市進学院の主要私立中学入試状況速報が出揃ってきています。
今年の応募者数だけでなく、前年との比較もしてくれていますし、実際の受験者数と合格者数(あわせて実質倍率まで)も掲載してくれています。
増減を赤と青の文字で色分けしてくれているので、一目で人気だったのか不人気だったのかの動向を確認することができてしまいます。
更新状況もだいぶ落ち着いてきたので、各県の状況を追いかけていきたいと思います。
第三弾は神奈川県です。なお、第一弾の埼玉県はこちらから。第二弾の千葉県はこちらから。
男子校
浅野は増減なし。2/3に入試日を設定しているとはいえ、1日の入試だけでしっかり志願者を集められるのはやはり御三家校というところでしょうか。
栄光学園は減少しています。こちらもやはり2/2に入試日を設定していて、1日だけ入試を行っていますが、やはり2/2だとまだ都内の学校との競争もある感じでしょうか。
鎌倉学園は総数は概ね増減なしという感じでしょうか。ただ入試形態によって差があり、算数入試が大きく減らしている一方で、2/1の午前中で大きく志願者を伸ばしています。
慶應普通部は微減。それでも前年から大差はなさそうです。
サレジオ学院は微増。2/1も2/4もどちらも志願者数で一定の伸びを見せています。
逗子開成は微減。2/1・2/3・2/5のどの入試日程も前年から比べて数%ずつ下げています。1割には満たないとはいえ、この傾向が続くのかどうかは注視したいところでしょうか。
聖光学院は総じて増減なしというところでしょうか。男子御三家校の中では、唯一入試日程を2日間設定しています。
女子校
神奈川学園は減少傾向にありそうです。女子校の復権を流れを感じる昨今ですが、都内中堅どころまでということなのかもしれません。
鎌倉女学院は微減でしょうか。2/2で一定の減少幅があるものの、2/3受験は微増しています。
カリタスは微増でしょうか。2/1の2回分増加している一方で、2/2の回は減少しています。新設の英語資格入試は25人の出願に対して実受験が21人で合格者が11名となっています。
湘南白百合は総じて微増でしょうか。2/1午後の1科入試は算数で大幅増加、国語が現状維持というところでしょうか。一方で2/2の4科入試は微減です。
清泉女子はやや微減でしょうか。入試日程も入試形態も多く、判断に迷うところはあります。
洗足学園は減少傾向にありそうです。3回の入試日程がありますが、いずれも1割前後の志願者減少となっています。
日本女子大学附も減少傾向にありそうです。こちらは入試日程が2回ですが、減少幅が-6%と-16%となっています。
フェリスは微減でしょうか。入試日程が2/1のみで一定の志願者数を集めているのは流石に女子御三家校というところでしょうか。
横浜共立は微増でしょうか。入試日程が2回あり、いずれでも志願者数を伸ばしています。やはり女子御三家というところなのでしょう。
横浜女学院は減少傾向にありそうです。減少幅は、いずれの日程、いずれの入試形態でも2桁台となっています。入試日は2/1・2/2・2/3で集中していますが、入試形態としては14区分にも及んでいます。
横浜雙葉は増加でしょうか。女子御三家の中で、2/2の入試日程を新設しているのが新しい動きでしょうか。2/1も微増、2/2日程でもしっかり志願者を集めているようです。
共学校
青山学院横浜英和は減少傾向です。2/1・2/2・2/3のいずれの日程で男女とも志願者数を減らしています。
神奈川大学附属は総じて微増でしょうか。2/1・2/2・2/4のいずれの日程でも男子は増加し、女子は減少しています。男子は2/1と2/2の増加幅は前年比20%を超えています。
関東学院は微減でしょうか。特に2/1はいずれの入試でも男女ともに減少しています。少し日程が離れた2/5も男女ともに減少しており、今後の動向にも注目です。
公文国際学園は増加傾向にありそうです。以前、お話を伺ったことがありますが、やはり一定の固定ファン層が根強く人気を支えているようです。
慶應義塾湘南藤沢は微増でしょうか。特に男子の出願者の伸びは1割を超えています。
中央大学附属横浜は総じて減少しています。一方で、2/1の女子だけは志願者数が前年比で1割以上伸びています。
桐蔭学園は増加しています。2/1・2/2・2/5のいずれの日程でも男女ともに2桁台の伸びを見せており、注目されているようです。
桐光学園は減少傾向にありそうです。2/1・2/2・2/3で合計4回の入試がありますが、2/3のB方式の男子の志願者以外は軒並み減少しています。減少幅も無視できない数字です。
日本大学はやや微減でしょうか。男子の志願者数は伸びていますが、女子の志願者数が落ちています。入試日程が2/1・2/2・2/5なのも加味して考えたいところです。
日本大学藤沢は減少しています。2/1・2/2午後・2/4の3回の入試で男女とも志願者を落としています。減少幅も2~3割と大きく見えますが、分母がそこまで大きくない点は注意が必要です。
法政大学第二は微減でしょうか。2/2・2/4のいずれも男女ともに減少しています。
森村は総じて微減でしょうか。2/2・2/4の男子の減少幅が少し大きいです。女子の志願者数がいずれの日程でも伸びているのは注目ポイントなのかもしれません。
山手学院はやや微減でしょうか。入試日程は2/1・2/3・2/6で、一部の日程で女子の志願者が増えているものの、男子は全日程・入試形態で減少しています。
横浜創英は総じて増加傾向でしょうか。2/1・2/2・2/3・2/6の5回の設定がありますが、特に2/1の2回の入試では男女ともにしっかりと志願者数が増加しています。一方で2/2は男女ともに志願者数が減っているのはやむを得ないかもしれませんね。
分析
神奈川県内の中学入試で大きな影響があったのは、やはり横浜雙葉が入試回数を増やした(2/2日程を新設した)ことによる女子受験生の動きでしょうか。女子の志願者がどういう学校に注目して受験したのかは覚えておきたいところです。志願者数を落としている学校がある一方で、女子の志願者数が伸びている学校もあります。
受験生や保護者などご家庭側からすると入試の日程が変わったり、形態が変わったりすることによる人流も気になるところかもしれません。
もちろん、習うより慣れるというか、住めば都というようなところもありますが、結局は子どもやご家庭の雰囲気に合った学校に進学するほうが、後々も過ごしやすくなるかもしれません。
こればかりは、出会いと御縁の世界なので何とも言えませんが、それぞれの子どもたちにとってよりよい出会いが待ち受けていることを願っております。