冬場の採用では、非常勤講師での募集が増えてきます。
学校側も、教員を確保しなければいけない実情はあるものの、このギリギリの状況で慌てて人を採用して下手な人を採用するわけにはいかない、という考えもあります。
下手な人、というのは、もちろん本人の資質もあります。
担任業で生徒管理が不得手、保護者の接遇が苦手でトラブルに発展しがち、などは働いている様子を見ながら判断したいという観点もあるでしょう。
そのため非常勤講師を大量に募集して、働きぶりをみながら翌年度をどうにか凌ごう、という思惑も透けて見えます。
非常勤講師1人の負担が大きい採用についての考え方は前回の記事もご参照ください。
本日は非常勤講師の担当時間数が少ない場合の求人について考察します。
学校側の思惑
求人内容として少ない時間数の募集は、4時間とか6時間の募集があります。
教科によると思いますが、4時間でも週2日の勤務を要求されることが多いと思います。
情報や家庭科など、週1時間の担当で済むような教科は4時間や6時間でも週1日の出勤でも大丈夫という場合もあります。
(学校によっては6時間連続の授業は教育の質が落ちそうで不安だから認めない、という学校もありますし、逆に特別教室の兼ね合いから1日で6時間担当してほしいという場合もあるでしょう。)
それ以外の場合は3クラス✕2日=6時間ということが多いと思います。
理科基礎なんかはこの典型ではないでしょうか。
ただし、このくらいの時間数の求人であれば、学校側としては既にいる専任教員で補うことができるので最悪採用できなくてもいいと考える学校もあります。
もちろん、既にいる専任教員の負担は増えますが、新しい非常勤講師の指導力や指導方法に疑問があるとか、新しく連携したり打ち合わせしたりする負担をてんびんにかけて、非常勤講師を補わないという学校もあります。
応募側の思惑
生計をたてる観点から
既に非常勤講師としてはたらく主軸の学校が決定していて、週3~4の勤務が決定している場合もあると思います。
この場合、おそらく12~16時間程度の勤務になるのではないでしょうか。
そうすると、月々の収入は20万円には届かないと思います。
12時間程度の持ち時数であれば15万円程度ではないでしょうか。
新卒の大学生の初任給と比較すると悪くないかもしれませんが、私学共済への加入が認められていない場合(おそらくそちらのほうが大半でしょう)には実家ぐらし等でなければ厳しいのではないでしょうか。
今回の記事では結婚前の若手を想定して書きますが、もう少し収入が欲しいと思うのが自然な流れな気もします。
そうすると、こういう4~6時間程度の募集を組み合わせたくなってくるはずです。
以下のような観点に注意して学校選びを意識するといいのではないでしょうか。
経験上の観点から
私学も教育機関とはいえ中小企業です。
そして人の異動が少ないため、独自文化が根強いことも多いです。
そのため、他の学校で勤務するときにカルチャーショックを受けることも少なくありません。
そうならないように、複数の学校で勤務することは経験上いいと思います。
個人的にはむしろオススメだと思っています。
もちろん、初任者で授業をきちんと構築するだけで精一杯、というような場合もあると思います。
自分の将来的なキャリアも考えながらバランスよく考えてみてください。
履歴書上の観点から
少ない担当時間の募集を出している学校には、有名校や伝統校も混じっています。
こういう学校での経験は、仮に契約更新に至らなくても次の転職で自分の経歴に箔がつくことになります。
働きぶりがよければ、翌年度は担当授業数が増えたり、常勤や専任教員のような話が出てくるかもしれません。
学校側としても、担当時数が少ないからとりあえずどんな人か1年間くらいは採用してみようか(もしこちらの眼鏡に適わなければ別の人を来年度は採用しよう)くらいの形で考えている場合もあります。
このようにハードルが下がっていることもありますが、まずは書類を出さないと受かるものも受かりません。
忙しいでしょうし、生計とのバランスを考えて不安になることもあるかもしれませんが、将来的なことを考えたときにより自分が納得できる道を選択してください。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回は、担当時数が少ない非常勤講師の募集について考察しました。
経歴の面、複数校を経験するという自身の経験の面、もちろん生計を立てる観点も踏まえて働く学校を選んで下さい。
若手であれば、まだまだ不安なこともあると思います。
また、子育てにある程度のメドがついて家計補助のために復帰する女性の先生もいらっしゃると思います。
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