私学への転職で社会科の先生が気にするべきこと

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明らかに専門性がはっきりと分かれている教科です。

中分類では地理、歴史、公民があり、更に細分化されると日本史と世界史、倫理と政治経済とに分けられます。

一番小さく細分化されたものが教科内の科目として成立しますね。

理系ならば「社会の選択は地理にした」とか。

文系ならば「王道の選択方法は世界史と日本史でしょ」というように。

そんな社会科の私学における採用状況を名門校、付属校、伸び盛りの学校、教科指導するだけでも大変な学校など様々な学校を渡り歩いてきた観点から考察していきます。

社会の専門性と学校内の総単位数

すでに述べたように、社会の中でも細かく専門性があります。

大学レベルの専門の分け方であれば、更に細かく●●時代の専門というものもあるのでしょう。

もちろん、中学高校レベルでは必要ありません。

(ただし一部の超上位校では、自分の専門とする時代や地域を徹底的に取り扱うという学校もあるようです。)

自分の専門とする科目の授業時数をどれだけもつことができるのかは大切です。

日々の授業や教材研究の面で負担の度合いがやはり違います。

自分の専門の科目をどれだけ担当できるのかは、生徒数や進路選択の様子も深く関わってきます。

男子校で理系選択者が多いような学校であれば、そもそも社会科の授業時数そのものが少なくなってしまいます。

逆に女子校で文系選択者が多かったり、進学実績も文系で稼いでいたりする場合は社会科の活躍の機会も多いでしょう。

このあたりを外から分析しなければいけません。

ただし、地理や公民が専門の方は何かと苦労されているような気もします。

社会という教科の中での地理や公民という科目は文系の扱いなのに、大学受験で入試科目として使えるのか使えないのかという問題が立ちはだかってきます。

理系の理科の生物選択や地学選択と同じような匂いがします。

このあたりも含めて以下の偏差値や進学実績とカリキュラムを入念にチェックしましょう。

高偏差値帯だと、自分の専門の教員免許と中学社会の所持で済む場合もありますが、基本的には高校地歴と公民、および中学社会の全てを持っておいたほうが無難だと思います。

中堅以下の学校では、教員の配置のしやすさ(教科担当としての融通の効きやすさ)が重視されている印象です。

偏差値とカリキュラムを必ずチェックする

上で述べたように、どのような校種で、どのようなレベルで授業を行うのか。

また、自分の専門の科目について指導することができる割合は全授業時間数のうちのどれくらいなのか、ということを確認するために必ず偏差値とカリキュラムをチェックしましょう。

そもそも偏差値帯の高い学校であれば、中学の段階から地理と歴史と公民の担当者を分けて専門性の高い人を担当者に据える傾向が強いです。

逆にそうでなければ、柔軟にカリキュラムが組めるように中学社会としている学校も多いです。

中学校レベルであれば、地理や歴史、公民の授業の全てを担当することができますか?

そもそも中学社会の教員免許は所持していますか?

