【埼玉】大宮開成中学・高等学校を外部情報から徹底分析

埼玉県

学校を個々に分析する第6回は埼玉県さいたま市にある共学校の大宮開成中学・高等学校です。

今までに以下の学校の記事を書いてきました。

第1部は学校の概要について、各方面から集めてきた情報をまとめつつ分析していきます。学校行事も関連させて自分自身が採用された場合にどういうことに注意しなければいけないか(もちろん実際に採用されてみなければわからないことも多いですが)考察していきます。

第2部では学校の学力レベルから考えていきます。入り口や出口の部分に関連する入試はもちろんのこと、カリキュラムの特色、単位数の設定から教員側にどの程度の知識レベルと指導力が要求されるのか考察していきます。

第3部では学校ホームページから読み取れる情報口コミサイトの情報で気になる点をまとめていきます。担任として働く場合に気になることも考察していきます。

第4部では過去の採用情報から遡って、採用情報の傾向や日程の傾向、選考内容についてまとめていきます。

大宮開成中学・高等学校の学校概要

学校法人開成学園

この名称だけ聞くと、都内の最高峰である開成中学校・高等学校を連想する方もいらっしゃると思います。

法人の名称そのものは、都内の開成中学校・高等学校も全く同じ「学校法人開成学園」になっていますが、埼玉県にある大宮開成中学・高等学校の学校法人開成学園とは別法人となっており、一切関連はありません。

wikipediaでも曖昧さ回避のためのページが存在しています。

他に開成の名前がつく学校は、それぞれ「郡山開成学園」「つくば開成学園」「逗子開成学園」というようにわざわざ別名になっていますが、大宮開成中学・高等学校の場合は同じ名称になっています。

理事長は松﨑一洋氏。

ちなみに、教員採用.jpのページには、理事長名が松崎洋右氏となっている。

調べてみると、松崎洋右氏が先代の理事長のようだ。

Google検索をしてみるとこの松崎洋右氏、肩書として埼玉県私立中学高等学校協会の会長というものも出てきます。

他にも松﨑慶喜氏の名前もあり、こちらは教頭とか副校長という肩書で登場します。

また、wikipediaの創立者のところには松﨑庚子良という名前も見えます。

この松﨑庚子良でGoogle検索をかけてみると、今度は古本屋の古書で大宮高等洋裁学校の教科書が出てきます。

最初は大宮洋裁女学校から始まったことと繋がりますね。

そしてどうやらこの大宮開成高等学校(学校法人開成学園)は、この松﨑一族が深く関わっているようです。

大宮開成中学・高等学校の沿革とコース制

ということで大宮開成中学・高等学校の沿革を見てみると、改革というか制度変更が頻繁に起こっている印象を受けてしまいます。

学校の名称や制度の変更点に絞って引用すると‥

昭和17年8月 大宮洋裁女学校創設
昭和24年11月 大宮高等洋裁学校と改称
昭和28年4月 準学校法人開成学園設立
昭和34年2月 学校法人開成学園に組織変更
昭和34年2月 大宮開成高等学校(普通科・商業科・家庭科)設立
昭和63年4月 家庭科を家政科と改称
平成9年4月 普通科に特進コースを設置、特進コースのみ男女共学とする
平成10年4月 普通科を「特進」・「進学」・「普通」・「スポーツ」の4コースとする。
平成13年4月 普通科を「特進選抜」・「特進」・「進学選抜」・「進学」・「総合」・「スポーツ」の6コースとする。
平成15年3月 商業科廃止
平成16年4月 普通科を「特進選抜」・「特進」・「進学選抜」・「進学」・「総合」・の5コースとする
平成17年4月 普通科を「特進選抜 医歯薬理系」・「特進選抜 難関国立文系」・「特進α(国立・難関私大)」・「特進β(難関私大)」・「進学選抜」・「進学」の6コースとする
平成17年4月 中高一貫部開設
平成18年4月 普通科を「特進選抜 医歯薬理系」・「特進選抜 難関国立文系」・「特進α(国立・難関私大)」・「特進β(難関私大)」・「選抜α」・「選抜β」 の6コースとする
平成19年4月 普通科を「特進選抜 医歯薬理系」・「特進選抜 難関国立文系」・「特進選抜 国立総合(国立・難関私大)」・「特進α(難関私大)」・「特進β(上位私大)」・「選抜(中堅私大)」の6コースとする
平成21年4月 普通科を「特進選抜 国立理数」・「特進選抜 国立総合Ⅰ類」・「特進選抜 国立総合Ⅱ類」・「特進S(難関私大)」・「特進α(上位私大)」・「特進β(中堅私大)」の6コースとする
平成22年3月 家政科廃止
平成23年4月 普通科を「特進選抜 国立先進」・「特進選抜 国立Ⅰ類」・「特進選抜 国立Ⅱ類」・「特進S(スーパー)」・「特進α(アルファ)」・「特進β(ベータ)」の6コースとする
平成27年4月 普通科を「特進選抜 国立先進」・「特進選抜 国立Ⅰ類」・「特進選抜 国立Ⅱ類」・「特進SⅠ」・「特進SⅡ」の5コースとする
平成29年4月 通科を「特進選抜 先進」・「特進選抜 Ⅰ類」・「特進選抜 Ⅱ類」・「特進選抜 S」の4コースとする
平成31年4月 中学を「英数特科コース(Tクラス・Sクラス)」とする
令和3年4月 普通科を「特進選抜 先進」・「特進選抜 Ⅰ類」・「特進選抜 Ⅱ類」の3コースとする

