市進学院の主要私立中学入試状況速報が出揃ってきています。
今年の応募者数だけでなく、前年との比較もしてくれていますし、実際の受験者数と合格者数(あわせて実質倍率まで)も掲載してくれています。
増減を赤と青の文字で色分けしてくれているので、一目で人気だったのか不人気だったのかの動向を確認することができてしまいます。
更新状況もだいぶ落ち着いてきたので、各県の状況を追いかけていきたいと思います。
最終弾は東京都です。なお、第一弾の埼玉県はこちらから。第二弾の千葉県はこちらから。第三弾の神奈川県はこちらから。
男子校
応募者が増加傾向にあるのは学習院、攻玉社、佼成学園、駒場東邦、巣鴨、成城、高輪、獨協、早稲田あたりでしょうか。これらの学校群は、全日程・全入試方式で出願数が増加しているか、1つの入試方式で微減しているものの他の入試形態を含めても増加傾向と言えそうなレベルです。
応募者が総じて微増なのは本郷、明大中野、桐朋あたりでしょうか。増減の数値そのものもそこまで大きくはないのですが、あえて分類すると増加と言えそうです。
応募者が総じて現状維持なのは芝でしょうか。日程によって増減がありますが、2/1が増加しているのは学校側にとっては好材料かもしれませんね。
応募者が総じて微減なのは暁星でしょうか。それでも大勢に影響はなさそうです。
応募者が減少傾向にあるのは麻布、海城、開成、城北、世田谷学園、東京都市大学付属、日本学園、日大豊山、武蔵、立教池袋、早稲田大学高等学院でしょうか。御三家を含むトップ校の減少の様子と、それ以外の学校の減少の様子は状況は違いそうですが‥
女子校
応募者が増加傾向にあるのは跡見学園、江戸川女子、大妻、大妻中野、学習院女子、共立女子、頌栄女子、女子美術大学付属、東京女学館、東洋英和、普連土、三輪田あたりでしょうか。これらの学校群は、全日程・全入試方式で出願数が増加しているか、1つの入試方式で微減しているものの他の入試形態を含めても増加傾向と言えそうなレベルです。
応募者が総じて微増なのは女子学院でしょうか。増減の数値そのものもそこまで大きくはないのですが、あえて分類すると増加と言えそうです。
応募者が総じて微減なのは桜蔭、吉祥女子、白百合学園、富士見、雙葉でしょうか。トップ校や名門校は想定の範囲内なのかもしれません。
応募者が減少傾向にあるのは鷗友、恵泉、晃華学園、香蘭、品川女子、昭和女子大学附属、田園調布、豊島岡女子、山脇、立教女学院でしょうか。
女子校を通してみると、御三家校や新御三家校は全体的に減少傾向がありそうです。逆に志願者が増加傾向にあったのは、中堅校だったのかもしれません。女子校の復権の波をこのところ感じていますが、この波に乗り切れていないように見える学校は、今後も注視していきたいと思っています。
共学校
応募者が増加傾向にあるのは開智日本橋、サレジアン国際世田谷(旧:目黒星美学園)、芝浦工業大学附、東京農業大学第一、明治大学付属明治、早稲田実業あたりでしょうか。
・開智日本橋は開智所沢の開校も含め勢いの流れを感じます。
・サレジアン国際世田谷は男女別の志願者の内訳は公開されていませんが、全日程で安定した伸びを見せています。
・芝浦工業大学附、東京農業大学第一、明治大学付属明治は男女とも全日程で増加しています。
・早稲田実業は安定した伸びを見せています。
応募者が総じて微増なのは桜美林、慶應中等部、駒込、淑徳巣鴨、順天、東京電機大学中、東京都市大学等々力、八王子学園八王子、明治大学付属八王子、安田学園でしょうか。
・桜美林は、日程によって増加減少の差が大きめです。
・慶應中等部は増加の数値もそんなに大きい訳でもありませんが、分類するなら増加というところです。
・駒込は前半の定員が大きめの2/1で男女とも伸ばしています。
・淑徳巣鴨は上位コースでは男子生徒が増加傾向にありますが、女子は6入試中5形態で減少しています。
・順天はやはり2/1日程で大きめの伸びを見せられたことは好材料な気がします。
・東京電機大学中、東京都市大学等々力は男子は全日程で増加しています。
・八王子学園八王子は全日程で女子の志願者数は増加しています。
・明治大学付属八王子は2/1で男女とも増加しています。それ以外は男女の増減はバラバラです。
・安田学園は前半の日程で男女とも大きく躍進し、後半の女子の減少幅も小さめです。
応募者が総じて現状維持なのは穎明館、法政大学中、でしょうか。
・穎明館は全4回とも男子が減少し、女子が増加しています。
・法政大学中は2/1は増加、2/3・2/5は微減です。男女別の志願者数の公表はされていません。
応募者が総じて微減なのは国学院久我山、帝京大学中、東洋大学京北中、日大一、広尾学園、広尾学園小石川、明治学院、でしょうか。
・国学院久我山は5つの入試全てで男子が減少し、女子は4回で増加しています。
・帝京大学中は2/1や2/2で比較的志願者を伸ばせているのは好材料でしょうか。
・東洋大学京北中は2/1や2/2で志願者数を落としていますが、2/4のみ増加しています。
・日大一は4日程中3日程で女子は伸びています。男子は4日程中3日程で減少しています。
・広尾学園は7形態、広尾学園小石川は9形態入試がありますが、概ね減少している印象です(労働問題の報道の影響は気になります)。いずれもインターAGは男女とも増加しています。
・明治学院は3日の全日程で男子が増加し女子が減少しています。
応募者が減少傾向にあるのは渋谷教育学園渋谷、淑徳、成蹊、成城学園、青稜、中央大学附、ドルトン東京学園、日大二、日大三、三田国際、目黒日本大学でしょうか。
・渋谷教育学園渋谷は2/1の男子は増加しています。
・淑徳も2/1は増加していますが、定員は2/1PMや2/2のほうが大きいので安易な比較はできません。
・成蹊、成城学園、青稜、日大二、目黒日本大学は全日程、全ての入試形態で男女とも減少しています。
・中央大学附は2/1の女子のみ増加しています。
・ドルトン東京学園は男女別の志願者数は公開されておらず、2/2の思考表現型入試を除き減少しています。
・日大三は2/2の女子のみ1名増加しているのみで実質的にはほぼ全減と見ていいかもしれません。
・三田国際は2/1AMで男子を中心に大幅増ですが、2/1PMは大幅減です。他の日程(2/2・2/3・2/4)がいずれも午後入試というのも気になる要素です。
応募者が激減したのは芝国際です。昨年の入試における大炎上を考えるとやむを得ない気もしますが、減少幅が-80%に及ぶなど、学校運営上あまりよくない気がしてしまうレベルではないでしょうか。
分析
今年度は中学受験者数が減少に転じたという報道もありました。
今後は御三家校などの上位校でも少しずつ志願者が減っていくのかもしれません。ぎゃくにこの状況を加味すると、微減は当たり前と言えるのかもしれません。ここをベースラインに考えていく見方のほうがいいのかもしれません。
共学校は、男女とも増加していたり減少していたりする学校もありますが、男子の人気が伸びた学校、女子の人気が伸びた学校もあります。受験生や保護者にとって何が魅力的に見えたのか、分析も深めていきたいところです。
また、入試の回数や入試の日程によっても状況は変わってくるため、本当に様々な要因が絡んできます。難易度、日程、人気など多要素を冷静に組み合わせて比較することは必須です。入試日程の前半で志願者数を伸ばせた学校は願ったり叶ったりではないでしょうか。