受験の結果と採用選考の相関について考えさせられる

労働環境

2021年の中学入試は、コロナの影響もあり、今までと違う流れもあったようです。

生徒の募集状況は、そこではたらく教員の待遇にも関係しかねません。

人気が出るか、受験をしてもらえるか、入学してもらえるか、どういう進路を実現させるかのすべてが相乗効果として現れます。

学校で働く側からすると、いわゆる報酬に対して教員の頑張りに頼る部分が大きい学校もあります。

今日は中学受験の状況と、今年度の教員採用の状況を関連付けてまとめていきます。

2021年の中学入試の大きな流れ

ここ最近、気配は感じていたのですが、女子校の復権もあるような気がしています。

また、コロナという状況もあり、柔軟かつ迅速に対応を打ち出した私学への人気が総じて高まったという見方もあります。

それもあってか、受験者層も安全志向になるのではないかと言われていました。

ということで、参考のサイトを紹介します。

日能研入試速報

首都圏「中学入試」、異例づくしの2021年を総括(ダイヤモンドオンライン)

あとは、市進学院が増減を丁寧にまとめているので、そちらもオススメですが、暗号化通信非対応なのでリンクは貼りません。

前年最終比という形で受験者の増減を示していて、増加を赤文字で、減少を青文字で分けているのでみやすいと思っています。

日能研の入試速報はいわゆるR4も掲載されているデータ集です。

ダイヤモンドオンラインの記事はあくまでも一つの報道の形程度という認識でいいと思っています。

教員の採用選考と関連付けて考える中学入試(最上位校)

全体的に見て思うのは、増えたにせよ、減ったにせよ、数%であればそんなに影響はないと考えます。

また、日程によって増えたり減ったりしている学校も明確な流れはなかったのでしょう。

海城中学の+2%や開成中学の-2%はもちろん、もう少し下の学習院の-6%もこの範囲内だと思います。

分布を見ていると、最上位校のレベルでは、このような数%程度の増減で済んでいるのではないでしょうか。

女子学院の-9%も雙葉の-8%も、数値としては少し大きいような気もしますが、今年に関しては最上位校の宿命みたいなところはあるのかもしれません。

共学なら早実が男子-9%、女子-12%というところも似ているように思います。

ここまでで名前を挙げた学校は、採用選考も安定していました。

年度の早い段階で必要な人員を確保し、現時点での募集は出ていても非常勤講師など少し足りない時間数を補うものではないでしょうか。

仮にいい人材が応募してこなくても、既に中で勤務している専任教諭で十分カバーできるというレベルでしょう。

教員の採用選考と関連付けて考える中学入試(中堅校)

日程によって増えたり減ったりしている学校もちらほら見受けられます。

これらの中には、やっぱりずっと教員募集をしていたという学校もありますし、計画的に採用活動をしていたと感じる学校もあります。

今年1年間、ずっと採用情報を追いかけてきた自分だから気になる学校がいくつもあります。

状況が確定的に理解っているわけではないので、個別に学校名を挙げるのは控えさせていただきますが、採用選考の状況と、教員の待遇と、生徒募集の状況が良い意味でも悪い意味でも噛み合っている学校がありそうです。

中堅校でもいい流れの学校にはぜひ応募書類を出していただきたいですし、逆にいろんな要素を考えて不穏な気配を感じた学校については、実際に選考を受けに行った時に肌で感じた空気で最終判断をしていただきたいと思います。

個別の増減に目を向けると、(数字だけみれば)世田谷学園は減少率が少し大きかったようですね。

いずれの形式についても-20~-38%というのは率で見ると大きめに感じてしまいます。

逆に獨協や日大豊山は+22~+47%と、増加率も大きめです。

今年の入試に関しては、中堅校にどのように受験者が流れたのかというのはやはり大きそうです。

一方で、宝仙のように、受験者が増加傾向の学校なのに、採用選考を比較的長期に渡って行っている学校もあります。

もっとも、こういう学校の場合には、学校の規模も加味して考えなければいけません。

総じて考えると、聞こえてくる噂話も含めると悪くないような気もしますが・・・。

日大ナンバーズももちろん、東京農大一中なんかも増加傾向のようですね。

共学校のデータを見ていてきになるのは、男子の受験者数が減少している一方で、女子の受験者数が増加している学校がいくつかあることでしょうか。

これは女子校についても、受験者数が増加傾向にあるようにも感じていて、今まではあまり女子は中学受験をしない、させない傾向が強かったのにこれからは変わってくるのか?というようにも読み取れるようなデータになっています。

こういうところからも女子校の復権が進んでいるようにも感じます。

確定的なことが言えないので私自身モヤモヤしているのですが、やっぱり待遇もいい、安定していそうな学校については人気もありそうですね。

ただし、いくつかの学校については、果たして本当に大丈夫なのか?というような待遇と人気が噛み合っていない学校も見受けられます。

そういう学校は今回の受験者増をきっかけに、どうにか教育内容も教員の待遇も改善していくことを願っています。

また、すべてが負のスパイラルに陥ってしまっている学校はもしかしたら抜本的な対策が必要なのかもしれません。

また、学校名を見ていると、やはり立地の問題が大きく影響していそうだと感じる学校もありますね。

さいごに

体感的な話になってしまいますが、東京都であれば、私学は悪くない学校が少なくないと思います。

また、受験者数などを考えても、どうにかやっていけそうな感じも見受けられます。

あとは、中堅校や女子校についても、少しずつ状況が変わってきているようにも感じます。

学校の状況は数年間で大きく変わることがありますので、注意深く情報を追っていきたいものです。

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