続・ホワイト私学の専任教諭を勝ち取るためのステップアップ方法

転職活動

戦略的に転職を重ねて理想的な職場で働く。

前回の記事でも自分の経験ももとに考えを述べてきましたが、今回は更に具体的に例を挙げていきます。

改めて加筆しようと思ったきっかけはダイヤモンド・オンライン社の「転職が僕らを助けてくれる」という書籍をみかけたこと(12/14発売)。

私立学校の教員の転職の観点でも、考え方を適用できそうなものも多々ありましたので共有していきます。

この種のノウハウ本は経験したことがある人は「あるある」となる部分も多いですが、そうでない人にとっては具体的なイメージをもちづらいと思うので、別に書籍を買って読んだほうがいい、というようなことではありませんが興味がある人はどうぞ。

ダイヤモンド・オンライン社のツイートも紹介しておきます。

わらしべ転職という概念

この書籍を読むと、かなり序盤にわらしべ転職という言葉が出てきます。

ただ、この言葉を見て(私にとっては)筆者の言いたいことが自分が考えていることと重なる部分がかなり多いと想像できました。

やりたいこと(=教員)をやりながら、様々なスキルを身につけながら、自分が働きたいと思う学校を目指して転職を重ねていく。

スキルというのは一人の教員の守備範囲としては授業力だったり、担任としての学級運営の力だったりします。

組織の中の人としては、校務分掌でしょうか。

学校という限られた空間なので、できるだけ全体を見通して、どのように学校が運営されているかを考えると転職で使えそうで自分に合いそうなスキルも見えてくるかもしれません。

そして身につけた授業力や校務分掌のスキルを活かして転職を重ねていく。

その過程で待遇や勤務校の知名度なども上がっていき‥という意味ではわらしべ転職という表現は言い得て妙だと思います。

あまりにも短期での転職は、実績やスキルを身につけるということができなかったり、説得力に欠けてしまうこともありますので、ある程度の辛抱は必要にはなってきます。

自身の学歴については、前回の記事でも伝えているように、必ずしも高くてもいいとも思います。

ですが、相対的にホワイト校の数が多い上位校に転職したいということであれば、それなりに計画的にスキルを磨かないといけないと思いますし、もしかしたら高学歴の人よりも転職のステップの数は増えてしまう可能性はあります。

私がTwitterやブログで理科や技術家庭科などの助手の応募(学生OK)のものはぜひ検討して欲しいと情報を共有するのはこのスキルをできるだけ早く身につけるという観点もあります。

助手を募集しているのは、中堅以上の学校で教科指導を丁寧にやりたいという意思があり、学校法人側も助手の人件費を出してくれる学校ではないでしょうか。

そんな学校風土で働けて、スキルや考え方・ノウハウに触れられるのは大きな経験値になると思います。

転職の波に乗る

書籍では会社選びの戦略の章の冒頭部で触れられています。

実際に書籍を買って読むまで、内容は想像できなかったのですが、読んだら自分の考えと同じでした。

それは筆者自身の転職がうまくいったのは、会社側が「条件を緩和してでも、とにかく人が欲しかったタイミング」に採用されたという内容です。

私自身もこの経験があり、ある中堅校に1月下旬の面接のみで採用が決まったことがありました。

その学校が夏頃に採用活動をしていたのは知っていたのですが、年が明けてから突然募集があったんですね。

待遇は常勤講師だったのですが、当時としては年が明けてからの募集は非常勤講師ばかりで、常勤講師の募集は珍しい時代だったんです。

後日、同僚となった教員から聞いたのは、内定を出していた方が辞退してしまった故の緊急の募集だったということでした。

こういうこともあるので、自分のスキルを高めることはやり続け、チャンスを待つのが大切だと思います。

ただし、書籍にもあるのですが、スキル習得にあまり時間をかけすぎると、今度は年齢の壁が立ちはだかるということ。

これについては私も2年前にnoteで記事を書いています。
年齢にはそれなりの付加価値が求められる

私立学校の数は限られているとはいえ、できるだけ早く、できるだけやりがいのある環境で、できるだけスキルも身につけたい。そういう意味でも、入りたいと思う学校の採用選考は、とりあえず受けたほうがいいと私も思います。

学校の「採用条件が緩くなるタイミング」を逃さない

2021年度の採用情報を今まで見ていて以下のような募集があったと思います。

  • 神奈川県の中堅上位校で専任教諭を同じ科目で3名募集していた学校があった。
  • 都内の学校でも英語で3名の募集をしていた学校があった(と思う)。
  • 科目の指定を取り除いて(=条件を緩和して)再募集をしていた学校があった。
  • 昨年度から継続して専任教諭の募集をしていた学校があった。

このような採用の波は、常日頃求人情報を見ているからこそ気付くのかもしれません。
(情報の蓄積・比較は大切ですので今後とも当ブログを是非ご活用ください ← 最後宣伝)

専任教諭を3名募集などと見ると、逆にブラック私学なのではないかと思ってしまうこともあるかと思います。

情報収集をしたり、面接等で実際に学校に赴く時によく確認をしてきましょう。

採用試験に行くときに見てくるべきこと(noteマガジン)

「業務拡大」で人手不足の学校を狙う

書籍のもとの項目は「売上急拡大」で人手不足の会社を狙うなのですが、これを私立学校の業界で言い換えると、提携校を増やしたり、新たに中学校を設置したりして拡大している人気校を狙うというのがあてはまるように思います。

