私自身、最初は都道府県の教員採用試験を受験しました。
無事合格し、一度は数年ほど公立校に籍をおいたこともあります。
間違いなく、私の教員としての基礎を作ってくれたのは、公立校での経験でした。
そして、その公立校での経験は、その後いろいろな私学を渡り歩く上でもとても役に立ちました。
老若男女の同僚の教員がいて働き方と人間関係の基礎が学べる
公立校の場合、学年団には老若男女の教員がいることが多いです。
奈良京都で、3月末(春休み)に老若男女入り乱れた集団を見たら、十中八九、教員で修学旅行の下見をしていると思ってもいいくらいだと思っています(笑)
ベテランが引っ張りながら、若手を育てていく。
分掌の重い軽いも考えながら、バランスを見てくれる。
(もちろん上司のタイプにも依りますが)
若手といえども学年の構成員。
先輩と一緒に分掌を回しながら、どういう文書を会議で出せば良いのか、どういうふうに行事が回っているのかを学ぶことができます。
もちろん、ベテラン教員への上手な甘え方とか、自分の意見や希望の伝え方もそうですし、後輩への気遣いなども学べると私は感じています。
同じ学年の中でとか、違う学年団が昨年どうしていたかとか、まずどうしてみよう、という学校内での基本的な動き方・働き方が学べると思います。
私学は教えてくれない
人手不足が理由かもしれません。
時間的にも、金銭的にも余裕がない私学が多いからかもしれません。
研修などを強制的に行っていないからかもしれません。
もちろん、公立校の研修が全てためになるのか、と言われれば否と答えますが。
学校に依るのかもしれませんが、なんとなく、働きながら必要に応じて仕事の仕方をその場しのぎで教えていく、という感じもあると思っています。
ものの見方を変えれば、業務が絞られているので必要なときにだけなんとなく動けばいいのかもしれません。
あるいは、声をかければ仕事を率先して手伝ってくれるような優秀な人材が集まっているので、そこまで大きく「学年の仕事」とか「分掌」にしなくれも回せるのかもしれません。
ただ、少し仕事の仕方がずれている気がする場合もあります。
学年ごとにやり方が違うけれど、果たしてこれは学校としての意思統一がされていなければいいのか、とか。
私学は独特のローカルルールがある場合も多い
私学が独自性を打ち出すために、独特の行事を行ったりする場合もあります。
行事が独特なだけで、働き方にローカルルールがなければいいのですが、中には踏んではいけない地雷のようなものがある場合も少なく有りません。
仕事の仕方の話に戻ってしまいますが、もちろん、公立でも学校によって変わることはあるでしょう。
しかし、あくまでも公教育なので、一定の枠の中では縛られています。
基本となる軸があるとでもいえばいいのでしょうか。
この感覚を知って自分の中にもっておくだけでも、私学で働くときのバロメーターにできます。
様々な私学で勤務しましたが、このハードルも学校によってまちまちです。
「流石にこれはおかしいのではないか」とか「ここまでやられると自分にはあわない」という感覚も磨かれ、自分の中で何が本当に譲れない条件なのかが見えてくることがあります。
逆に、「こういうところで融通が利くのはさすが私学だな」と思うことも出てくるはずです。
ただ私学から私学を渡り歩いていると、その振れ幅が大きく、基準をどこにおいていいのかがわからなくなることもあります。
そういう観点で、公立校で勤務していた経験はとても貴重なものになっています。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
本日は公立校と複数の私学で勤務した観点から書きました。
私学は民間企業ゆえに、公立校の先生(=公務員)のほうが安定していていい、と思う方もいらっしゃると思います。
いい意味でも悪い意味でも、私学は民間企業ゆえに考え方がバラバラです。
公立で縛りが強いと感じている方は、私学も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
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