと。結果として、同じようなプログラムを提供している他校さんのものと比較して費用面で10万円近く安く短期留学できるようになったプログラムもあるそうです。

家庭側への負担、学校側の手間と責任、業者の利益、様々なものがあると思いますが、最終的には生徒にとってできるだけ良いものが提供されて欲しいと思っています。

値上げや無償化の良し悪し

そもそも論として、高校無償化が良いのかというところに焦点を当てたコメントがこちらです。

無償化や補助金が出されるたびに、元が上がる。 良くある話。 毎度毎度のことです。 国民のみなさん。 都民の皆さん。 大阪の皆さん。 無償化を求めるのはやめましょう。 求めるべきは、無償化ではなく、高校義務教育化か公立高校の受け皿を増やすことです。 小学校、中学校、高校の教育の質を上げることです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/127c5144ddc1d6f85e8501165329209289a0bd6b/comments

こちらは学校教育とか学校運営に直接的に関わるお話ではなくて、制度設計上のお話になってきます。

何でもかんでも補助金を出せばいいのかというとそうでもないよね、というお話になってくるでしょうか。

補助金が出されるたびに元が上がるという件、2023年であったのは出産一時金でしょうか。42万円から50万円に増額されていると思いますが、そもそも出産費用を便乗値上げしているという話も出てきています。

もちろん、命を預かる業務ですから、相応の対価は必要でしょう。しかし、上の話題と同じで制度設計としてはどうなんでしょうか。

昨今、差別をなくすことが善と捉えられがちな風潮が強まってきていますが、必要なところに必要なお金を使うということも、今まで以上に重要になってきているのかもしれません。

もちろん、何が必要で、何が重要かはそれぞれの価値観によるので一律に線を引くことができない内容でもあります。

おわりに

ふと目に止まった記事で、昨今の賃金上昇、物価上昇に伴う話題のような気がして、取り上げました。

現状、日本は二極化が進んできているとも思いますし、特に私立学校界隈だと東京都(を含む首都圏エリア)はまた違った様相を呈しているとも思います。

公立校の役割と意義もありますし、私学の必要性もあります。どちらも必要だと思います。

このあたりのバランス感覚が、国民の納得できるところに落ち着くといいな、という感想で締めくくります。

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