2021年度の教員募集でわかりやすい例を挙げましょう。

1つは広尾学園小石川で、人気校の広尾学園の系列です。

村田女子から広尾学園小石川に変わった影響もあるのか、多教科にわたって募集していましたね。

もう1つは千代田女学園から武蔵野大学附属千代田高等学院に変わり、千代田国際中学校も開校(厳密には中学募集の再開)しようとしている武蔵野大学系列。

こちらの学校も、やはり多教科にわたって教員を募集していました。

注意したいのは、これらの学校では、新しいプロジェクトに取り組んだり、立ち上げの時期だからこその困難も少なくなく、仕事が多くブラック化する可能性もあります。

ただ、プロジェクトを軌道に載せたというのは自分の実績にもなりますし、培われるスキルもあるでしょう。

転職活動時の注意点

相手のことは徹底的に調べる

当たり前といえば当たり前ですが、意外に疎かになっている方も少なくない印象です。

学校のもつ校風や考え方、取り組もうとしていること(もちろんうまくいっているものだけではない)など色んな媒体から情報を集めたいものです。

書籍の中では、求人票をしっかりみることを述べていますが、残念ながら、私立学校の求人票は一般企業のそれとは比べ物にならないくらい情報が少ないです(もしかしたら学校側もうまくこの点を発信することができれば応募してくる層もうまくコントロールすることもできるのかもしれません)。

学校ホームページ、雑誌類、オンライン記事など少しでも多く情報源に触れたいところです。

もちろん、その情報をどれくらい真剣に受け取るのかの軽重の判断も大切になってきます。

最も信用できるのは、内部で既に働いている方の話を聞くことなのですが(これもその人のフィルターを通して学校を見ていることには変わりませんけれど)。

この作業はその学校を受験する子どもやご家庭もやっていることです。

お子さんがいる方ならば、学校見学に申し込むというのも1つの方法かもしれませんね。

学校側の「募集背景」を知る

上述の転職の波に乗るの項目でも触れましたが、学校側がなぜ募集をするのかの理由は少し考慮に入れたいところです。

書籍にもある項目は以下の通りですが、私立学校にあてはめて補足します。

  • 「欠員」を補充する
  • 「事業拡大」で人を増やす
  • 「新規事業立ち上げ」で経験者を採用する

①「欠員」を補充する

私立学校の欠員は、定年退職、産休代替というところでしょうか。

定年退職の場合は予定されている欠員ですから、学校側も引き継ぎなどのことも考慮して複数年がかりで優秀な人材を探すとことをする場合もあります。

年度の途中で出ることもあるのが産休代替の募集でしょうか。

学校現場としては、年度の区切りはまだまだ意識されることが多いように感じるので、空白期間が生じてしまうと不利益を被ることも考えられます。

もちろん、そのあたりを考慮して、年度末までの契約を打ち出している学校も増えていますね。

期間限定とはいえ、自分のスキルを高めるために有名校に飛び込むチャンスといえば少しは魅力的に感じられるのではないでしょうか。

学校側も、最初から有期の採用を名言できるので、本当に欲しい人材でなかったとしても、任期満了を理由に契約を打ち切ることができるわけなので、多少採用のハードルが下がることもあるのではないかと思います。

この観点で、採用の波の1つになりえる可能性のある求人ではあると考えます。

②「事業拡大」で人を増やす

上でも述べましたが、提携校化したり、新しく併設校を設置する場合でしょうか。

先日も、日本学園中学校・高等学校が明治大学の系列化する記事を書きました。

私立学校の子どもの囲い込みや生き残り戦略については頭の片隅に少しおいておいたほうがいいと思います。

学校の経営面も考えるとものの見方も少し変わってきます。

系列校化することが果たしていいのか、功を奏するのかということも含めてです。

また、偏差値が上がったり、受験者数が増えたり人気が上がるのはどういう理由なのかも考えるのは大切だと考えます。

③「新規事業立ち上げ」で経験者を採用する

あまり私立学校の求人には当てはまらないと思います。

ただ、経験者を採用したいとか、スキルをもった人材を採用したいという意思が明確にあらわれている求人票はたしかにありました。

昨年も今年もあったのですが、流通経済大学付属柏高等学校の経験者枠採用(教科問わない)というのがあてはまるのではないでしょうか。

自己PRには「STAR」を入れる

これは私立学校の業界に限らず大切なことだと思いました。

自己PRにおけるSTAR法というのは、検索すればそこそこ出てくると思います。

  • Situation(状況や背景など)
  • Task(課題や役割など)
  • Action(具体的な行動とその理由、工夫したことなど)
  • Result(結果や成果など)

これを意識して書くと一定以上の文章になると思います。

自分が今まで応募時に提出していた自己PR文は使いまわしをしてきたのですが、改めて見るとこのSTAR法を(無意識にですが)踏襲していました。

転職エージェントの存在

かつて私も転職サイトに登録して利用していたことはあります。

記事もいくつか書いています。

私立学校という業界で言えば、転職エージェントを使わなくてもステップアップしながら転職を重ねることは可能でした。

また、業界としても、転職エージェントそのものがまだまだ成熟していないようにも感じます。

ただ、やっぱり本当にいい非公開求人なんかもあるところにはあるようです。

書籍には『プロだけが知っている「クローズド情報」を手に入れろ』という項目があります。

確かに超有名校のクローズド(非公開の)求人情報はなくもないことは知っていますが、そもそもの絶対数が少ないようにも思いますし、それを紹介してもらえるまでに自分のスキルを高めることを考えてしまうと、私立学校という業界に限ってしまえば自分で賄うことも可能ではあると思います。

おわりに

今後加筆修正をする可能性はある(まだ書けることはある)のですが、一旦ここでネットの海の放ちます。

書籍は必須ではありませんが、興味ある方はどうぞ。

ちなみに、現時点で触れているのは書籍の6割程度で、残りは実績の作り方だったり、身だしなみについて書かれている章が続きます。

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