休日について
私学で完全週休二日制は幻想なのか
一般企業の就職活動の中でよく話題になるものとして、「週休二日制なのか完全週休二日制なのか」という議論がありますね。
前者は必ずしも月に8日休めるわけではないわけです。
この観点で学校現場を見ていくと、多くの私立学校が土曜授業を行っています。
もちろん、土曜授業を行っていない学校もあります。
土曜授業がなければ、完全週休二日制もあり得るでしょう。
しかし教員側の授業が無いだけで、土曜日に予備校の出前授業を行っている私学もあります。
その場合、朝と帰りのホームルーム要員として、専任教諭が勤務することもあります。
私が勤務したことのある学校では、この土曜日の予備校の出前授業の時だけ隣のクラスと分担して半数の教員が勤務するという形態をとっていました。
ホームルームだけを、1人で2クラス分、交代交代で見るというものです。
単純に計算して、月に6回の休みになりますね。
毎週日曜日の4回と、土曜日隔週の2回で6回です。
もちろん世間では月6日の休みで動いている方も大勢いらっしゃいます。
教員は多忙ですが、必ずしも休みが少ないとは言えないかもしれません。
また、私学であれば休日に学校説明会などを開催する場合もあります。
近隣の学校との合同説明会などに出展する場合もあるでしょう。
こういった場合に、休日がなくなっていく(休日出勤・休日出張)こともあります。
研究日という制度
繰り返しになりますが、多くの私立学校が土曜授業を行っています。
そのため、教員が日曜日以外の時間を確保できるようにするために、分担しながら平日に勤務しなくてもよい制度として「研究日」の制度を設けている学校がたくさんあります。
一般的には「自宅でしっかり研究している」ということで、あくまで業務をしている前提だったと記憶しています。
学校以外では病院勤務の医師にも研究日の制度はあるみたいですね(自宅で論文を書いたり、調べ物をしたりすることもあるようです)。
学校の先生も研究日を利用して平日に調査ものをしたり、中には日帰りで化石を掘りにいく理科の先生もいらっしゃったりします。
この研究日なんですが、学校によって様々です。
会議などをするために全員がある特定の曜日(例えば月曜日とか水曜日)は勤務することになっていて、その曜日以外のどこかの曜日を1日みんなで分担しながら研究日にする、というタイプの学校もあります。
また、学校によっては半日研究日を2日間設定して、1日分に充当させるというところもあります。
今年みた求人票では大妻と共立(どちらも東京都)がこのような設定をしていた記憶があります。
共通しているのはどちらも女子校ということですね。
生徒の側からすれば、時間が限られているとしても先生が学校にいるのはありがたいですね。
教員の側からすれば、通勤時間が生じてしまうので、半日研究日2日間というのはあまり休んだ気になれません。
私は平日1日研究日も経験したこともありますし、半日研究日2日間も経験したことがあります。
学校の体質にも依るかもしれませんが、半日研究日を2日間というのは、あまり意味がないと思っています(あくまで個人の感想です)。
研究のために遠出しようと思っても遠くまで行くことも出来ず、集中して作業をしようと思っても、一度は仕事モードに頭が切り替わってしまっているので気持ちと身体をうまく整理できないと仕事が頭から離れなくなります。
頭の中で仕事がOffにできる日を、1週間の中で1日しか作れないのか、2日作れるのかはメンタル面への影響が大きいように感じます。
(もちろん場所が自宅なだけで研究をするのだとしてもです)
ただこれも人によって考え方は様々で、半日研究日2日のほうが通院しやすいとか、アフター5を充実させやすいという方もいらっしゃると思います。
各自のライフスタイルに合った勤務体系で働けるといいですよね!
フレックス制という文字を見た
今後どこまでこの潮流が増えるのかはわかりません。
オンライン授業導入の流れもあったからかもしれません。
大学附属校だからうまく回すノウハウがあったのかもしれません。
今年度の、法政大学第二中・高等学校(神奈川県)の求人票でフレックス制を導入しているという記載がありました。
もちろん、コアタイム等はあるのでしょう。
具体的にどの程度勤務に融通が利くのかは全くわかりませんが、夢のある表現ですよね。
働き方改革が叫ばれる昨今、先生たちの負担も少なくなり、余裕ももてるようになって、教育の質が上がることは必要だと感じています。
学校独自の取り組みはないか
web説明会に参加必須または参加で優遇
今年多かったのが採用説明会をwebで開催するという学校。
求人票にweb説明会を行う旨の記載があって、応募するためにはこのweb説明会への参加を(可能な限り)必須としている学校もありました。
今までは実際に学校に来てもらって、学校見学をしながら説明会をしていた学校もあったと思います。
しかし、オンライン授業の議論なども進む中で、学校説明会もオンラインで開催できるという方法を模索し継続する学校も今後増えてくると思います。
2020年は大変な年でしたが、このような新しい動きも見られるようになってきました。
応募する側も情報を収集しやすくなるのはいいことですね。
大学附属校はwebフォームでの応募も
今年見てきて感じたのは、主に大学附属校で専用のwebフォームを設置しているところが少なくないということです。
東洋大学京北中学高等学校(東京都)の応募もそうでしたが、氏名その他の本人情報をwebページから入力して送信することにより、応募の意思表示をするというものをいくつか見かけました。
要求される情報量は学校によって様々ですが、そもそもこのwebフォームでの応募を行っている学校は大学附属校に多かったです。
やはり自前でシステムを構築している側面があるからでしょうか。
手書きの履歴書ももちろんいいですが、このあたりのハードルが低くなると応募する側も実は助かりますよね。
その他で気になる表現はないか
いろんな学校の求人票を見比べていると、独特だな、と感じることも結構ありますね。
わざわざ求人票にこんなことを書くのか、ということもあります。
このあたりはnoteでも記事になっていますし、今後ブログでも随時発信していきたいと思います。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
一口に求人票といっても、見るべき観点はたくさんあります。
自分の働きやすい職場を手に入れるためにも、求人票を分析する力も必要です。
もちろん、実際に採用されるだけの実力と時の運も重なってきます。
より多くの先生が理想とする環境を手に入れ、力を思う存分発揮できることを祈っております。
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