https://www.omiyakaisei.jp/profile/

なお、wikipediaには平成10年に「普通科を「特進」・「進学」・「普通」・「スポーツ」の4コースとし、普通コース・商業科・家政科以外すべて男女共学とする。」という記載もありました。

ざっくりまとめてしまうと、男女共学化や、商業科や家政科の廃止、同時並行で進学に関するコースの再編に次ぐ再編ということで、近年はかなり進学実績に力を入れている学校のように見受けられます。

大宮開成中学・高等学校の教育理念

校訓は「愛・知・和」となっています。

Google等で検索をかけても、特に由来となりそうな出典はなさそうなので、学校が独自で創作した校訓だと思われます。

ただし、学校のホームページの中で至る所で見かけます。

愛知和ラーニングとか愛知和新聞とか。

理事長あいさつの中の文章から引用すると「本校の校訓は『愛・知・和』の3つの精神です。愛情と思いやり、広い視野と高い教養、知性と良識に支えられた人間でありたいものです」という記載があります。

他に文章で提示されている指導重点目標としては「自立性・自立性の涵養(かんよう)」「継続力の高揚」とあります。

学校教育から見る大宮開成中学・高等学校(学校生活編)

学校行事

パッと見た印象だと学校固有の行事は少ないような印象を受けます。

高校部は4月の芸術鑑賞会、5月にかけての生徒会役員改選と生徒総会、6月の前記中間試験と体育祭、7月の郊外研修となっています。

7月の郊外研修が少し本格的かなと感じたので記事を掘ってみたところ、21年7月20日付の記事がありました。

記事によると、コロナ禍以前は長野の善光寺での宿坊研修を行っていたようですが、21年度は熊谷市のホテルで宿泊研修に変更したようです。

ペアワークに絡めて自分探しをした感じでしょうか。

年間行事の写真は恐らく長野の善光寺での宿坊研修のものを使っているのだと思いますが、今後どのようにしていくのか(長野の善光寺に戻すのか、自校で作成したプログラムを使うのか‥)も学校の体質が見えてくるかもしれません。

9月には前記期末試験や前期終業式という記載があるので、2期制の学校のようですね。

修学旅行に相当すると思われる2年生の海外研修も9月に設定されています。

行き先はオーストラリアやニュージーランドで、1週間程度の語学研修のようですね。

10月からの後期は、文化祭に始まり、11月の球技大会、12月の後期中間試験、2月の合唱コンクール、3月の後期期末試験となっています。

情報量が少ないように見えてしまい、淡々としたものに感じてしまうのは、それぞれの行事からの詳細なリンクがないからかとも思ったのですが、中高一貫部はもう少し行事が多い印象です。

