本日ご紹介する記事はこちら。
ワンアンドオンリーの美大付属女子校は「秘密の花園」だった(9/1)
https://diamond.jp/articles/-/280662
「女子美付属」の志願者数が年々増えていった理由(9/8)
https://diamond.jp/articles/-/281213
実はいろいろ見て回っているうちに気にはなっていたのです。
5月時点で、ちょっと面白そうな学校だと思っていて、知人と話している中でも話題にしたのを個人的に覚えています(後述)。
聞き手は森上教育研究所の森上展安氏。
2021年9月1日付けの記事『 ワンアンドオンリーの美大付属女子校は「秘密の花園」だった 』より
現職の校長である石川康子氏は、女子美術大学芸術学部洋画科専攻を卒業後、民間企業に就職。
絵画教室や建築事務所で勤務していたそうです。
その後、神奈川県の公立校で美術の教員として勤務。
教頭、副校長、校長と昇進して退職。
全国高等学校美術・工芸教育研究会の役職も務め、神奈川県教科研究会美術工芸部会の会長も務めた。
記事によると、トイレアートを行ったことが実績として認められ、2014年に女子美術大学の特別招聘教授に。
そして2017年からは現職の女子美術大学付属高等学校・中学校で校長先生になっています。
第1回目の記事を総括すると、この石川康子氏の経歴に焦点が当てられています。
校長就任にあたり、大学法人から与えられたミッションは、内部進学率を60%後半から70%台維持というものだったようです。
さて、ここから先は、私立学校で勤務する側の視点で考えてみたいと思います。
まず経営面について考えなければいけないのですが、この学校は大学付属校です。
そのため、ボスは大学法人ということになります。
そういう観点での内部進学率の維持が至上命題だったのかもしれません。
しかし、ただ内部進学すればいいというわけでもないと思います。
そもそも志願者の数だったり質だったり、入口側にも問題はなかったか。
単純な学力偏差値が美術の実技に関係するのかという問題はありますが、個人的にはなくはないと思っています。
細かい指示を理解できたりとか、生活していく上で影響はゼロではないと思います。
2021年9月8日付けの記事『 「女子美付属」の志願者数が年々増えていった理由』より
第1回の内容を踏まえた上での第2回記事。
やはり冒頭に「偏差値も下がり志願者も減っていたこの伝統付属校を、再び名実共に人気校に復活させるには何をしたらいいのか」という文があります。
こちらの記事では具体的にどのように内部改革を行ったのかが書かれています。
内容を抜粋すると、分掌の選択と集中やICT化など様々な改革に取り組んでいるようです。
内部から盛んに意見が出てきて、それを実現するべく石川康子校長が動いているというのがうまく噛み合っているような気がします。
人とお金をとってくるのが私の仕事という表現もあり、管理職の能力としてずば抜けて優れているのではないかと感じました。
傍から見てもブラックな職場だったものが、内部の人間が自発的にホワイトと認識できるまでにという趣旨の記事です。
専任教員の数も16人増やし、労働時間の管理や改革も行い、産休育休の教員が7人いても乗り切れたというのはすごいの一言です。
そもそも面白そうな学校だと思った理由
私の過去記事に以下のようなものがありました。
去年の6月頃はまだ、ブログ形式で採用情報を更新していて、一言コメントもつけていました。
この記事を見ると、応募書類が個性的なんですよね。
美術はポートフォリオ形式で自己PRを行うとか、英語は課題を動画で提出とか。
また、学校の口コミも意外によいなど、思っていた以上に個性を打ち出していました。
学校のホームページを見ても、情報発信が自信をもって行われている印象も受けます。
あとは、当たり前なんですけれど作品がすごい。
これはやはり美大の付属校だからなんでしょうけれども、トップページのメニューにも「ギャラリー」を作ることができてしまうほど。
そして、どの作品もクオリティが高い。
デジタルパンフレットも気合いが入っています。
途中、少し文字数が多すぎるかと感じる箇所もありましたが。
おわりに
私立学校は所詮中小企業というのはよく言っていますが、今回は女子美術大学付属高等学校・中学校だからこそできた内容もあったと思います。
多くの学校が地道な広報活動や合格実績を筆頭にしているのに対して、地道に足元から教育の内容を改善していこうという内容でした。
記事にもありましたが、教育内容がよくなければ人はついてこない。
いろいろ考えさせられてしまう記事でした。