「バブル偏差値」に惑わされるな!中学受験志望校選びで偏差値よりも見るべきものは?-子育ての「選択」大全 正解のない時代に親がわが子のためにできる最善のこと-(おおたとしまさ著)の記事より

受験生保護者

今回取り上げるのは教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏の記事。

そもそもこの記事はGoogleのサジェスト表示で私は知ることになりました。

もとのYahoo記事はこちら
https://news.yahoo.co.jp/byline/otatoshimasa/20220915-00315174

記事の内容を引用しながら紹介しつつ、現状の私立学校の状況の側面と照らし合わせて考察していきたいと思います。

なお、この記事は著書の子育ての「選択」大全 正解のない時代に親がわが子のためにできる最善のことからの抜粋・再編集記事とのことです。

書籍を調べた所、Amazonにありました(画像も18枚掲載されていて部分的に試し読みもできます)。

偏差値と進学実績について

記事冒頭部を引用します

学校を選ぶ際に使われる指標に、偏差値と進学実績があります。まったく無視はできない数字ではありますが、これに振り回されるとろくなことになりませんから気をつけてください。

https://news.yahoo.co.jp/byline/otatoshimasa/20220915-00315174

これはもうずばりおっしゃるとおりです。

数字見えてしまうために説得力もある指標です

首都圏エリアの私学への転職を狙う側からすると、(特に現場経験者は)偏差値と合格実績からその学校に通学する生徒の層はある程度は想像できると思います。自分の指導しやすい生徒層を狙って転職を試みる観点で言えば、働きやすい・指導しやすいの指標としては大いに活用して欲しいと思います(ただし受験生視点と同じ視点でも学校は判断してくださいね)。

受験する家庭側からみると、合格実績や偏差値はわかりやすい一方で、実際に入学してみるととにかく大学受験の合格実績だけに注力する学校もあるので、偏差値や合格実績が学校そのものの魅力と必ずしも相関があるとは言えません。

これは著者も辛辣な言葉で述べています。

極端な話、ハリボテみたいな教育をしていても、学力の高い受験生を集めることにさえ成功すれば、偏差値は高くなります。

https://news.yahoo.co.jp/byline/otatoshimasa/20220915-00315174

偏差値と入試について

偏差値が高い学校が本当に賢い生徒層が集まっているかというと必ずしもそういうわけではないという話も著者はしています。

首都圏の私立中学校は平均約4回の入試を実施します。たとえばそのうち1回を競合する学校が少ない日時に設定し、しかも定員を少数に絞ります。すると、倍率が高まり、その上位層にだけ合格を出すことで、見た目の偏差値を上げることができます。それを私は「バブル偏差値」と呼んでいます。つまり偏差値は、やろうと思えばある程度意図的につくり上げることができるのです。

https://news.yahoo.co.jp/byline/otatoshimasa/20220915-00315174

これについては、正しくもあり、少し違うのではないかと感じるところもあります。

順を追ってみていきましょう。

入試の回数と定員、倍率などの分析は本当に大切です。これはその学校に実際に入学しようか考えているご家庭側も、転職を考える教員側もです。

入試回数が多いということは、それだけ入試を行わなければ生徒が集まらない可能性もあるということです。

また、東京都の中学入試は2月1日から始まりますが、この日に行っているのか、それ以降の日程なのか、他校との日程の重複度合いはどうなのかでかなり変わってきます。

もっと言ってしまうと、後半の日程になればなるほど、第1志望の学校に合格できなかった子どもたちが残ります。

私は複数の学校で入試の業務に携わってきましたが、後半の日程になればなるほど受験する子どもの学力が上がっていく学校もあれば、逆に下がっていく学校も見てきました。どういう学校でどういう傾向があるのか、その学校が良いのか悪いのかなどの良し悪しの明言はしませんが、著者のいう「偏差値は、やろうと思えばある程度意図的につくり上げることができる」という側面はなくはないでしょう。

ただし、大手塾などは日程ごとに偏差値を提示していたりもしますので、ある日程のある形式の入試だけ偏差値が高くても、それ以外の日程や形式の偏差値が低ければ、上記のような状況を想像する判断材料にも使えるます。偏差値そのものが全くあてにならないということでもありません

ただ、偏差値が高ければ周りのクラスメートのレベルも高くなるのかと言われると、必ずしもそうでもないというのも現実としてあります。

これは著者も述べています。

しかもバブル偏差値はあくまでも入試合格者の偏差値であり、実際の入学者の偏差値ではありません。バブル偏差値で合格した受験生の多くは、その学校が本命ではなく、別の学校に入学してしまいますから実際の入学者の平均偏差値は、バブル偏差値よりも数段低いものになるのが現実です。

https://news.yahoo.co.jp/byline/otatoshimasa/20220915-00315174

これは判断は難しいところです。

確かに高い学力をもっている生徒がそのまま入学しない場合もままあります。

私学で経営も意識する中堅教員になると、偏差値改善の波に合わせて、学校の魅力も押し出したり改革したりして正のスパイラルに入り込めると学校全体が(人気も偏差値も)伸びていくと思います。そして進学実績にも表れ、更に優秀な生徒層が受験し‥という好循環になっていた学校も実際に見てきました。

大学進学実績よりも卒業生リストを見るべき?

これはなかなか判断は難しいかもしれません。

実際に受験や入学を考えるご家庭側も、中で教員として働きたいと考える側にとってもです。

筆者の以下の部分は確かに大切です。

学校には、特に私立の学校にはそれぞれの学校文化がありますから、それに浴するために学校を選ぶことには大いに意味があると思います。

https://news.yahoo.co.jp/byline/otatoshimasa/20220915-00315174

学校文化はとにかく大切だと思います。

管理型なのか自由なのかも含めてです。

これは家庭側でも転職を考える側でもです。

学校の校風や雰囲気が合わないところで過ごすのはかなりストレスです。通学する生徒側であれば合わずに退学、勤務する側であれば更なる転職へとつながり兼ねません。

学校の文化の豊かさを知るには、著名な卒業生のリストを眺めてみるのがいいのではないでしょうか。その顔ぶれやキャラクター、活躍する分野やその幅広さに共感できるなら、その学校文化はご家庭の教育観に合っている可能性が高いはずです。

https://news.yahoo.co.jp/byline/otatoshimasa/20220915-00315174

筆者はこのように述べていますが、実はこれが難しい。

時代の流れとともに変わってしまっている場合もあります。

校長や理事の交代によって改革(改悪?)されてしまった可能性もあります。

もちろん、かつての校風を維持して伝統として守り続けられている学校もあります。

ただし、こればかりは本当に入ってみないと(入学や内定)わからないのが現状です。

おわりに

今回は教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏の最近の著書(2022年9/14発売)をもとに私学の内部を考察してきました。

実際に複数の学校で勤務してきたからこそ、著者の言うことに当てはまる学校も当てはまらない学校も見てきてしまいました。

だからこそ、一概に言うこともできませんし、学校選びや転職先選びは難しいと思います。

受験生やその保護者の方は、説明会等でよく学校の様子や先生方の様子を見て、家庭でも話し合って判断していただければと思います。

転職を検討している方はこれ以外にも筆記試験や面接などの選考を通して、より近い場面で学校を見る機会もあるはずです。

いずれにしても、自分のアンテナの感度を上げて肌に合うか合わないか見極めてくださいませ。

タイトルとURLをコピーしました