配置のしやすさ、幅の広さがある意味で最も求められているのは社会かもしれません。

免許も細かく分かれてしまっています。

あとは上で述べたような地理が専門の方の問題がありますね。

高偏差値帯の学校では、理系選択者がこぞって地理や公民系科目(主に現社)を選択します。

そもそも理系選択の割合も増えてきます。

生じる授業のコマ数も増えてきます。

地理の教員の需要が上がれば求人数も増え、自分が採用される可能性も上がるというわけです。

ただし、文系向けと理系向けでは要求される知識レベルに違いがあります。

地理専門で文系の記述まで対応できなければいけないとか、理系のセンター試験(共通テスト)まで対応できればいいとかあると思います。

授業内容の取捨選択ができる、生徒の志望に応じた授業を構成する力がある、というのは他者との差別化につながるのではないでしょうか。

文系の理科であれば、はっきりと基礎科目にわかれていて範囲も制限されますが、理系の社会はわかれていなくて様子が違います。

もっとも、後述する新カリキュラムが開始されると、様子も変わってくると思います。

文系社会の科目選択と採用の関係

王道の世界史+日本史

最も暗記量が求められる組み合わせでしょうが、歴史の流れの縦と横を見比べると一番関連度合いが強い組み合わせで一般的だと考えられます。

自分が高校生だったころは世界史を必須としていた大学が多かったと思いますが、最近は縛りもゆるくなってきました。

受験する中で、この科目の組み合わせはほとんどの組み合わせで受験することが可能でしょう。

意外に多い世界史+地理

関連度合いが高めな組み合わせ

人によっては上記の歴史2つの組み合わせよりもこちらのほうが世界全体を見ているので文化や人種的な観点で関連度合いが強いと感じる場合もあるようです。

また、男子校のように、理系的な思考力が必要でも地頭がある場合には、文系選択者でも積極的に地理を選択していた学校もありました。

国立を目指す場合には、世界史と日本史の組み合わせよりも、世界史と地理の組み合わせで挑むほうが学校のカラーと生徒の気質に合うんだそうです。

倫理・政治経済絡みはやはり少ないか

いわゆる「倫政」が絡む組み合わせは、相手が地理、日本史、世界史のいずれでも少なめでしょうか。

あって世界史、というのが私の中での体感的な印象です。

最初から1科目に絞っている生徒も選択しがちでしょうか。

また、公民が専門の先生は、指導する対象が理系生徒のほうが多いこともあり、高校3年生時に理系クラスの担任をもつこともしばしばあるようです。

この場合は理系生徒の進路指導ができることを求められます。

この点も踏まえてお考えください。

総括すると

文系色が強い学校なのか、理系色が強い学校なのか。

女子校なのか男子校なのか共学校なのか。

社会の中でもどの科目の授業が多くなりそうか。

このあたりも含めて考えなければいけないと感じます。

ただし最終的には、学校の中での定年退職者の有無などの事情は絡んでくるので、求人が出るかでないのか、採用されるのかどうかもご縁次第。

今年度も、最も多く求人情報を見かけたのは歴史ではないかと思っています。

統計をとっているわけではないので、あくまで体感的なものになってしまいますが、

特に専任教諭の募集については世界史や日本史が圧倒的に多かったです。

中学社会

中学地理

大きく分けて、日本地理と世界地理に分かれます。

各国の気候や農業・工業の特徴、人種や宗教なども扱いますね。

日本地理も類似しています。

各地方の気候や農業・工業の特徴をまとめていきます。

もちろん、他にも地形図の読み方など細かい学習内容もありますね。

中堅までの私学だと、公立校とさほど変わらないイメージもあるのですが、上位校だと高校地理の内容も混ぜてくる学校もあります。

ケッペンの気候区分なんかを中学3年生から扱っていた学校もありました。

中学歴史

やはり大きく分けて日本史と世界史があります。

しかし、世界史の占めるウェイトは大きくないはずです。

教科書に登場するのは古代文明とゲルマン民族の大移動あたり、そして十字軍と清教徒革命あたりの話だけですね(特に公立校の場合)。

私学でどれだけのアレンジを加えてくるのかは正直わからないところ。

日本史も同様で、どこまで厚く授業をするのか。

こればかりは入ってみないとわかりません。

古くは6年一貫教育の中で、中学生までの間で戦国時代までしかやらない、という学校もあったようです。

残りは高校でやる、ということですが、さすがに中学1年生の頃にやった縄文時代の知識なんかは高校3年生の受験直前までやっていないと忘れてしまいますよね。

今でもそんなカリキュラムで行っている学校はあるのでしょうか。

探せばあるような気もしますが、いずれにしてもこういう学校の実態は入ってみなければわかりません。

中学公民

こちらもどうなっているのかは学校次第。

一般的には地理と歴史を1年生、2年生あたりで配置する学校が多いでしょう。

しかし、私学で中学3年生くらいになると、高校課程も織り交ぜ始める学校が多い印象です。

数学と英語の先取り学習は当たり前のレベルですが、理科や社会はあまりないとはいえ、全くないわけではありません。