4月にフレッシュマンキャンプが中1対象に、ジュニアキャンプが高2対象に設定されています。

6月には中1の牧場体験、中2の奈良・京都伝統文化研修(修学旅行相当か)、高1の大学見学が設定されています。

7月は中3対象にグローバルビレッジというものも設定されています。

後期になると10月の文化祭と球技大会、11月のスピーチコンテストが設定されています。

また、1~2月にかけて開成文化週間というものがあるようですが、やはり高等学校(高入生)にはなかった行事がいくつか見受けられます。

大宮開成中学・高等学校の場合は、中高一貫部と高等学校は別の学校のようです。

中学から入学した生徒と、高校から入学した生徒は混ざらないようですし。

また、学校全体の人数としても、中高一貫部よりも高校募集のほうが多いです。

都内の6年一貫教育を主軸にしている学校とは雰囲気が違いますね。

施設・設備

それぞれの建物の内部の情報はあまり見受けられません。

理科室が何部屋あるのか、音楽室や美術室などの特別教室はどこにあるのか、というある意味では私学の色が出る情報が少ないように思います。

1号館は管理校舎として紹介されています。写真から判別すると5階建てのようです。

2号館の写真は情報教室のようなものが見えます。特別教室と書いてあるので、2号館は特別教室棟ということでしょうか。また、wikipediaには5階建てとかいてあります。

3号館は学校ホームページでは高等学校校舎と紹介されています。

それとは別に中学校校舎も存在しています。

運動施設は体育館が2つとグラウンドが2つ、テニスコートとアーチェリー場も存在します。

体育館のうちの1つは2019年に完成したようで、冷暖房完備のようです。学校ホームページでも少し大きく紹介されています。

学校ホームページの学園マップがイラストでの紹介なので正確にはわかりませんが、テニスコートは西側に3面(?)以外にも橋を渡った先にある芝川グラウンドにも1面見えます。

この芝川グラウンド、サッカー場と野球場もあるように見えますね。

アーチェリー場はなかなか珍しいのではないかと思ったのですが、それもそのはず、調べるとなんとロサンゼルスオリンピックでアーチェリー男子個人の銅メダリストアテネオリンピック銀メダリストである山本博氏が教鞭を執っていた学校でもあったようです(2006年に退職)。

当時は中年の星なんて言われていたのを、私も調べていて思い出しました。

それ以外には、図書館、楽友ホール、清心館、ウェルカムホール棟、開成館コミュニティセンターなどの施設があるようです。

図書館については、学校ホームページでも少し大きく取り上げられていて、1階が蔵書40000冊の図書室、2階は198席の個別ブースをもつ自習室などという記載があります。

一方、その他の施設整備についてはあまり明言はされていません。

wikipediaによると、清心館は1階が多目的ホールで3階が格技場となっているようです(2階は?)。

また、ウェルカムホール棟は同様に1階が多目的ホールで、2-4階は普通教室のようです。

開成館コミュニティセンターは防災倉庫になっているようです。

部活動

中学生運動部

  • アーチェリー部
  • サッカー部
  • ソフトテニス部
  • 卓球部
  • チアダンス部
  • バスケットボール部
  • ハンドボール部

文化部

  • 科学部
  • コーラス部
  • 吹奏楽部
  • 美術部
  • 文芸部
  • ESS部
  • 将棋部

高校生(中高一貫部含む)運動部

  • アーチェリー部
  • 空手道部
  • 剣道部
  • サッカー部
  • ソフトテニス部
  • ソフトボール部
  • 卓球部
  • チアダンス部
  • チアリーダー部
  • 薙刀部
  • バスケットボール部
  • バドミントン部
  • バレーボール部
  • ハンドボール部
  • 野球部
  • 陸上競技部

文化部

  • イラスト部
  • インターアクト部
  • 演劇放送部
  • 科学部
  • 軽音楽部
  • コーラス部
  • 茶道部
  • 写真部
  • 情報処理部
  • 食物研究部
  • 書道部
  • 吹奏楽部
  • 美術部
  • 文芸部
  • 和太鼓部
  • ESS部
  • クイズ研究部
  • 将棋同好会
  • 家庭科研究同好会
  • 華道同好会
  • 動画同好会
  • 鉄道研究同好会

なかなか種類が豊富ですね。

強化指定部活のような記載は特に見受けられませんでした。

学校ホームページからは、各部活の活動紹介の簡単なページにリンクが設定されています。

学校教育から見る大宮開成中学・高等学校(学習編)

大宮開成中学・高等学校のコース設定

沿革の項目でも少し触れましたが、制度改革が盛んな印象です。

現存しているのは特進選抜先進コース(80名)、特進選抜Ⅰ類コース(150名)、特進選抜Ⅱ類コース(150名)のみですが、いずれも目標大学は旧帝国大学レベルの国立、国立大学、早慶上理、GMARCHと書かれています。

