私学への転職で英語の先生が気にするべきこと

転職活動

英語という教科は他の教科のように、中学高校の教育段階では専門性に大きく左右されることが無い教科です。

文系でも理系でも英語が重要であることに変わりありません。

また、応募時点で「資格」の証明書を求められることが多い教科でもあります。

資格であれば、昔からある英検、日本で普及したTOEIC、かつては申込のハードルが高かったTOEFLに加え、最近ではIELTSというものもあるそうです。
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教科別記事では最後になってしまいましたが、今回は英語の先生が自分の長所を自覚して上手く転職活動に活かすための考察をしていきます。

いくつも列記していきますが、自分の出来る、出来ないを踏まえて組み合わせて考えてみて下さい。

私学の英語教員に求められる資質その1~発音~

そもそも日本人は英語コンプレックスが強め

教員の世界だけでなく、一般の就職活動でも、英語の能力は求められます。

単純に英語ができる、できないもありますが、実際に対人での意思疎通ができるか(要は他人相手に実用できるか)が大切です。

このアウトプットで大切になってくるのがやっぱり発音です。

抑揚文強制、いろいろありますが、個々の単語レベルとか、単語と単語の間のつながりとかのもっと基本的な部分から苦手にしている方が多いと思います。

そもそもあんまり練習する機会もありませんしね。

こういう背景も相まって、日本人の英語コンプレックスって相当強いと思っています。

そのくせ企業からはそれなりの能力も求められるし、できる人が重宝される。

そしてこの発音は聞けばすぐに違いがわかってしまいます。

苦手な人は後述の資格なども併用して採用試験に臨むのがいいかもしれません。

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日々の授業で発音はもちろん大切

英語という教科の特性上、発音がキレイかどうか、流暢かは非常に重要です。

読み書きができればいいという他の教科とは異なり、少なくとも現時点でリスニング能力は入試その他でも求められています。

スピーキングについてはまだ日本では導入は進んでいないものの、評価方法が確立してくると求められるようになるかもしれません。

そして、教員が実際に発音する時間も長いしお手本を聞かせる側なので、発音が上手いか下手かはすぐにバレてしまいます。

そもそもこの記事を書いている転職の鬼は英語できるのかよ!
という声も聞こえてきそうなので少し自分のお話をしておきます。

私自身は幼少期に父親の仕事の関係で、アメリカに3年住んで、現地校(日本人学校ではない)に通っていた(通わされていた)帰国子女だったりします。

TOEICは大学4年時に受けた時は890点とかでした。
※資格の話は後述

現在も自分の学校のALTとは定期的に英語で雑談をするように意識していますが、だんだん喋る力が落ちているのは感じています。

本当に申し訳ないのですが、今までお会いした日本の先生の中で、キレイな発音で英語を喋ることができるなと思ったのは各学校に1人いるかいないかというレベルだと感じています。

英語は流暢(喋りたいことが明確で単語はちゃんと出てくる)なのに、発音があんまり上手ではない方は一定数いらっしゃると思います。

前の学校の英語主任の先生も、自分の授業の前に職員室で教材のCDのディクテーションを必ずやっていました。(あまりにも一生懸命だったのと、毎日のことだったのでよく記憶に残っています。)