逆に中学3年生の公民は発達段階的にも高校生と同等レベルの内容をやってしまっていいだろう、というスタンスの学校もあると感じます。

もちろん、英数の負担が増える中で理科や社会の負担もどれだけ増やせるようなカリキュラムを設定しているのかはわからないのですが。

いずれにしても、大学合格実績が主たる生徒獲得のための指針である学校が大半である現状、どのように計画的に学習内容を指導して生徒の進路実現につなげるのかが大切です。

そして、同じ内容を伝えるのでも、高校1年生に伝えるのと中学3年生に伝えるのは、差が小さくなってきたとはいえ、やはり手のかかり方は違います。

このあたり、どのレベルの生徒層なのか、同僚との関係性や教科内の連携のよさなんかも関係してきそうです。

高校地理

先に挙げた、最も割りを食ってそうな科目です。

理系にとっての需要は大きいのに、文系にとっての需要は(国立大学志望でなければ)そこまで大きくない。

選択してしまうと、自分が受験できる大学の幅が狭くなってしまうから。

もちろん、影響の無い国立大学もありますが、私大では地理選択が不利にはたらくことも少なくないようです。

たしかに、私がはたらいてきた私学でも、地理の非常勤講師の先生方はどの学校でも多かったように感じます。

ただでさえ倍率の高い社会の中でも、もしかすると地理専門の方が内定を勝ち取るのが最も大変なのかもしれません。

高校日本史

今年、求人情報を見ていて、もっとも多くみかけたのは日本史じゃないでしょうか。

理科や社会ははっきりと専門性がわかれているため、その中でも求人情報の量でも多い少ないがあるように感じます。

漢字も多く、近代史もごちゃごちゃしていますが、理系選択者でも日本史を選択する生徒は意外に多いです。

高校世界史

文系にとって(もちろん選択してしまった理系にとっても)ある意味で鬼門。

そもそも教科の中での指導量としても、3年間でしっかり教えられる量ではないというのが通説。

詰め込んで、圧縮して、やりくりして、取捨選択して、それでもどうにか3年間まるまるかかってしまうという話もかなり聞こえてきます。

進学校勤務時代の私の同僚は、「4年間かけてしっかり指導することができる量」だと言う方が多かったです。

自分が高校生のときは、文系の生徒は世界史の受験を指定されていた大学や学部学科が多かったイメージがあります。

今は改善されたとは聞きますが、いずれにしても高校世界史はなかなか大変そうです。

ただし、逆に言えばしっかりと求人情報で出てくる科目ではあります。

募集している学校の数も、その多様性も、最もあるように感じます。

高校公民

倫理・政経や現代社会など様々あります。

現代社会は主に理系向けでしょうが、倫理・政経を理系でもがっつりやる学校もあるようです。

文系生徒でも科目の組み合わせで選択する生徒はいますね。

ただし二次試験で出題している大学の数では最も少ないのが現状です。

新カリキュラムが地理の救世主となるか

社会科の中で大きな変化を伴いそうなのが2022年からの新カリキュラム。

地理総合、歴史総合、公共という3つの科目が必修化されますね。

その上に地理探求、日本史探求、世界史探求、倫理、政治経済を選択することになります。

現行の教育課程では、世界史と日本史が2単位ずつは必修となっていますが、ここに地理が加わります。

今までは世界史Bや日本史Bは標準単位数は4時間だったわけですが(もちろん進学校はこれでは単位は足りないだろうけれど)、新カリキュラムでの世界史探求、日本史探求では3単位になります。

現行の理科のカリキュラムに近くなる印象を私はもっています。
(理科基礎3つまたは科人生と理科基礎1つ必修→上位科目を選択するという流れが)

いずれにしても、今のままだと地理を履修しないまま卒業していた子どもたちもいたわけですが、今後は少なくとも2単位は履修することになります。

つまり、地理をやらなければならないので教えられる教員の需要が高まるだろう、ということになります。

この影響がどのように今後の求人情報に影響してくるのかはまだわかりませんが、体感的には既に今年度から、地理の教員募集情報は例年に比べて多かったようにも思います。

ただし、私学の採用の市場としては、これまでかなり不遇な扱いを受けてきたと思っています。

また、今まで勤務していた学校の採用の状況を見ていると、そもそも応募数が少ない(世の中にいる私学志望の社会科教員(地理専門)がいない)という感じもします。

それとも、今後の流れ次第では、公立で勤務していた地理専門の社会科の先生が、私学へ大挙して押し寄せるということもありうるのでしょうか。

まだまだわかりませんが、情報を察知したら随時記事を更新していきたいと思います。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

今回は社会科の教員採用について考察してきました。

いずれにしても、2022年から始まる新カリキュラムによってまた変化は起きると思います。

敏感に動向を察知して、できるだけ自分の専門とする科目で、できるだけ自分の理想に近い学校で勤務ができるといいですね!

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