元記事はこちら(讀賣新聞オンラインへのリンク)
https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20231220-OYT1T50087/
昨今、高大連携が盛んになってきている印象です。直近でも11月に以下のような記事を取り上げています。
ここでは、特に女子校にスポットをあてていました。
一方で、以下のように付属校化する事例も取り上げています。
今回の記事は、どちらかというと後者のほうに近いでしょう。
ということで、順天中学校・高等学校と北里大学の関係に注目していきます。
記事の概要
「北里大学などを運営する学校法人北里研究所と、順天中学校・高等学校を運営する学校法人順天学園が、2026年に合併に向けて基本合意書を締結した」というのが主たる話題になります。
コメントとしては、「中高大一貫教育によって、優れた人材を育成、排出していく」というものがあります。
2026年の合併後の話になりますが、順天中学校・高等学校から北里大学に内部進学も可能になっていく予定とのことです。
分析
北里大学・北里研究所とは
北里大学といえば、医学部はもちろんのこと、獣医学部や薬学部などもあり、一目置かれる大学であることは間違いありません。
設置されている学部学科は、どれも理系寄りのものですし、大学病院ももっている有名校でしょう。
その北里大学(北里研究所)は、今まで中学校や高等学校などを設置していませんでした。
今回、順天中学校・高等学校が初めて付属校という位置づけになる(位置づけにする)ようです。
これはどちらにとって、益が多いのでしょうか‥というのは少し考えさせられてしまいます。
もちろん、基本的にはお互いがwin-winであるからこそ、合併に至るのでしょう。
北里大学側としても優秀な学生を確保したいという思惑は少なからずあるのだと思います。
順天中学校・高等学校とは
どのレベルの学校なのでしょうか。
かつては東京大学にも合格者を数名出したことがある(2021年に2名、2018年にも2名)ようです。
他の旧帝大では、東北大、名古屋大、九州大なども数年に1回は合格者がいるようです。
筑波大、千葉大、埼玉大くらいになると、比較的連続して合格者を出し、時には複数の合格者を出すこともあるようです。
これくらい見ると、学校のレベルや生徒のレベルが想像できる人は少なくないと思います。
次第に目を移すと、早稲田大学に22人合格して8名進学、慶應義塾大学には9人合格して7人進学というような状況です。
かなり頑張っている、中の上から上位を目指そうとしている学校の1つのような気がします。
個人的な見解
今回の合併の基本合意は、ある意味では納得させられます。
順天中学校・高等学校の卒業生が合格している大学の名前を見ると、全国的にも(最)難関大学に合格者を出しています。
一定以上の教育水準を担保している学校、というようにも受け取ることも出来なくはなさそうです。
そういう学校と、今まで付属校をもっていなかった北里という大学の(いわば)囲い込み政策とも読み取れる合併。
双方にとって悪くない、現実的な落とし所のような気もします。
双方、もっとレベル帯として上の学校と締結したいという思惑もあったのかもしれませんし、なかったかもしれません。
それぞれの学校の方針や風土的なのもが噛み合ったからこその合併なのかもしれません。
いずれにしても、レベル感として悪くない(というかむしろ納得の)合併なのではないかとも思います。
ただ、内部進学の枠については、これから議論していくというのは注意深く見守っていく必要があります。
もちろん、北里大学は理系の大学ですから、経済や法律を学びたいという生徒には付属校しての価値は見いだせない合併になってしまうでしょう。
おわりに
今回の記事は、ある意味では珍しい組み合わせの合併の話を取り上げました。
そうはいっても、実際に行われるのは2026年とまだ少し先のお話。
受験を考える保護者や受験生としては、少し振り回されることになってしまうかもしれませんね。