もちろん、後に分析する進学実績と卒業生の数とを比較しながらご自身でもこの学校の現状を想像してみてください。

なお、どのコースも平日はは50分授業を7時間(木曜日のみ6時間)、土曜日は90分授業を2コマ実施していて、週38時間の授業を行っているとのことです。

7時間目を行っている私学は一定数あると思いますが、週38時間と見ると、なかなかにインパクトがありますね。

また、気になる表記としては、wikipediaにて2019年に木曜日の7限を原則廃止とありました。

つまり、それまでは毎日7時間授業を行っていて、週39時間だった可能性も出てきます‥

各教科について

ホームページ上に公開されているデジタルパンフレットをもとにしながら、教育課程その他についての情報をまとめていきます。

デジタルパンフレットを読み込んでいくと、教科主任の話などは少なからずありますが、使用している教材の情報などは見当たりません。

学校ホームページでは各教科の話はなく、学校全体の取り組みを、学校が意識している教育の方向性として発信しています。

ここ最近、学校ホームページがリニューアルされたなとは思っていましたが、リニューアルされる前はもっと情報量は少なかったと記憶しています。

土曜授業を含めて潤沢にある単位数を、どのように分配しているのかは気になるところです。

なかなかに大学受験の勉強に振り切っているのが伝わってくると思います。

国語

中学校は見かけ上5-5-5(6)か。

なぜ中学3年時だけ1時間増えているかというと、土曜日にあるスタンダード演習という教科外のもので国語の授業が1時間確保されているように読み取れるためです。

中学1年生の段階から、読解3時間と言語文化2時間に分けています。

高校は5-文6理5-国文8私文12国理4私理0でしょうか。

どちらかというとコースごとではなく、進路志望の状況にあわせて、選択の幅を広げている印象です。

高2は文系が現代文と古典が各3単位、理系は現代文2単位と古典3単位の様子。

高3は文系が現代文と古典が各4単位に加え、私立文系は国語演習が4単位設定されています。

私立文系の国語演習4単位は、下記数学演習4単位との選択なのは、国立文系のためと考えると、納得ですね。

数学

中学校は見かけ上5-5-6ですが、国語と同じで土曜日にあるスタンダード演習を考えると実質は6-6-7ということになりそうです。

上記の時間設定は、Sクラスに在籍していればということになりますが、Tクラスに在籍しているとアドバンスト演習になり7-5-8になりそうです。

高校は6-7-国文4私文0国理8私理12でしょうか。

やはり進路志望の状況に応じて選択授業を増やしている印象です。

高校1年生では、数学Ⅰを4単位と数学Aを2単位、高校2年生では、数学Ⅱを4単位と数学Bを3単位設定しています。

高校3年生では国語と数学で裏表の関係性になっていますね。

英語

中学校は見かけ上5-5-5ですが、こちらはなんと8-8-9(Sクラス)が実際のところでしょうか。

なお、Tクラスのアドバンスト演習の場合は7-9-9ということになりそうです。

ここまで授業時間数が実質増えていることの理由としては、総合学習の2時間を英会話授業として各学年で扱っているためで、増単に拍車をかけています。

中学3年生では英語(読解と思われる)4単位と英文法2単位に分けているので、高校課程を意識してそうです。

高校は5-7(文系のみ+2の選択肢あり?)-国文7私文10国理7私理7or10でしょうか。

やはり、同じコースの中でも、志望によって選択に幅を設けています。

高校1年生は、コミュニケーション英語Ⅰの5単位が共通なので、高校2年生で理系が現代文を2単位行っている裏側で文系生徒は理科基礎演習or英語演習を2単位選択することができるように読み取れます。

同様に、高校3年生で私立理系を考えている生徒の中でも、7or10単位と選択の幅を少し設定しています。

この理由は英語演習と理科演習を選択性にしていることから生じます。

社会

中学校は3-4-4のようで、中2までは地歴とまとめての記載になっています。

中3は公民4時間になっています。

高校は4-文6理2-国文7私文8国理3私理0でしょうか。

まず、高校1年生では世界史Aと現代社会を各2単位設定しています。

高校2年生では、文系は日本史or世界史4単位と、日本史or地理2単位を合わせて6単位取得するように設定されていると思われます。

これが高校3年生になると、国立文系は世界史or日本史4単位と、地理Bor公民演習3単位を選択し、私立文系は世界史or日本史4単位と、歴史演習4単位になるようです。