このように努力している方でも、生徒からは「発音が下手」といわれてしまっていました。

特に男子生徒相手では、指導力の高い低い(この場合は発音が上手いか下手か)が生徒との信頼関係に直結する側面もあります。

部活で上手い生徒の発言力が大きい、とか自然界でも強いオスが生き残れるみたいな強い者に従う傾向とでも言えばいいでしょうか。

逆に発音はわかりやすいので、そこをとっかかりにして生徒の信頼を勝ち取って授業を構築していた先生も過去に見てきました。

定期テストや入試問題作成で独自リスニング問題を作成できる

発音がキレイで流暢であれば、定期テストのリスニング問題などで独自の問題を作ることも可能だと思います。

ありがちなのは、男性教員が女性のALTと組んで、とか女性教員が男性のALTと組んで作成するパターンでしょうか。

録音して、CDに焼いて、デッキを持っていってもらったり、放送室から流したりしていますね。

もちろん、世の中にあるリスニング問題で自分が指導している生徒のレベルに合っているものを見つけてくればそれはそれで構わないと思います。

キレイな発音のものを探してくるのも教員側の授業デザイン力だと思います。

自作できるメリットは難易度設定だけでなく、1回だけ読み上げるのか2回繰り返すのかとか、スクリプトを読み上げるスピードを調整することができる、と多岐に渡ります。

また、私学教員であれば入試問題の作成に携わることもあるでしょう。

英語の入学試験があるのは高校入試だと思いますが、機密性保持のためにも学校独自で作成すると思います(外注している学校は除く)。

リスニングを課す学校ならば、これも自分たちで作成しなければいけないのです。

こういう場面で、読みてとして白羽の矢がたつかもしれませんね。

私学の英語教員に求められる資質その2~文法力~

まだまだ細かい文法にうるさい日本の英語教育

よく言われる話ですが、日本の英語教育は文法をしっかり教え込みます

文法は確かに大切ですし、英文を読んだり聞いたりインプットする際には必要になります。

日本の大学入試では、基本的にはこの読む作業が多いです。

そこで圧倒的な文法の知識力で瞬時に違いを説明できる能力は非常に重要です。

とにかく、細かい違いが多いですよね。

高校英語のレベルになってくると、カンマ(,)1つのある無しだけでも意味が変わってきてしまったりしますよね(関係代名詞の非制限用法とか…でもこれはまだわかりやすいか)。

学年が進んでいくと、読み物教材でも文法問題でも様々な文法が組み合わさってきます。

これをこんがらがることなく生徒にわかりやすい例を挙げながら違いを説明できるか。

もう一度ご自身の英語力を振り返ってみてください。

授業担当の人事面でも実力が見えてしまう

どうしても進学実績というわかりやすい指標があるので、高校3年生の授業から優先的に授業担当者を決めることが多いと思います。

特に中堅校はこの傾向が強いのではないでしょうか。

そうなると、やはりしっかり指導できそうな方から高校3年生に割り振られることが多いです。

かつて私が勤務した中堅校はモロにこれでしたし、名門進学校でもこういう傾向は少なからずあります。

当時、すごいなと思っていた先生は毎年のように高校3年生の授業を飛び入りで担当していました。

教科の中でも、「高校3年生はこの先生」というように信頼を勝ち取っていました。

採用選考の時点で、この力をアピールすることができるのは模擬授業でしょうか。

私学の英語教員に求められる資質その3~英作文能力~

上記、インプット系能力(リーディングとかリスニングとか)ではないところで能力を発揮される方もいらっしゃいますね。

それがこの英作文です。

和文英訳のパターンもありますし、自由英作もありますね。

いずれにしても、「間違っていない文法」という大前提を外さずに、わかりやすく伝える能力をどのように生徒に身につけさせるか、これを日々の授業の中でどう習慣づけるかが求められます。

毎回ゴリゴリの正しい英文で固めた難しい表現ばかり書いていてもなかなか苦しいです。

こういう表現もある、こういう書き方もある、こういう方向に意訳して逃げることもできそうだね(あまり推奨されないかもしれませんが)、というように引き出しの多さを持ち合わせているでしょうか。

大学入試という観点では、大学ごとに長文の形式も長さも異なるので、個別対応をすることもあるでしょう。

その場合に、添削課題を作って採点したり、逆に生徒が持ち込んできたものに対応したりと、やることは多いです。

これをどこまで対応できるのか。

傍から見ていても、効率よくこなす人、瞬時に代案や別解を提示できる方もいます。

そういう先生のところにはやっぱり長蛇の列ができがちです。

私学の英語教員に求められる資質その4~中学英語指導力~

これまでは、大学入試や、高校英語というところに焦点をあてて述べてきましたが、その土台となるのはやはり中学英語です。

基本的な文構造の習得から始まり、進行形などの語尾変化とその使い方、意味などを構造的にわかりやすく、定着させる必要があります。

ただ何度も書きながら覚えさせるというのもありますが、これ以外にどのように工夫して定着させるのか、その能力は重宝されます。

近年では、小学校から英語教育も始まっていますし、ご家庭によっては英語を重視しているため、アルファベットを書くだけでなく、簡単な会話くらいはこなせる生徒が入学してくることも増えてきました。

