入試で見る橘学苑中学校・高等学校
今までの学校紹介の記事でも偏差値や入試制度について書いてきました。
前ページでも述べましたが、生徒募集は経営状況に直結します。
私自身が過去に勤務していた学校では、生徒募集に成功しすぎて(生徒が集まりすぎて)県からの補助金が減額されるというような学校もありました。
このページでは橘学苑の入試に焦点をあてていきます。
偏差値
偏差値だけが全てではありません。
しかし数字からある程度の傾向はつかめるため、無視できる指標でもありません。

中学偏差値は30というレベルです。
かなり低いです。
口コミを確認しても、特に塾通いなどの対策をしなくても合格できたというものもありました。
高校偏差値は以下の通り。
普通科文理コース特別進学クラス 52
普通科国際コース 50
普通科デザイン美術コース 44
普通科文理コース総合進学クラス 42
特別進学クラスでようやく標準レベルの偏差値50帯という学校です。
進学実績を出して生徒募集につなげるまでに、かなり時間がかかりそうです。
先生方の指導力も試されるのではないでしょうか。
世の中には「入学時の偏差値に比べると大学合格実績がいい学校」もあれば「入学時の偏差値が高いのに大学合格実績につながっていない学校」もあります。
人気が出るのは当然前者です。
そして、人気が出れば倍率も高くなり、入学してくる生徒のレベルも高くなるので更に上位の大学の実績が増えるという好循環につながります。
橘学苑の場合は、大学合格実績の更新が平成29年度で止まっています。
実態が気になりますね。
入試制度
入学試験の難易度や偏差値も大切ですが、入試制度も重要です。
記号選択ばかりなのか、記述があるのか、特別な対策は必要なのか。
受験に必要な科目は多いのか少ないのか。

簡単だから受けてくれるわけではありませんし、他の学校と日程が重なる場合もあります。
名門校であれば2~3回の入試で適正な倍率と適正合格者数を確保できるのですが、生徒募集に苦労している学校は4回以上の入試を行っている学校もあります。
科目数も、名門校は多い(中学入試で4科目、高校入試で5科目)ですが、それ以外の学校は生徒の負担を減らすために少ない(中学入試で国算2科目高校入試で英数国3科目)傾向もあります。
橘学苑中学校と高等学校の入学試験を分析してみましょう。
橘学苑中学校の入試
橘学苑中学校の入学試験(2019年度)の回数はなんと7回!
受験期のピークである2月1日と2日に午前午後、1日開けて4日の午後、その後にも時間を開けて7日(金)午後と22日(土)午前に入試を行ったようです。
少しでも多くの受験生を確保するために、金曜日の午後とか、2週間あけた週末にも入試日程を入れています。
これはものすごく多いです。
7回も入学試験をやる学校で働いたことは、私は今までありません。
入学試験の科目は以下の通りです。
※国語と算数はそれぞれ50分の試験です
第1回(2月1日午前) 国語・算数・英語インタビュー(10分)
第2回(2月2日午後) 国語・算数・英語インタビュー(10分)
第3回(2月2日午前) 国語・算数・英語インタビュー(10分)
第4回(2月2日午後) 作文(50分)とプレゼンテーション(10分)
第5回(2月4日午後) 国語・算数と社会・理科(50分)または英語(30分)
第6回(2月7日午後) 国語・算数と社会・理科(50分)または英語(30分)
第7回(2月22日午前) 国語・算数
これだけやって募集するのは男女80名なんです。
入試問題は学校の先生が作り、採点する場合がほとんどです(中には外注する学校もありますが)。
これだけの数の入試問題を作成し、採点するのは相当な労力がかかるため、(自校作成だとすると)先生方の負担はかなり大きいでしょう。
作文とプレゼンテーションなどの面白い入試制度もあります。
しかしこれだけのバリエーションで入学試験をやらないと、生徒が集まらないということなのかもしれません。
大切なことなのでもう1度言います。
生徒を集められるかどうかが経営状況に直結します!
橘学苑高等学校の入試制度
入試制度としてあるのは推薦入試、一般入試(専願)、一般入試(併願)、一般入試(オープンA)、一般入試(オープンB)というもの。
順に2020年に実施された入学試験を確認していきましょう。
推薦入試(1月22日) 面接のみ ※デザイン美術コースのみ課題提出あり
一般入試(2月10日) 専願・併願ともにこの日程で国語・数学・英語を実施。
※国際コースはリスニングとインタビューあり
※デザイン美術コースはデッサンあり
一般入試(2月12日) オープンA 試験科目は専願・併願と同じだが面接あり
一般入試(2月22日) オープンB 試験科目は専願・併願と同じだが面接あり
入試の回数はやっぱり多め。
推薦入試で102名、一般入試で103名を募集している。
高校入学者の半分を推薦入試で募集しているのも気になります。
入学試験は3科目とはいえ、回数が多ければ問題作成の負担が増えるのは中学と同じ。
理科と社会の試験はありませんが、理科と社会の先生は何をしているのかというと、英数国の先生方が採点している裏で面接試験を実施していると考えられます。
面接試験を課している学校は、実際にそうやっている学校が多いです。
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