理系生徒に目を移すと、表の中では高校2年生で地理or日本史の2単位を設定できるように見えますが、高校3年生で国立理系で設定されている3単位が地理or公民演習3単位となっていることから、高校2年生で日本史を選択することはできないようにしている気もします。

そうなると、国立文系を考えている生徒は高校2年生で地理2単位と世界史or日本史4単位を取得するパターンが多いということでしょうか。

私立文系を考えている生徒の場合は高校2年生で日本史2単位と世界史4単位を組み合わせ、高校3年生では世界史or日本史4単位と歴史演習4単位と時間数を増やしていくのが効率的に見えてしまいます。

国立理系の生徒は、高校1年生の現代社会2単位に高校3年生の公民演習3単位を重ねるパターンと、高校2年生の地理Aの2単位に高校3年生の地理Bの3単位を重ねるパターンを想定しているのでしょう。

理科

中学校では4-4-4となっています。

ただし、内訳がかなり特徴的です。

中1は生物2時間と地学2時間。

中2が化学2時間と物理2時間。

中3が化学2時間と化学実験2時間となっています。

高校は6-文2(or0も可能?)理7-国文4私文0国理8私理8or11でしょうか。

まず、高校1年生で物理基礎・化学基礎・生物基礎を各2単位設定しています。

高校2年生では文系生徒は理科基礎演習2単位になっていますが、これは英語演習2単位との選択性になっているようにも見えます。

高校3年生では国立文系は理科基礎演習4単位が設定されていますが、地学の選択が可能なのかどうかはちょっと見えてきません。

理系生徒は高校2年生では化学4単位と物理or生物3単位の合計7単位。

高校3年生になると、化学4単位と物理or生物4単位に加え、私立理系の生徒なら更に理科演習を英語演習との選択性で3単位増やすことも選択肢としてでてきます(国立理系の生徒はこの裏で社会を選択)。

十分な単位数を確保し、さらに選択肢も与えているという印象です。

その他

これ以外に、土曜日の4時間相当の部分が関係してきます。

ただし、学校ホームページに掲載されていたシラバスを見ると、半期で4回(年間8回)になっています。

様々な講座が設定されているのですが、これも学業に関連していそうです。

総合的な探求の時間として設定していますが、その設定講座(入試対策講座も含む)を挙げていくと

  • 東京大学英語探求
  • 英検2級対策講座
  • 英字新聞に挑戦!
  • 数学推理ゲームで学ぶ!
  • 数学の学習を楽しむヒント
  • 楽しくゲームで古文単語暗記
  • 諸葛孔明から読む三国志
  • 基礎生物学実験
  • 科学実験
  • 西洋美術史
  • プログラミング入門
  • プレゼンスキルを磨こう
  • 簿記 初歩の初歩講座
  • 教員志望者のためのアクティブラーニング
  • 障害者スポーツ(ボッチャ)
  • 英語の入試問題を作成してみる
  • 大学入試問題を解く 整数編
  • 大学入試問題を解く 確率編
  • 暗唱例文を100個覚える
  • 妖怪から見る古文
  • 世にも奇妙な漢文
  • 地学の基礎
  • 天気予報の基礎
  • 現代ダンス
  • 曼荼羅アートの世界
  • 血液を用いた実験
  • リスニング上達のための勉強法
  • 書道に親しむ
  • 世界のお菓子

などなどです。

入試が関連する学業と関係なさそうなものもありますが、全教員で分担していると想像されるため、実技教科の先生方も携わっているということなのでしょう。

大宮開成中学・高等学校の入試と偏差値

大宮開成中学校の入試

試験日程は1/10(第1回)・1/12(特待)・1/14(第2回)の3回。

募集人員は2022年度からは募集定員を120名から150名に増やす認可も申請中とのことで、1/10が80名、1/12が50名、1/14が20名となっています。

この効果もあってか、2022年度入試は、日程と性別によっては20~50%程度の受験者の増加があったようです(全日程で増加)。

それでも定員150名は、まだまだ都内有名私学に比べると少ないという印象です。

試験科目と配点は以下のとおりです。

4教科

国語(50分 100点)

