教員経験が逆にあるからこそ、模擬授業で落とされてしまう‥
そういう事例は特にホワイト私学では多いのかもしれません。
今回の記事は模擬授業をしている側も模擬授業を見ている側も良い授業だった‥と感じているにもかかわらず、選考を通過できない(通過させられない)場合について、その理由と対策を考えていきたいと思います。
本記事では一次選考(書類選考)、二次選考(筆記試験)、三次選考(模擬授業&面接)を想定して書いています。
教員経験者だからこそ模擬授業で不採用になる理由
高くないレベルで完成してしまっている(伸びしろが感じられない)
喋る声の大きさ、テンポ、抑揚の付け方、板書のキレイさなど、経験者だからこそソツなくこなせる方は多いです。
ただし、そこ止まりの場合に不採用になる場合が少なくないと感じています。
はっきり言ってしまうと‥
内容がそこまで高くないレベルで自分の授業が完成されてしまっているが故に、年齢も相まってもう伸びしろが無いな‥と判断されて不採用になるパターンです。
まぁ、あの人はここ止まりだよね‥という感じです。非常勤講師ならいいんだけど‥という断られ方をされてしまった方の理由は、もしかしたらこれかもしれません。
逆に新卒だったり、経験が浅かったりする場合、声の大きさやテンポ、板書に多少の難があったとしても、話す内容に深みがあったり、展開がしっかり論理だっている場合には問題にならないことも多いです。
一般的に、授業はやればやるだけ上手くなると言われています。
経験を積んで熟練度が上がり、それとともになくなるような欠点ならダメージは少ないでしょう。上の言い方をすれば伸びしろや期待値を含めて選考通過につながるパターンも往々にしてあります。
(とはいえ学校によって本当に即戦力を求めている場合もあるので一概には言えませんが)
模擬授業後の質問でボロが出てしまう場合
模擬授業では、通常の授業と違って、生徒への発問ややりとりを省略したり、簡素化したりする場合も出てくると思います。
そのため、展開としては一方通行になってしまいがちですし、あえて一方通行の形にすることも出来てしまうと思います。
もちろん、事前に質問役の先生が特定のタイミングで質問をしてくる等の可能性もあります。実際に、日頃その学校で生徒から受けているのと同じ質問を、応募してきた方にするのはよくある光景です。
授業後の質問で「うちの学校の生徒から以前こういう質問を受けたんですけど、先生ならどのように答えますか?」というように尋ねられる場合もあると思います。
話を戻しますが、ここで一方通行型の授業が(直接的に)悪いということが言いたいのではありませんので誤解のないようにしてください。
この一方通行型の授業をする場合にどういうことが問題になってくるかというと、一方通行ゆえに自分の論理展開に自信がない部分を意図的に(短時間で切り上げる等)誤魔化してしまうことが挙げられます。
これは、授業者本人が自覚している(意図的にやっている)場合もあると思いますし、無自覚にやっている場合もあると思います。
特に私立学校の先生方は専門性が高い場合もある(教科書の執筆に携わっている等)ので、違和感を与えてしまうと授業後に質問を受けることは必至です。
そしてその質疑応答の中で、授業者の理解不足が露呈してしまうとやはり選考通過は難しいのではないでしょうか。
特に経験があればあるほど、このダメージは大きくなると思います。
三次選考(模擬授業)を通過するための対策
若手の(経験年数が少ない)場合
もちろん最善なのは、若い(経験が少ない)のに授業がちゃんとできるというパターンです。
言葉の発し方、板書のリズム、目線の動かし方などの基本的な授業のスタイルはできるだけ確立しておきましょう。
あとは応募する学校のレベルに応じてスピード感や論理展開を適応させるイメージです。
ホワイト私学は有名進学校の中でも学力的に上位である場合も多いです。
こういう学校に応募しておきながら、ゆっくり丁寧な授業をやっていても選考通過には至りません。
要点を漏らさずに小気味よいリズムで、内容に深みももたせながら授業をするのが理想です(もちろん言うのは簡単ですがやるのは難しい)。
若手の場合は、授業のスタイルに多少の難があっても、この専門性や内容の深みに光るものがあれば、見てくださっている先生方の目に留まって選考通過に至るかもしれません(あまりにも授業の流れが悪すぎれば通過できないのは当然です)。
経験者の場合
基本的な授業のスタイルが確立していることは当然です。
その上で、経験年数に応じた引き出しの多さ、知識の広さ、深さなども必要になってきます。
2020年7月に、noteで以下のような記事も書いていました。
ブログのトップページにリンクもありますが、以下のマガジン内の記事になります。
話を戻しますが、もし授業後の質疑応答でボロが出てしまったかもしれないと感じたならそれはチャンスです。
このレベルの学校帯では、こういう質問が出るんだな、ということは他の単元だとこのレベルくらいまで質問が出るのかもしれないな、じゃあ、更にここまで復習しておこう‥
というように対策を立てることも可能です。
経験者だからこそ感じとって応用することができることは必ずあるはずです。
基本的な選考の流れと模擬授業の位置づけ
模擬授業(&面接)を通過できれば、最終選考(管理職や理事長面接)になる私学が多いと思いますので、教科指導上の最後のハードルはやはり模擬授業でしょう。
第一次選考は書類選考だと思います。
私学によっては筆記試験がある学校と無い学校がありますが、一定レベル以上の学力偏差値帯の進学校であれば、筆記試験を課されるほうが多いのではないでしょうか。
逆に筆記試験がなくても、やはり模擬授業を課している学校は多いですね。
非常勤講師の採用であれば、書類選考と面接だけの場合もありますが、模擬授業を課す学校も少なくありません。
教科に関連する選考の中では、模擬授業は重視されていると考えていいと思います。
おわりに
今回は私立学校における模擬授業について述べてきました。
実際に自分もたくさん不採用になっていますし、もちろん内定も勝ち取ってきています。
模擬授業をするからこそ見えてくる学校の姿もあります。
転職も経験が多ければ多いほど見えてくる景色も変わりますし、考え方も変わってくるでしょう。
ホワイト私学への転職の成功をお祈りしています!