その一方で、ほとんど英語については何もやっていないというご家庭もありますので、入学直後の段階でかなりの差ができてしまっています

これは私学に限った話ではなく、私が10年近く前に勤めていた公立中学校でも同じような問題に直面していました。

できる生徒を飽きさせず、でもできない生徒の基本もしっかり固めつつ、そして中高一貫校ならばどれだけスピード感をもって定着させていけるのか。

結局は授業デザイン力と言われてしまうのかもしれませんが、まだまだ中学生になったばかりだと中学校の勉強スタイルも確立できていない子も多いです。

そのあたり、生活面なども踏まえながら、辛抱強く指導できるか、人柄も含めて関係してくるかもしれません。

英語教員の採用選考時に提出を求められる資格

上記のような指導力に不安があっても、とりあえず採用選考で有利にはたらくこともあるのが資格証明書です。

書類選考の段階で落とされないようにするためにも、やはり資格は取得しておいたほうが無難だと思います。

日本特有の英検(実用英語技能検定)はまだ使える

日本英語検定協会トップページ

今年みかけた求人情報では、英検○級以上という資格の指定をみかけた学校がいくつかありました。

英語教員でなくても求められている場合もありました。

学校全体で英語教育とか国際教育をウリにしている学校で、英語以外の教員にも英検2級程度の能力が欲しい、という趣旨のことをさりげなく書いてあった学校がありました。

英検は2級と準1級の間に、少し難易度のハードルがあるような気がします。

上位校(聖光学院など)では英検1級、中堅上位校では準1級以上の指定が多かったと思います。

英語教員の募集で英検2級以上という指定は、見かけなくはないものの、高校卒業程度でしかありませんからね。

何よりも、英検のいいところは、永久証明というところ。

TOEICなんかは2年間しか有効期限がなかったですよね。

日本企業で流行ったTOEICは中堅上位まで

TOEIC公式ページ

どちらかというと、まだまだ日本国内で手軽に受験できるのはこちらのTOEICではないでしょうか。

申し込みのしやすさ、結果が到着するまでの早さなど、どうしても使いやすいのはこちらでしょう。

ただ、世界的にはTOEICの認知度は低くTOEFLのほうが認知されています

調べているとTOEFLはアメリカなどへの留学の指標として使われることも多いようですね。

日本の英語教員の採用という観点では、今年度フェリス女学院がTOEIC880点以上というハードルを設定していました(下記TOEFLは85点以上)

上位校はアメリカ留学に強いTOEFLが多いか

TOEFL公式ページ(受験者向けページ)

かつては日本円での支払いができなかったなどでなかなか定着しなかったTOEFLテスト。

しかし、為替レートによって金額が変動するというようなことがあるものの、日本円での支払いもクレジットカードやPaypalなどで可能になり、少しずつ一般に普及してきたここ10年間だと感じます。

そして、上位校ではTOEICではなくてTOEFLの点数を求められる場合が多いように思います。

上記聖光学院でもTOEFLで120点中100点というようなスコアを求めていました

フェリス女学院では85点以上という指定でした(上述TOEICは880点以上)

ヨーロッパ系の留学に強いIELTSという資格試験

IELTS公式ページ

私自身が今年初めて知ったのがこのIELTSという資格。

International English Language Testing Systemの頭文字をとってIELTSとなっています。

運営(?)しているのは公益財団法人日本英語検定協会ということで、英検と同じか!と思ってしまうわけなんですけれども。

調べていると、どうやら留学の際に求められることも多いようで、IELTSはヨーロッパ方面で強そう(アメリカやカナダに弱いというわけでもなさそう)。

いずれにしても、いくつかの学校でこのIELTSの認定でもいいから証明書を課すという学校を見かけました。

聖光学院であれば、このIELTSで7.0以上を求めていたと思います。

なお、このIELTS対策をウリにしているところもありました。

IELTS 対策 バークレーハウス

企業ホームページの作り込み方も、講師の実績やプロフィールもなかなかよさそうです。

聖光学院が求めているIELTS7.0を達成している受講者もいるようですね。

時間に余裕を作って、体験レッスンを受けてこようと思います。

その体験レポートも書きたいと思います!

おわりに

いかがでしたでしょうか。

今回は転職活動シリーズの5番目ということで、英語について考察しました。

第2言語ということで、5教科の中でもまた違った立ち位置になります。

求められる能力も他と違うことも多いです。

資格証明書を求められることも多いです。

自分が私学へ採用されるために、自分の特徴を知り、長所をアピールできるようにしていきたいものです。

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