算数(50分 100点)

理科(30分 50点)

社会(30分 50点)

なお、偏差値については四谷大塚の偏差値がありましたので、そちらを記載しておきます。

入試回性別80偏差値50偏差値
第1回5451
(1/10)5653
特待5552
(1/12)5754
第2回5350
(1/14)5552

女子のほうが男子よりも少し高くなっていますね。

出願数、受験者数、合格者数、合格最低点などは以下のとおりです。

2022年度入試

入試回性別出願者数受験者数合格者数倍率国語平均点算数平均点社会平均点理科平均点4教科平均点
第1回11971174特待T(20)
T(319)
S(247)
合計(566)
2.174.274.431.228.6208.3
(1/10)950927特待T(14)
T(204)
S(230)
合計(434)
2.178.571.229.127.2206.0
特待568437特待T(54)
T(66)
S(82)
合計(202)
8.174.979.728.935.8219.2
(1/12)451366特待T(43)
T(52)
S(77)
合計(172)
8.580.176.328.033.4217.9
第2回745510特待T(9)
T(94)
S(80)
合計(174)
2.972.469.329.032.0202.7
(1/14)525354特待T(2)
T(33)
S(69)
合計(276)
3.577.664.527.928.5198.5
引用元:大宮開成中学校ホームページより

なお、こちらの表も併せてご参照ください。

入試回特待T合格T合格S合格国語合格者
最高点
算数合格者
最高点
社会合格者
最高点
理科合格者
最高点
4科合格者
最高点
4科合格者
最低点
第1回232205191941004845259191
特待226215201971004148260201
第2回230200186931004249245186
引用元:大宮開成中学校ホームページより

ボーダー以上あるいはボーダー間にどれくらいの受験者が分布しているのか、少しは参考になるのではないでしょうか。

大宮開成高等学校の入試

試験日程は1/22(単願)・1/23(併願A)・1/24(併願B)の3日間。

試験科目は国語・数学・英語の3教科で、マークシート式となっているようです。

偏差値について見ていくと、学校単位で記載しているものだと62~69というものも見かけます。

一方で、特進選抜先進が69、特進選抜Ⅰ類が67、特進選抜Ⅱ類が66としているところもあるようです。

また、入試の結果次第では、上位コースへのスライド合格制度も準備されています。

入試の結果を見てみましょう。

2022年度入試

入試回志願者数受験者数合格
ライン
通常
合格
アップ
合格数
2段階
アップ
先進特待
アップ
合格者
総数
不合格コース
合格者数
1/22
先進
2323(特待)220
192
21223025
1/22
Ⅰ類
3838179362038040
1/22
Ⅱ類
999816370400742470
1/22
合計
16015912760213524135
1/23
先進
328319(特待)228
201
288313190418
1/23
Ⅰ類
4574471853776274461430
1/23
Ⅱ類
5995851714345326451768434
1/23
合計
13841351109912226421282691282
1/24
先進
1211(特待)235
203
10010126
1/24
Ⅰ類
60571894410357055
1/24
Ⅱ類
8985178501130642150
1/24
合計
161153104243313122131
全日程
先進
363353319333521469
全日程
Ⅰ類
55554245774105411525
全日程
Ⅱ類
78776855468291655113554
全日程
合計
170516631330152294715481151548
引用元:大宮開成高等学校入試情報のページより

受験人数に対して、合格者数がほぼ近い値になっており、不合格者数があまりないように見えるのは、埼玉県特有の北辰テストを利用した確約制度によるものだと想像されます。

合格実績から見る大宮開成中学・高等学校

令和3年度の大学入試合格実績を参照すると、卒業者数452名に対して以下のようになっています。

旧帝大では東京大学1名、東京工業大学1名、北海道大学2名、東北大学3名、名古屋大学1名、九州大学1名というところ。

国立大学では筑波大学3名、千葉大学2名を含み、地域柄か埼玉大学29名を出しています。

また、医学部医学科では、群馬大学と山形大学にそれぞれ1名ずつ合格しているようです。

国立大学は合計92名となっています。

また、東京都立大学が6名となっており、公立大学で合計27名が合格しています。

私立大学に目を移すと、早稲田52名、慶應義塾大学30名、上智大学33名、東京理科大学82名と、延べ人数とはいえ合計197名となっています。

GMARCHでは学習院が50名、明治が75名、青山学院が47名、立教大学が111名、中央大学が133名、法政大学が118名となっていて、延べ合格数は534名のようです。

ホームページの作り込み方から見る大宮開成中学・高等学校

ホームページがリニューアルされ、ホームページ全体のダイナミックさや写真素材の量は格段に良くなりました。

基本的には学校全体に関する部分と、中高一貫部に関する部分と、高等学校に関する部分の3本立てで構築されているのがサイトマップからも見て取れます。

学校全体に関する部分については、図書館や校長コラム、学校紹介動画など標準的な内容は一通り設置されているように思います。

図書館については、蔵書検索などもできるようですね。

また、今週の大宮開成(NEWS & BLOG)では細かく学校の情報が発信されています。

リニューアル前には見られなかった項目ですが、これのおかげで学校の内部の様子がよくわかるようになったと思います。

校長コラムはリニューアル前にもありましたが、リニューアル前の過去記事は読むことが出来ず、2021年度から月に1度更新されている校長先生からのメッセージを読むことができます。

最後に推薦図書があるのも興味深いです。

中高一貫部と高等学校はそれぞれ教育内容は熱く語られていますが、教科を通しての情報発信というよりも、学校全体の雰囲気を伝えているような印象です。

イベント情報とあるものは、学校が主催する学校説明会についてです。

また、入試情報も別トピックで設置してあり、入試広報として1つにまとまっているというよりは前面に押し出してきている印象を受けます。

自分で上の文章を入力していて、その理由を考えたのですが、このように感じた理由の1つはサイトマップに掲載されている項目の順番のせいかもしれません。

他の学校は「学校紹介」や「学校生活」が優先されているのに対して、この大宮開成という学校は先に「イベント情報(という名の学校説明会情報)」や「入試情報」が先に来ているせいではないかと思います。

もちろん、ホームページのメニュー項目は入試に関連する内容は後半に来ているのですが、サイトマップの項目と順番と内容が少し統一が取れていないのかもしれません。

大宮開成中学・高等学校の口コミ

中学生のほうの口コミはかなり高い。

保護者も肯定的な投稿がかなり多いように感じます。

更に、生徒の投稿はかなり実情を表しているようにも思います。

文章力も申し分なく、いい点も悪い点も、学校という環境下ということを考えるとありうる内容ではないかと思います。

高校の口コミを見ると、これもまたよく実態が見えてくるように感じます。

どこの高校でも見られるような勉強が辛いことも含め、かなり愚痴っぽいものも少なくないですが、一方で肯定的な口コミもありますね。

勉強に対してかなり量をこなそうとさせる学校だということは、7時間目授業を設定していることや、カリキュラムの観点からも教員経験者なら想像をつけやすいのではないかと思います。

大宮開成中学・高等学校の採用状況

採用情報を私のブログ内で検索しましたが、見当たりませんでした。

学校ホームページには採用情報の項目があるにも関わらずです。

私自身、何度かリニューアル前のホームページを見た記憶があるので、採用情報を調べた記憶があると思うのですが、ブログ内に記事としては残っていませんでした。

2022年2月10日時点での採用情報は以下のとおりです。

◆国語(現代文)の非常勤講師1名@2月12日応募締切
◆理科(化学)の非常勤講師1名@2月12日応募締切
◆保健体育の非常勤講師1名@2月12日応募締切
◆情報の非常勤講師1名@2月12日応募締切

ただ、たしかに言われてみると日本私学教育研究所では見かけることはあまりないかもしれません。

立地条件から見る大宮開成中学・高等学校

住所は埼玉県さいたま市大宮区堀の内町。

最寄り駅はJRおよび東武大宮駅から徒歩25分(2km)またはバスで7分ほど。

最寄り駅からは少し遠い印象ですが、最寄り駅が大宮駅というのはかなりの好立地だと思っています。

京浜東北線や埼京線などを使ってさいたま市よりも南側の地区からも生徒が通学できます。

それだけではなく、群馬や栃木方面の生徒の募集も視野に入れることができます。

また、旧東武野田線(現東武アーバンパークライン)の利用を考えると、さいたま市東部方面も視野に入れられます。

もちろん、武蔵野線を利用して武蔵浦和や南浦和で乗り換えて通学することも考えると、かなり通学範囲は広いのではないでしょうか。

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